マレーマニアが世界に与えた影響 | マレー・ファン@ラブテニスワールド

マレー・ファン@ラブテニスワールド

英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!


現在私の周りで風邪が流行っており、私もついにうつされて
先週から苦しんでおりました。

ということで、リハビリは中断中。ソフトボールをにぎにぎ
しながら、ブログに書きたいことはたまる一方…。
でも今日は少し熱が下がったのでがんばって発信します!

前回のブログではどうも感情的になってしまいましたが、
ようやく泣かずにマレーの名前を言えるようになりました。
一人ひとりにお礼をいえなくて申し訳ありませんが、
皆様の心の温まるコメント本当にありがとうございました。
このブログを通して、いろんなことを皆様とシェアできて
本当に嬉しいです!

またMINTAさん、zooqさん、私のブログを紹介していただいて
本当にありがとうございます。MINTAさんもzooqさんも、
お二人とも非常に文章力が達者で、とても読み応えのある
ブログを発信していらっしゃいます。

私もいつも楽しみにさせていただいてるブロガーさんたち
ですので、ぜひ覗いてみてくださいね。
MINTAさんのブログ
***

さて前回はとても冷静に書けなかったので、書き残したことが
沢山ありました。その一部をまとめたいと思います。

前回ウィンブルドン決勝後にマレーに寄せられたツイートの
一部を紹介しましたが、実際、世界でどれくらいの人々が
マレーに注目していたのでしょうか?


世界中のトレンドを解析する方法は、なんと言っても
ツイッターが一番。

IBMがウィンブルドン関連のツイッター3百万件のデータを
まとめたので、その最終結果を見てみると…

男子選手 独占ツイート回数トップ5
(カッコ内は他の選手と一緒にツイートされた数)

1位:アンディ・マレー   32万回(50万回)
2位:ロジャー・フェデラー 24万回(49万回)
3位:ラファエル・ナダル   6万7千回(14万回)
4位:ノバク・ジョコヴィッチ 2万3千回(12万回)
5位:ルーカス・ロソル    2万回(6万4千回)

なんと、優勝して世界1位に返り咲いたフェデラーですら
追い越して、アンディ・マレーの独占ツイート、


30万回以上


想像をはるかに超えて、イギリスのマレーマニアが世界中に
余波を広めていたということが分かります。

ちなみに女子選手では、優勝者のセレーナ・ウィリアムス
6万5千回(9万9千回)でトップ、ラドワンスカ2万4千回
(5万5千回)で2位でした。

とはいえ、ツイートにも好意的な意見と批判的な意見が
あるので、ただつぶやかれればいいというものではありません。

そこで好意的なつぶやきと批判的なつぶやきから割り出した
支持度を比べると、さらに驚く結果に。

男子選手ツイート支持度トップ5(カッコ内は不支持度)

1位:アンディ・マレー    42%(9%)
2位:ロジャー・フェデラー  29%(6%)
3位:J=W・ツォンガ    28%(10%)
4位:ルーカス・ロソル    28%(16%)
5位:ノバク・ジョコヴィッチ 25%(7%)

ということで、マレーの支持度が42%と圧倒的。

ええええええええっ~っ!!!!!

いつのまに世界がひっくり返ったんですか!?

と、このブログを読んでくださっている方ならお分かりの通り、
とても予想できなかったというくらいの衝撃の結果です。

ちなみに女子選手ツイート支持度では、決勝前は
ラドワンスカが支持度39%セリーナの30%
上回っていました。

ところがセリーナが優勝した途端、トレンドが逆転。


最終的にはセリーナの支持度が55%ラドワンスカが
21%という結果に。
グランドスラム大会ですから、優勝者であるセリーナに
賛辞のツイートが発信されて当然ですよね。

逆にラドワンスカはがっくりしたファンの気持ちが
反映され、不支持度が13%
大きく増えてしまいました。

同じことがナダルにも起こり、2回戦敗退後は不支持度
(20%)支持度(15%)を上回ってしまいました。

だ・か・ら・こ・そ!

マレーが負けたあとは、再び期待のサイコロがひっくり返され、
世界の注目は勝者ロジャー・フェデラーに集まり、ナダルや
ラドワンスカと同じ敗者の道を辿ると
思うじゃないですかっ!

なのに…

この驚きの結果はなんですかっ!

あああっ、ウィンブルドン前に散々マレーが叩かれてきたことを
思い出すだけで、この結果には涙が…

フェデラーの『ウィンブルドン7度目優勝』より、『英国からの
プレッシャーを抱えて戦ったマレーの涙』の方が世界中の
人々に訴えるものがあったということなのでしょうか?


さてこれは世界中の統計ですが、イギリス国内だけでツイートを
分析すると、さらに驚きの結果が。

イギリス国内からのマレー支持ツイートをスコットランドと
イングランドで分けたところ、

イングランドからの応援の割合が87%

を占めるという結果に!

つまりイングランドとスコットランドといった国境の差なく、
イギリス全土がマレーを支持したということ。

うぎゃーっ!

と、これでまだまだ驚いてはいけません。

テレグラフ紙が「アンディ・マレーはウィンブルドンの決勝で
負けたけど、グランドスラムで勝つチャンスはあると思う?」
というアンケートを行なった結果・・・


イエスが75%!


