11月17日にはインタビューも受けられたようです。
内容がなかなか良いので、<パク・ヨンウ博物館>としては、記録に残さない手はないですね
『アトリエの春』 パク・ヨンウ
「僕の人生の春? 死ぬまで訪れなければ・・・」
世界でも有数の映画祭で8冠王をさらった映画 『アトリエの春』 が、国内公開を待っている。
映画関係者の関心が集まる中、ベールを脱いだ 『アトリエの春』 は、美しい映像と温かみあふれる情緒、パク・ヨンウ、キム・ソヒョン、イ・ユヨンという三人の俳優の好演が相乗効果を成して好評を得ている。
公開を4日後に控えた17日、ソウル鐘路区三清洞のカフェで、パク・ヨンウに会った。
彼は、60年代末、韓国最高の彫刻家だったが、身体が徐々に麻痺してゆく不治の病に侵され、生きる希望を失ったジュングを演じた。ジュングは、献身的な妻ジョンスクと、熾烈な人生を生き抜くミンギョンを通して、死の直前に<生きることがすなわち芸術>であることに気づく。
シナリオを受け取った時期のパク・ヨンウは、疲れ切っていたという。
芸術的な成就にばかり耽溺していたジュングが、生の美しさに気づき、人生の<春>に出会えたように。
今はパク・ヨンウも、春のように明るく暖かな元気を取戻したようだ。
「これまでは、なぜか自分だけ割に合わないような、鬱憤を感じていました。一生懸命生きてきたのに思ったほどの成果が出せていないようで・・・そんな思いが湧いてきたんです。そんな折に、受け取ったのが『春』のシナリオでした。見方によっては退屈な感じもするし、ありふれた話にも思えましたが、のめりこんでしまったんです。シナリオを読み終えたとき、僕のそんな鬱憤が、この作品を演じることで解消されるかもしれないと思いました」
作品のおかげか、タイミングがよかったのか、<どん底に落ちていた>パク・ヨンウは、最近また活力を取り戻した。
限りなく憂鬱で無力感にさいなまれていた理由を、自ら考えたとき、「役者として、自分なりの欲と、成功したいという欲望があったくせに、知らないふり、超越したふりをして生きてきたせいで、心が爆発してしまった」のだった。趣味があってもまともに楽しむことができず、表向きのことに終わっていた。
「行動するのが一番だ」と考えた彼は、「今はやりたいことを楽しんでやっている」と言う。
最近では周りが心配するぐらいプライベートを大切にしていると。
2年前から始めたドラムの演奏も楽しみ、美味しいものを探して歩くことにも幸せを感じる。
1年半前からは休みなくジム・トレーニングもしているが、これも楽しみのひとつだ。
SBS 『食事は済みましたか?』 で見せた上腕二頭筋は実際の5分の1程度だと自信満々に話す。
では、パク・ヨンウの人生の<春>は今だろうか?
彼は「僕の人生には春が来なければいい」と意外な答えをした。
「小さな春があり、大きな目標の春があると思う。小さな部分で暖かみを感じる程度の<春>ならば、最近ほんとうに何度も体験している。それより大きな<春>があるとすれば、死ぬまで僕の人生には訪れなくていい。<春>という希望を抱いて、ずうっと生きていきたい。楽しみながら、小さな春を積み重ねて、人生を終えるとき、<振り返ってみると多くのことを成し遂げてきたな>と満足して目を閉じることができたら幸せだと思う」
(訳文文責:ハギ)