ウィンブルドンQF:マレー、フェレールとの死闘を乗り切る | マレー・ファン@ラブテニスワールド

マレー・ファン@ラブテニスワールド

英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

ウィンブルドンの男子QFが昨日行なわれましたが、地元の期待を
一手に握るアンディ・マレーダビド・フェレールと接戦を
繰り広げ、マレーが6-7, 7-6, 6-4, 7-6で勝ち、4年連続
ウィンブルドン準決勝進出を果しました!


ジョコヴィッチフェデラーの試合は思ったとおり、メイヤー
ユーズニーが見事にあっさりと倒されました。逆にツォンガ
コールシュライバーに苦戦を強いられ、2セット目を落とした
ものの、タイブレークを二度勝ち取っての勝利となりました。

ということで、準決勝はこのようなラインアップに!

ノバク・ジョコヴィッチ vs ロジャー・フェデラー
アンディ・マレー vs ジョー=ウィルフリード・ツォンガ

それにしても大会前から予想されたとおり、準々決勝までの

マレーの道のりは本当に険しいものがありましたが、全仏
オープンのQFでマレーを倒したダビド・フェレールの戦いぶりは
すごかったですね。

私はこの日リハビリに行っていたのですが、あまりにもあっさりと
フェデラー戦が終わってしまったため、リハビリを中断して
1セット目はなんと待合室のテレビで観戦という事態に(笑

それにしても1セット目のマレーの挽回振りはすごかったですね。

正直1-4になったときは、完全に1セット目はフェレールのものか
と思いましたが、マレーは2-5から6-6へと見事にカムバックして
タイブレークに。

このタイブレークでは21回のスリリングなラリーが2度も
繰り返されましたが、ついに7-5でフェレールがものにしました。

うぎゃーっ、とがっくりしつつも、嘆いている暇はなく、
このあとすぐにタクシーに飛び込みました。

クリニックの小さなテレビでこれ以上の観戦はできませんっ!

クリニックから家まで車で数分の距離とは言え、自宅に帰った
ときは汗びっしょり。何しろタクシー代を払ったり、鍵を
開けたり、テレビをつけたりという行為をすべて片手で行なった
のですが、一体どうやってこんなスーパー短時間で行なったのか
自分でも不思議です。もう無我夢中とはこのこと。

さすがマレーのなせる業!o(^▽^)o

さて2セット目も終盤でブレークをし合うなどはらはらが続き、
再びタイブレークにもつれ込みましたが、なんとここで5-5
なるという緊張極まりない事態に!

もうとにかく「マレー、このセットは落とすな~っ」

でも最後はマレーのサーブで素晴らしいフォアハンドが決まり、
見事にマレーが2セット目を獲得。うわー、もう息がつけないとは
このことです…

3セット目はマレーが念願のブレークをキープし6-4で取ります。
やっとここでぐたーっと力を抜くことができました。

ところが相変わらず勢いの落ちないフェレールは、4セット目で
再び踏ん張り、またまた5-5に。


しかもこんなときに限って、なんと雨がポツポツ…

ということで、コートにカバーがかけられ、いったん二人は
ロッカールームに戻りました。

センターコートに屋根がかぶされるのかどうかの決定を待つ間、
マレーはマッサージを受けましたが、部屋が小さいため、
ベッドをひとつ隔てた向こうではフェレールもマッサージを
受けていたそうです。普段はいくら仲のいい友達といえ、
スコアがスコアだけにかなり緊迫した雰囲気だったそう(汗

さて雨が収まり、再び試合開始。フェレールはこのセットを
落とすまいといった意気込みでサービスをキープ。マレーも次の
サービスでエースを決めキープし、スコアは6-6に。

なんと3度目のタイブレークです。もう心臓に悪いのだ~

ということでいきなり2-1でフェレールがリードしたときは
国民が再び息もつけない状況になってしまいましたが、最後は
マレーが時速135マイルのエースを決め、6-7, 7-6, 6-4, 7-6
マレーが勝利!


こ・れ・で・・・・

いよいよ、マレー、4年連続の準決勝進出!

しかも2年連続でマレーの決勝進出を阻み続けたナダルが
いない~っ!

