・・・と、これはコメディアン俳優のリッキー・ジャーヴェイスが
アンディ・マレーが準決勝進出後に送ったツイッターより。
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-リッキー・ジャーヴェイスのツイート](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/9b/94/j/o0500033612599369152.jpg?caw=800)
”よくやった、アンデイ・マレー!
もしこの調子で進んでいけば、英国人になれるだけでなく
イングランド人になれる
(逃げます)”
と、大笑いさせるツイッターですが、この背景には
アンディ・マレーが去年英国の国旗を掲げて
五輪金メダル獲得したにも関わらず、
「マレーは英国人ではなくスコットランド人」
と相変わらず中傷する荒らしがいるからです。
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-スコットランド対英国人](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/f6/6b/j/o0500030312599369156.jpg?caw=800)
とはいえ、マレー支持の割合に比べたら、こういった人々は
すでにマイナーな存在となりつつあるのですが・・・
(このマレーの国籍(?)問題に関しては、以前のブログ記事
『ティム・ヘンマンとアンディ・マレーのプレッシャーの違い』にて
詳しく書いていますので、そちらもお読みください!)
ということで『マレーは英国人、それともスコットランド人?』
という議論はいまだに大きく取りざたされており、
その割合を量る単位を称して
Murray-ometer(マレー指数)
と呼ばれるようになりました。
andymurrayometer.comというサイトまで作られていますが
毎日この指数は変動し、今日のマレーの英国人指数は91%だそう(笑
英国のタブロイド新聞、ザ・サン紙で連載中の『マレー指数』も
ウィンブルドン開始前からぐぐーっと英国人度が上がっています。
その大きな理由は、マレーがクイーンズ大会での優勝金額を
ガンのためのチャリティー団体である
『ロイヤル・マースデン・キャンサー・チャリティー』に
そっくり寄付したことによります。
ウィンブルドン直前に行なわれたロンドン・クイーンズ決勝で、
マレーは2013年でやっと2度目の優勝を飾りましたが、
この勝利は、マレーの親友であり英国テニス選手で
現在ガンと戦っているロス・ハッチンスに捧げられました。
ハッチンスは28歳と言う若さで去年末にガンの宣告を受け、
治療のための苦しい化学療法を受けてきました。
ウィンブルドンでマレーが流した涙はいまだに記憶に新しいですが、
今回も優勝のスピーチで、マレーは涙をこらえることが
できませんでした。
というのも、ハッチンスはクイーンズ大会ディレクターである
クリス・カーモドと一緒にチャリティー親善試合を企画。
その手助けをしたのがマレーだったのです。
この企画に賛同し、
ティム・ヘンマン、イヴァン・レンドル、トマス・ベルディヒ、
ヴァージン会長リチャード・ブランソン、
TV司会者ジョナサン・ロス、
ロンドン市長ボリス・ジョンソン、
コメディアンのジミー・カーとマイケル・マッキンタイア、
『レ・ミゼラブル』でお馴染み、俳優エディー・レッドメイン
という豪華なメンバーが集まりました。
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-クイーンズ、チャリティー試合](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/2c/df/j/o0500026912599369154.jpg?caw=800)
最初の試合では、マレーはティム・ヘンマンとコンビを組んで
コーチのイヴァン・レンドルとトマス・ベルディヒ相手に対戦。
またとない『師匠対弟子』の戦いが見られると言うことで、
観客も大喜び。
さてレンドルが現役中に対戦相手のボディめがけて
容赦なくボレーを打ち込んでいたことは有名です。
マレーも『師匠に続け』とばかり、今回の親善試合で
チャンスを狙っていましたが、マレーのミスショットが
レンドルに命中し、みごと実現(笑
と、話は脱線しましたが、この企画のおかげで
寄付金がどんどん寄せられ、総額25万ポンド(約3千7百万円)もの
寄付金が集まりました。
もちろんマレーの優勝金額7万5千ポンドの寄付が
大きく貢献しています。
ザ・サン紙もマレーの美徳にあやかって(?)、
今回のウィンブルドンでマレーが一勝するごとに
『ロイヤル・マースデン』に寄付しています。
その金額は試合ごとに増えて行き、
