アンディ・マレー、ついにウィンブルドン優勝!英国77年間の悲願を達成!(更新) | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

マレー・ファン@ラブテニスワールド-マレーの優勝ツイート
『今起こったことが信じられない!!!』
 ~アンディ・マレー


77年間イギリスが待ち続けたウィンブルドン・チャンピオンが
ついに誕生しました!

$マレー・ファン@ラブテニスワールド-マレー、ウィンブルドンチャンピオン

スーパーサンデー、ビッグセレブレーションで
超二日酔い、いまだに夢見心地、くらくらしてます。
何から書いていいのか分かりません。
のちほど気持ちを整理して更新します。

***
(ここからは更新部分です)

ついにこの日がやってまいりました。

この日とは・・・

アンディ・マレーが77年ぶり、フレッド・ペリー以来、
英国選手として初めて

ウィンブルドンのトロフィーを掲げた日です!!

とにかく今だに強烈なのは、マレーが30-0(だったと思います)で
マッチポイント2度目の最中。

イギリス中が息を呑んで、マレーが歴史を作る瞬間を
待ち構えているとき。

突然、上空を飛行機が通過しました。

そしてマレーはトスを諦め・・・

この瞬間のセンターコートに張り詰めた緊張は、
もうその場にいない限り表現できません。

飛行機の陰がセンターコートを通り過ぎる場面は、
おそらく一生で二度と忘れられない光景です。

「どうやって勝ったのか、自分でも思い出せない」

とマレーが言っていたとおり、この後の記憶は本当にないのです。

覚えているのは、ジョコヴィッチのバックハンドがネットに当たった瞬間。
そしてマレーがコートで崩れ去ったこと。

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もう少し時間が経って、再び試合を見直したいと思います。

***

ここ数日は気持ちの整理がつきそうにもないので、
とりあえずイギリスの興奮のるつぼだけお伝えします。

ザ・ガーディアン紙は、マレーがついにイギリス国民に
「我々のマレー」として認められたと報道。

「キャメロンの呪い(*)、フレッド・ペリーの亡霊、
 国の期待という苦しい重圧のすべてを乗り越え、
 アンディマレーはウィンブルドンで優勝した。

 スコットランド人、英国人-それが何だと言うのだろう?

 今日、そしておそらく永久に、ダンブレーンの男は
 我々すべての代表だ」


(*注:キャメロンの呪いとは、英国キャメロン首相から
 激励のツイートを送られた選手が必ず負けてしまうという
 ジンクスのこと。詳しくはこちらをお読みください


テレグラフ紙は、マレーが英国スポーツ界への誇りを
国民に取り戻してくれた、と報道しました。

マレーのおかげで、国民は笑顔を取り戻し、
 幸福と希望に溢れ、我々のスポーツ界の将来を
 見ることができるようになった」


また、マレーとマスコミの長年に渡る苦い関係も、
この日で終止符が打たれました。

「マレーが優勝を決めた瞬間、彼は記者団席を向き、
 振り絞るような雄叫びを上げた」
そうです。

つまり長年マレー批判を浴びせ続けたマスコミに対し、
ついにマレーが証明する瞬間がやってきたと言うわけです。

ファンとしては「ざま見ろ!」と言いたくもなるこの瞬間。

でも英マスコミは自虐的なところがあり、散々選手たちを
叩くものの、実際に成果を見せてくれたときは別です!

もう手のひらを返したように、今度は大絶賛!

この記事は、そんなシニカルなマスコミの態度を
象徴しているともいえますね。

英ミラー紙は、ピーターパンに出てくるネバーランドに引っ掛け、
『永遠のネバーランド』で彷徨っていた英国スポーツ界を
ついにマレーが助け出してくれた、と報道!

