ずいぶん間が開いてしまいまして申し訳ございません。
いよいよ3巻、ご紹介したいと思います。
最初のページから意味深です。
ヨンラクの指がドンユンをつまんでいます。。。
目覚めたドンユンのもとに、ヨンラクが赤ん坊を見せにやってきます。
「すまなかった。生涯の養育費を保証しよう」というドンユンに、「お金などほしくない」と返すヨンラク。
逃げられないことを十分に認識させた後、「シナリオを書いてください」と持ち掛けます。
その過程で繰り返されるのは、「先生がいつもおっしゃっていたように」です。
「先生がいつもおっしゃっていたように、お金になるシナリオを書かなくてはいけません」
そういってヨンラクが取り出したのは、『アンダンテ・カンタービレ』の台本です。タイトルには二重線が引かれ、赤字で『白夜』と書き換えられています。
そう、ドンユンがヨンヒ青年から盗んだ本です。
とうとうあきらめたのか、ドンユンが「何を書けばいいんだ?」と聞きます。
ヨンラクはストーリーの要約を説明しますが、ここでも「いつもの先生の言葉」が登場します。
<スランプに陥った作家が他の作家を殺し彼の作品を盗む>
「どうですか? あ、ちょっと待ってください。24文字。20文字で要約できないアイテムはものにならないっておっしゃいましたよね」と言いながら
<スランプに陥った作家が殺人を犯して原作を盗む>
「おお、これでOKだ!」
という具合です。
一晩すぎてもまったく書けなかったドンユンの左足をハンマーで打ちのめすヨンラク。
残酷なシーンなのでお見せするのは控えます。
そうしてやむを得ず書き始めるドンユンですが、以外にも作家魂が頭をもたげてきます。スランプでまったく進まなかった筆がすらすらと進み、自信作と呼べるようなシナリオが生まれていきます。
翌朝、進捗具合に満足するヨンラクですが、ヨンヒ青年ではなく黒いシェパードを轢いたというくだりに不満を表します。
「ぼくは殺してない」と主張するドンユンですが、「先生のことではありません、これはシナリオです。ヨンヒ青年(台本の中では仮名ですが)を殺したことにした方がストーリーが盛り上がる。事実をありのまま描いた映画は事実よりずっとくだらない、とおっしゃったでしょう」と言われ、書き直します。
書き直しているうちに、本当に自分が殺したように思えてくるドンユン。ヨンヒ青年の血走った眼も鮮明に思い出されてきます。
さて、ヨンヒ青年を殺したのはいったい・・・・・・