マレーが優勝すれば、なんと1万ポンドを寄付するそう。
ということで、ザ・サン紙の何だかいい加減な
『マレー指数』は下の図を参照(笑
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-マレー指数](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/49/a3/j/t02200116_0500026312599369155.jpg?caw=800)
とはいっても、マレーが負けた瞬間、マレー指数は再び
ぐぐーっとスコットランド人側へ落ちることになるわけですから、
本当にこの都合のいい『マレー指数』、
いい加減にせよ!って感じですね(笑
***
真剣な話に戻りますが、今日はいよいよウィンブルドン男子準決勝。
ノヴァク・ジョコヴィッチ(1)v フアン・マルティン・デル=ポトロ(8)
ジャージー・ヤノヴィッツ(24)v アンディ・マレー(2)
さて、一番楽ができるのは「一本足のデル=ポトロ」と対戦する
世界ナンバーワンのジョコヴィッチと言われています。
デル=ポトロは膝の怪我を押して準々決勝に出場し、
第一ゲームでいきなり転倒。
![$マレー・ファン@ラブテニスワールド-デル=ポトロ転倒](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/71/2d/j/o0499026012599414618.jpg?caw=800)
それでも死闘を繰り広げダビド・フェレールに勝ちましたが、
この影響が、今日の試合にどう出るのかが心配ですね。
なんて言ってる場合ではなくて、マレーの方こそ今日もまたまた
ベルダスコに引き続き『当たって砕けろ』がモットーの手強い選手、
ジャージー・ヤノヴィッツに立ち向かわなくてはなりません。
ヤノヴィッツはなんと身長2メートル。
彼の武器はこの身長から繰り出す強力なサーブです。
準々決勝では時速140マイル(225キロ)という、
大会最高記録を打ち出しました。
しかも今大会では、彼のサーブのうち50%近くが『ノーリターン』。
ファーストサーブ勝率も84%、サービスゲーム78回中74勝。
ということで、ヤノヴィッツは「まさに鋼鉄のサーブ」の持ち主。
去年のパリ・マスターズでマレーはヤノヴィッツと対戦しましたが、
5-7、7-6、6-2で敗れたという苦い経験があります。
しかも怖いのはそれだけではありません。
ヤノヴィッツは全盛期のジョン・マッケンローとは比べ物にならないくらい
「コートで大暴れ」する選手。
しかもその暴れ方がすごい(汗
全豪オープンでは審判台をラケットで殴り、水ボトルをコートに投げ、
ローマ・オープンではツォンガを破った後、シャツをバリバリと引きちぎる!
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-ローマオープンのヤノヴィッツ](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/b7/c8/j/o0500031012599369153.jpg?caw=800)
この暴れ方があまりにも凄まじいため、スポーツ精神分析家にかかり、
『感情コントロール』の治療を受けているほど。
準々決勝で勝った後のインタビューも、感情が高ぶりすぎて
身体の震えが止まらず、言葉が出てこない状態。あわわ・・・
ということで、マレーにとっても、イギリスのテニスファンにとっても、
ガクガクブルブルの準決勝を迎えることとなりました。
でもマレーは、「とにかく忍耐が今日の勝負」と言っています。
「ヤノヴィッツは巨体とビッグサーブの持ち主だけど、
それに怯えるつもりはないよ。
もし恐れるとしたら、それは忍耐力のある相手に対してだ。
もし自分よりも相手に忍耐力があると分かっていれば、
試合開始直後からのプレッシャーになるわけだからね。
でも単に相手にビックショットが備わっている、というだけなら
その武器を奪い取る方法を考えればいいだけのことだ」
・・・と、つまりは、ヤノヴィッツの精神的なメルトダウンを
アンディは狙っている、というわけですね。
マレーがレンドルと言う素晴らしい師匠と出会って以来の
精神的成長ぶりは、ベルダスコ戦でも証明されましたが、
今日の試合ではさらにギアをアップして臨むのが
勝利への鍵となりそうです!
ああああああっ、なんて言ってる余裕はなくて、
あと数時間で試合開始!
今日は素晴らしい天気で、テニス日和、パブ日和!
マレーの応援に燃えてきます!
![マレー・ファン@ラブテニスワールド-アンディ・マレーの練習風景](https://stat.ameba.jp/user_images/20130705/18/lovetennisworld/98/58/j/o0492038012599369652.jpg?caw=800)