「ノヴァク・ジョコヴィッチを崩壊させたアンディ・マレーの
 驚異的なストレートセット勝ちは、ウィンブルドン敗退の
 亡霊たちを、澄み渡った青空に吹き飛ばしてくれた」


このように、不可能と思われ続けてきた英国男子選手の
ウィンブルドン優勝が、ついにマレーの手によって達成され、
英国民とスポーツ界に再びプライドと希望をもたらしたわけです。

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さらに何といっても『ウィンブルドンの亡霊』であるフレッド・ペリー
実の娘、ペニー・ペリーの言葉が、英国の待ち続け過ぎた歴史と
マレーの勝利がいかにその苦悩から国民を救ったかを表現しています。

ペニーは父の代わりにマレーの勝利を見届けたことは、
「現実離れしている」と語りました。

「自分でも何を考えていたのか思い出せないの。
 ぼーっとして、もうすぐやってくる結果を待ちながら見ていたわ。
 そして身動きができなくなった。

 きっと父も身動きができなくなったと思うわ。
 私たち家族、そして国民が、これほどまでに待ち続けた瞬間で、
 とにかく現実にこれが起こった今、誰もがどんな風に
 反応していいかも分からないくらいなのよ。

 フレッドはものすごく愛国心が強かったから、英国にとって
 この勝利は本当に素晴らしいものがあるわ。
 
 英国テニスにとってもこれは最高の出来事よ。

 彼(フレッド・ペリー)は、40年、50年、60年もの間、
 ずっと毎年「次の英国人(優勝者)はいつ現れるんだ?」と
 聞かれ続けてきたの。
 
 でもついに彼に答えることはできなかったけど、やっと今日、
 その答えが見つかったのよ」
 


フレッド・ペリー本人がマレーの偉業を見届けられなかったのは
残念ですが、きっとこれで安らかに眠れるでしょうね。

自転車競技で五輪金メダルを取ったクリス・ホイ卿も、
マレーが英国スポーツ界で成し遂げた、最大ともいえる偉業には
ひたすら畏敬の言葉を送るばかりです。

「ロイヤルボックスでこの瞬間を見届けることができたのは
 本当に名誉なことだ。
 
 アンディこそがテニスだ。アンディはイギリスのウィンブルドンだ。
 彼はただ一人、この大きな期待を背負ってきた。

 僕はチームのメンバーの一人だったから、僕が成功しなくても
 国全体の失態とはならなかった。

 だから彼がこれほどの期待を、たった一人で
 どうやって背負ってきたのか、僕には想像もつかない。

 そして今、77年後、再び我々がウィンブルドンでイギリス選手の
 優勝を祝うことができたのは本当に素晴らしい」


またこの試合のあと、エリザベス女王本人が直接マレーに
メッセージを送り、これも大きな話題に。

このことにより、マレーに騎士の称号が与えられ、
さらにイギリスのスポーツ界で最高の栄誉である
『スポーツマン・オブ・ザ・イヤー』にマレーが選ばれるべきなど、
様々な憶測が浮上してきました。

いずれにしても、マレーがイギリスの歴史を大きく変え、
国民全体がマレーの勝利によって大きなプライドを得たのは
間違いのないことです。

でも最も忘れてはならないのは、アンディ・マレーを
「あともう一歩」のところから、真のチャンピオンに変えた
コーチのイヴァン・レンドルの存在です。

レンドル自身、マレーと同じくグランドスラム決勝で4度敗退し、
5度目の挑戦でやっと初のグランドスラム優勝を果しました。
このハードルを乗り越える助けをしたのがコーチのトニー・ロッチ

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トニー・ロッチもレンドル同様、テニス選手からコーチに転向。
あと一歩のところでグランドスラム優勝を逃しつつけたレンドルを
見事に最初のグランドスラム優勝に導き、その後レンドルは
7年に渡り、なんと合計8回のグランドスラム優勝を遂げました。

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現役引退後、ずっとテニス界から遠ざかっていたレンドルが
突然マレーのコーチを引き受けたのは、もちろんマレーの
才能を信じたことによりますが、トニー・ロッチの教えを元に
今度は自分がロッチの役割を果せる、と信じたからです。

この大ニュースが流れたのは、忘れもしない、
2011年12月の大晦日。

マレーファンとしては、コーチ不在だったマレーにやっと
フルタイムのコーチが決まってほっとするやら、
また突然現れた伝説の存在、イヴァン・レンドルの名前に
多くの人々が驚きの声を上げました。

特に人々が注目したのは、この二人がキャリア上、
おそらく最高のリスクが伴う賭けをしたということです。

このままマレーがグランドスラム優勝を果せなければ、
レンドルにとっても、マレーにとっても、二人のキャリアでの
大きな「失敗」となり、それが後世に残ることになるからです。