さらに準決勝のお相手は、マレーが現在5勝1敗で圧勝している
ジョー=ウィルフリード・ツォンガ

…と興奮は押さえるとして、冷静に準々決勝を振り返りたいと
思います。

フェレールとマレーが芝で戦うのは初めてですが、お互いの
武器である防御力がバシバシと火花を散らし、素晴らしい
ラリーの応酬となりましたね。

フェレールは、『The Wall(壁)』とあだ名されていますが、
さすがその名の通り。どんな球も追いかけて返してくるばかりか、
驚くほどのスタミナの持ち主で疲れ知らず。

でも今回マレーがフェレールに打ち勝つ要因となったのは、
おそらく4セットに渡る集中力の持続でしょうね。

長い試合になるとマレーの集中力が落ちてレベルが下がったり、
一つの戦略が上手くいかないと、それに捕らわれてプレイに集中
できなくなったりということがよくあります。

でも今回はマレーは試合を通してレベルを持続。

特に1セット目の不安定なスタートのあとスコアが追いついて
からは、どんなにフェレールが歯向かおうと、クールさを
失いませんでした。

この試合の後、ダビド・フェレールはこう語っています。


「もちろんマレーはウィンブルドンで優勝するチャンスがあるよ。
 驚くべき選手で、グランドスラムで優勝する資格がある。

 アンディは重要な場面で非常にいいプレイをした。彼は僕よりも
 攻撃的だったし、僕より上回っていた。もし僕が2セット先取を
 していたとしても、彼のプレイの前ではアンディを負かすのは
 難しかったと思う」

現在のところ、マレーにとってはこのダビド・フェレール戦が
もっとも難関となりましたが、マレーは準決勝進出を
決めただけでは満足していません。

「もちろんゴールは次の試合に勝って、決勝に進むことだよ。
 過去数年間素晴らしい試合をすることができたけど、
 それだけで満足はしていない。

 今年はいいポジションにいるけど、ベストチャンスかといえば、
 そういうわけではないよ。例えばアンディ・ロディック戦
 (2009年の準決勝)のときも僕にはチャンスがあった。
 でもあの年、彼は驚くほどの試合をして決勝に進んだよね。

 ただこのポジションを僕は何度も経験しているから、今度こそ
 さらに上の結果を得たいんだ。こうして準々決勝に勝ったけど、
 『よかった、これで準決勝進出だ』などとは思っていないよ。
 とにかくもっといい結果を目指しているんだ」


はっきりとは言いませんが、つまりは『優勝』を目指している、
ということですね。


あと2試合を残すのみ~っ!がんばれ~っ!!!!


また自分の現在の状況を、バスケットボール選手のレブロン・
ジェームス
と比べています。


「彼はもちろん偉大なバスケ選手で、何度も勝利を目前に
 してきた。それだけに、ついに今年彼が優勝したことは
 すばらしい出来事だった。

 僕はバスケが好きでニュースもいろいろと追ってきたけど、
 彼に勝ってほしいと思わない人々は大勢いたし、彼が勝つと
 思わない人々も大勢いた。また決勝になると彼は決して
 ベストの試合ができないと非難する人々も大勢いた。

 ところが彼はついにすべての決勝やプレイオフで見事な
 プレイを貫き通したんだ。

 僕も長いこと彼と似たような立場に置かれている。
 勝利を目前にしつつも、最後は勝利を掴むことができない
 という状態がね。

 だからこそ、この立場に何度も自分を立たせ続けることで
 最後には目標が達成できると信じ続けていくつもりだ」

私はバスケについては詳しくないのですが、下のリンクを読めば、
マレーがなぜこのような発言をしたか分かると思います:

***
ところで今大会でおなじみとなった、マレーが空に向かって
人差し指を上げるポーズですが、マスコミはこれにどんな意味が
あるのかに興味津々。


でもマレーは

「説明すると、次からそのことばかりに質問が集中するから
 絶対に理由は言わない」


とのこと。ということは、もし優勝したら教えてくれるのかも?

***
さて準々決勝ともなると、センターコートは観客席もすごい
華々しさでしたね。

下は英デイリーメール紙が紹介したロイヤルボックス席に
座っていた有名人物の目録ですが、ここでは全員は紹介できない
ので目立つ人々だけ…


1. ロッド・レーバー
4・5. ウィリアム王子とケイト・ミドルトン

7・8. アンドレ・アガシとステフィ・グラフ夫妻

15. リチャード・クライチェック
19・20. ティム・ヘンマンの両親
26. マーク・フィリプーシス
29. トッド・マーティン
38. ピーター・フレミング