つまり、マレーの「あと一歩(Getting Closer)」の言葉を、
大多数の人々が国民が信じているということになります。

信じられないので何度も繰り返しますが、つまり75%もの
英国人がマレーがグランドスラムで勝つチャンスがあると
信じているわけですよ。

ガビーン。

以前のアンケートだったら、こんな圧倒的な支持率は
考えられません…(涙

と、ここで涙していてはいけないので、次へ進みます。

国民がやっとティム・ヘンマンの幻から開放されつつあると
感じたのは、このアンケート回答中のコメントでこんな内容が
目立ったからです。

「以前ティム・ヘンマンを応援していたけど、実際は
 ヘンマンは優勝できないだろう、と半分諦めていた。
 でもマレーなら優勝できると確信がもてるようになった」

ヘンマン・ヒルがマレー・マウンド(マレー・マウント、マレー・
マウンテン)として定着する日も遠くない未来となりそうです。

***

…と決勝後一週間がたち、現在は…というと、
『マレーの涙』は英メディアでいまだに取り上げられ分析され、
もうこれ以上語るものがないというくらいの固執ぶり。

さすがイギリスのメディアだとしみじみ感じています(笑

もちろん相変わらず、メディアの中にはマレーの涙に
対する批判的な記事もありますが、

「人間らしさを見せて何が悪い?」
「これ以上マレーを
批判するのはやめてほしい」

とマレー援護に回る人々が
増えてきました。

今回優勝したロジャー・フェデラーと比べようとして、
「ロジャー・フェデラーは勝ったときにしか泣かない」などと
誤報をして(2009年全豪オープンでナダルに負けたときは、
フェデラーはスピーチもできないくらい大泣きでしたね)
逆にバッシングを受けているジャーナリストもいたり(^o^;)

またウィンブルドン終了後のメディアの反応で目に入るのは、
マレー支持に回った記事数が増えたということです。
特に驚くのは、これまでスポーツに関連のない業界までが、
マレーに感化されて筆を取ったということですね。

これに輪をかけて、世界中のメディアも

「なぜマレーの涙がこれほどイギリス国民に影響を与えたのか」

について、こぞって
分析。

イギリス国民が一つになって涙を流した歴史的出来事として、

1939年のドイツのポーランド侵略
1997年の
ダイアナ妃の死
1998年のサッカー・ワールドカップでの
イングランドの敗退

などと比べられたりもされています。

そのうちの一つで面白かったのは、NCTimes.comの
『A Crowning Defeat(最上の敗北)』という記事。

この記事では、外からマレー現象を見て、アンディ・マレーと
いう一人の人間がイギリスという一大国に与えた影響力の
スケールの凄さについて語っています。

マレーが英国人76年ぶりウィンブルドン優勝を目指して挑んだ
テニスの決勝に、英国首相、ロイヤルファミリー、ベッカム
夫妻などイギリスを代表する顔が集まり、イギリス国民が
固唾を飲んでアンディ・マレーの決勝を見守ったという事実。

そしてマレーが負けた瞬間、国全体に大きな悲しみが
またたく間に広がったこと

これらの現象がいかに驚愕に値するかを語り、この記事では
こうまとめています。

「一人の男性が6億人の国民をいっせいに悲しみのるつぼに
 陥れたということこそ、最高の功績ではないだろうか?
 これぞ真のチャンピオンの姿だ」

***

さてメディアはマレーの涙に焦点を与えていますが、
忘れてはならないのはマレーが国民にもたらした希望です。

マレーマニアのおかげで、これまで低迷していた英国テニス界に
大きな希望の光が指してきました。

それは子供たちがマレーに影響されて、続々とテニスラケットを
握り始めたこと。


ウィンブルドンという歴史的行事を抱えているにもかかわらず、
イギリスではテニス人口が少ない上に、サッカーなどと比べると
幼い頃から子供たちが気軽にテニスを始められる環境に
ないことが問題でした。

各地方でも子供たちにテニスを広める活動が行われてきましたが、人気度が低く、テニス土壌がなかなか育たないという状態。

ところがマレーの活躍により、子供たちの間でも一気に
テニスの認知度が上昇。

テニスが子供たちの憧れのスポーツとなり、サマーキャンプも
今年は例年に比べて
大ブームとなっています。

もちろんテニスを幼い頃から始める子供たちが多ければ多いほど、
将来イギリスのテニスを背負う次世代の選手が
生まれる確率も
高くなります。

テニス人口の低迷で今年4月に政府予算の削減対象と
なってしまった芝テニス協会ですが、マレーマニアの効果により
再び未来が明るくなるかもしれません。

もちろん、いよいよ迫ってきたオリンピックも、イギリスの
テニスの将来に大きく影響しそうです。

マレーがメダルを取っても取らなくても、おそらく再び
大きなドラマが展開するでしょうね。

ただそれがどのように転ぶかは…

もう予想がつかなくなってきました。

***

それにしても、7月は毎日「晴れのち曇りのち大雨」という、
実に天気予報者には楽な(?)予報が続いております。

どんなに昼間は太陽が降り注いでいても、気温が急激に
下がったり大雨が降ったり、まったくスポーツ日和とは
いえない日々。

寒すぎてビーチバレーボールの開催も危うい、なんて
言われているくらい、イギリスらしい五輪と
なりそうです。

最後になってしまいましたが、chamama52さんからの
コメントで、アンディ・マレーの賢さとスピーチのセンスの
よさについて
触れていたので、それに関していろいろと
書きたいことが
実はぐわーっと膨らんでます。

本当はそのことも取り上げたかったのですが、今日は
時間切れなので次回にまとめたいと思います!