そしてレンドルは、ついに二人が正しかったことを証明します。
マレーは去年のウィンブルドン決勝敗退の後、
五輪で金メダルを獲得、そして全米オープンで
念願のグランドスラム初優勝を果しました。

「最後のハードル」を乗り越えたあと、レンドルは7年間に渡り
8回グランドスラムを制覇したわけですが、
すでに教え子マレーにもその兆しが見えているといえます。

去年の全米オープン優勝で最後のハードルを乗り越えたあと、
マレーは今年の全豪オープンでも決勝に進出。
そして今回、グランドスラム最高峰であるウィンブルドン優勝。

つまりマレーはウィンブルドン、全米、全豪、ウィンブルドンと、
グランドスラム出場中、なんと連続4度の決勝進出を果し、
うち2度の優勝を果したわけです(号泣・・・すみません)。

ということで、師匠のトニー・ロッチから受けついた教えを
レンドルがマレーに受け継ぎ、さらにマレーはそれを証明し、
師匠と弟子の素晴らしい関係が3世代に渡って
続くこととなりました。

しかもですよ。

現存の四大大会の優勝数では、

アンディ・マレー:2度優勝(全米、ウィンブルドン)
ノヴァク・ジョコヴィッチ:1度優勝(全豪)
ラファエル・ナダル:1度優勝(全仏)


と、現在マレーが最高優勝数保持者(涙

一体いつの間に~っ!!!!!

す、すごすぎる!!!!!マレーッ!!!!!


と、冷静に書けなくなる前に話を戻します。

マレーは優勝スピーチで、レンドルにもこの優勝を捧げました。
というのも、現役時代、レンドルにとってウィンブルドン優勝だけが
叶わぬ夢となってしまったからです。

「この優勝は特にイヴァンにも捧げたい。

 彼が現役だった頃、どんなにこのために戦ったかを
 知っている。だから彼がコーチとしてこれを勝ち取る
 助けができたのが嬉しいんだ。

 彼は素晴らしい人間だ。

 僕と一緒にものすごくハードな努力をしてくれた上、
 本当に辛抱強かった。

 ありがとう」


これまで、どんなにマレーの試合でドラマが起ころうと
ぴくりとも顔の表情を変えなかったレンドルですが、
マレーの優勝が決まった途端、ついに笑顔に・・・

しかも椅子から立ち上がりました!(笑

マレー・ファン@ラブテニスワールド

冗談はさておき、英国の絶え間ない失望とプレッシャーを
乗り越えただけでなく、マレーはレンドルとのコンビによる
『人生での最も大きな賭け』が正しかったことも
今回の勝利で証明しました!

ぐおーっ、とまた泣けてしまうので、とにかく先へ進みます。

レンドルの影響についても、多くの新聞が取り上げていますが、
テレグラフ紙の記事の中で、マレーは『レンドルの率直さ』が
自分の精神力を培った、と語っています。

「彼(レンドル)はいつも僕に対して非常に正直なんだ。
 彼は常に何を考えているかを率直に話してくれる。
 テニス界ではプレイヤーとコーチの関係上、
 これはなかなかできることではない。
 プレイヤーが時には上に立ち、コーチは遠慮してしまうことが
 多いからだ。

 彼のおかげで、試合のロスから学ぶことが多くなった。
 僕がベストを尽くせば、彼はハッピーだ。でもそうでないときは
 彼はがっかりし、それを僕にもはっきりと伝えてくる。

 去年の決勝で負けた後、僕がチャンスを見ては
 思い切ったプレイをしたことを誇りに思う、と言ってくれた。 
 グランドスラム決勝で、こんな試合をしたのは初めてだったし、
 こういった試合ができるようになったのも彼が僕の精神力を
 少し変えてくれたからだったんだ」


***

肝心の試合については、また試合を冷静に見直して
再び記録として書き残したいと思います。

ウィンブルドン開始前に、マレーのドキュメンタリーが
放映されたのですが、これを新たにウィンブルドン優勝記念として
バージョンアップして、今晩再び放映されます。

とりあえず今日はそれを見て、再度マレーの優勝の喜びに
浸るつもりです!



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