またここには写っていませんが、サッカーのイングランド・
チームの監督、ロイ・ホジソンも見に来ていました。

その他著名なビジネスマン、英国王室のメンバー、イギリス各界の
有名人、世界各国のテニス協会の主要人物、伝説的スポーツ選手
などなど…。

お互いに同席できたことが嬉しいらしく、試合の合間ごとに写メを
撮りあっているのも笑えましたね。

また毎年のことですが、マレーの活躍によりここにきてメディアが
ヘンマン・ヒルをやっと『マレー・マウンド』と呼ぶように
なりました(涙

もちろんご存知の方が多いと思いますが、このヘンマン・ヒルは
第一コートの前にある丘で、センターコートや第一コートの試合を
大画面で観戦できます。

ティム・ヘンマンが活躍していた頃はチケットのないファンたちが
この丘から大歓声を送ったことから、ヘンマン・ヒルと呼ばれる
ようになりました。

2007年にティム・ヘンマンが引退したのを引き継ぐかのように、
2008年に21歳のアンディ・マレーがウィンブルドンで台頭。

この年マレーが初めて準々決勝に進出し、この丘が『マレー・
マウンド』と一時的に名称変更になりました。

ところがその後のマレーの発言(これはまた怪我が治ったら
ゆっくり…書ききれません・汗)などがイングランド・ファンの
反感を買ったり、ヘンマン自身も「
マレーがグランドスラムで
勝とうとも、あの丘だけは僕のものだよ」
などとジョークで
発言したりしたため、実際に国民の間でまだまだ定着していない
状態です。

なのでマレーがイギリス国民から本当に認められるのは、
ウィンブルドン(またはグランドスラム)優勝し、あの丘が

名実ともに『マレー・マウンド』となったとき!

ティム・ヘンマンとアンディ・マレーについては、過去のブログ

***
今週はブログを書くためにiPadを左手の人差し指で駆使している
ためか、なんと指先にタコができました(笑)。
そのためかどうか、画面を押しても反応がなかったり…。

これからは中指を使うべきでしょうか(;´▽`A``

でもパソコンと違って、片手でタイプできたりマウスを使わずに
済むし、ベッドで立て膝の状態で使えるので、けが人としては
本当に助かってます。

iPadが身障者のセラピーに大活躍しているのも非常に納得♪ 

最後になりますが、MINTAさんがジョコヴィッチのゴルフクラブ
事件(?)についてコメントを下さったので、ここでその話題を~

これが起こったのは、ジョコヴィッチ対フェレーロ戦でのこと。

ジョコヴィッチが今年ウィンブルドンで使用しているラケット
バッグに脚がつき、ゴルフバッグのように直立をするデザインと
なりました。これを記念して(?)、スポンサーがこのバッグに
入る大きさのミニ・ゴルフクラブをジョコちゃんに進呈。

そこでジョコヴィッチはセンターコートの観客を笑わせようと
このクラブを会場に持ち込み、間違ってゴルフクラブを
バッグから取り出したふりをしたのですが…

このもくろみは見事大失敗!

会場を笑わせるどころか、観客たちから

「ここはゴルフ場じゃない」

とたしなめられる羽目に。

ジョコちゃんは苦笑いしながら「オーケー」とすごすごと
ゴルフクラブをバッグに戻しました。

これはジョークといえどもタイミングが悪かったかも。
というのも、フェレーロはすでに準備万端、ネット際で
ジョコヴィッチを待っている時のことでしたからね~

もともとジョコヴィッチはナダルと並んで、試合開始前や
ポイントごとの準備に非常に時間がかかり、相手選手を長く
待たせることで悪名高き選手。

なので今回ジョコちゃんの前に座っていた観客たちも、
早く試合を始めろ~と言いたかったのかも知れませんね。

ということで、このジョークは英マスコミでは一部報道された
のみでほぼスルーされましたよ~。といっても、各紙
マレーに紙面を割きすぎているせいもあるかも(笑

ところでジョコヴィッチがこうしたジョークをもくろむのは
初めてではありません。

2011年のATPファイナルでは、コンタクトレンズがずれて
試合が長時間中断。ナダルを鬼怒りさせましたが、次の日、
何と海賊の黒眼帯をつけて登場。


もうこうなると、怒っていいのやら、笑っていいのやら…ですね。
まあお茶目なところが彼の魅力なのかもしれませんが…

もちろんジョコヴィッチの『ジョーカー』のあだ名の由来は
全米オープンでの他の選手の物真似をしたことです。

真似された選手には申し訳ありませんが、的を突きすぎていて
さすがに笑えます。最後はこのビデオでお楽しみを☆

ジョコヴィッチ:フェデラー、ナダル、ロディック、
ヒューイット、シャラポワ、ゴーランの物真似をする