ウィンブルドン:マレー決勝進出、英選手74年ぶりの快挙! | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

さて私は本当なら今日はセンターコートで女子決勝を見るはず
でしたが、マレーの初戦のチケットと交換したため、今日は
自宅観戦。二日酔いでぐてーっとなりながらの観戦でした。

去年生死の境をさまよったセレーナ・ウィリアムスにも、
ポーランド人初の快挙を成し遂げたアグニエシュカ・
ラドワンスカ
にも、どちらにも勝ってほしかったです。
でも勝者はただ一人。やっぱりどう結果が転んでも感動は
つきないですね。

さて話は本題に戻ります!

やったー、ついにマレーがやりました!

ウィンブルドンの男子シングルス準決勝で、アンディ・マレー
ジョー=ウィルフリード・ツォンガ6-3, 6-4, 3-6, 7-5
破り、決勝進出を決めました~っ!

バニー・オースティン以来74年ぶりに地元ウィンブルドンで
英国人が決勝進出を果すという、長く苦しいイギリスの歴史の
一つのハードルをマレーがやっと乗り越えました!

マレーの肩にかかるイギリスでのプレッシャーの大きさは前回も
お話しましたが、試合開始前から終了まで恐ろしいほどの緊張が
続きました。

最後のポイントがホークアイで決定されるという前代未聞の
結末になったときは、もうマレーが立っていられることだけでも
不思議なくらい(゚Ω゚;)

でもホークアイがインを証明し、ついにマレーの決勝進出が決定!

この瞬間、やっと緊張の糸が切れたかのように、さすがの
マレーも涙。

やめてくれ~っ、こっちも涙で画面が見えない~


今回の試合は友達とパブで見ていたのですが、マレーが勝った瞬間、
パブ中が震えるかと思うほど、人々が飛び上がって大喜び!
私も怪我してなかったら、絶対に参加してました(笑

この後は飲み過ぎて、今日は二日酔いというわけです。
帰りの電車の中でも、勝利を思い出しては泣きっぱなしでした。

さて今回の勝利で歴史を作ったマレーですが、マレーには
もう一つの歴史作りが待っています。それは

フレッド・ペリーが76年前に果したウィンブルドン優勝

国民がマレーの決勝進出を祝っている間、マレーはカクテル・
パーティーを辞退しました。

「これでトーナメントが終わったわけではない。試合の後
 イヴァン(レンドル)と話したけど、彼は『よくやった、
 いい試合をしたね。さて明日は何時に練習を開始する?』と
 言っただけだ。

 今は他のことに気を取られている余裕はないんだ。

 今日の夜は家に帰って、ガールフレンドとおいしい食事をして、
 二匹の犬たちと一緒に遊ぶつもりだ。祝福をするにはまだ
 早すぎるからね」

と、何ともマレーらしい地に足の着いた発言。ああーっ、
せめてマレーが大好きな家族に囲まれて、リラックスした夜を
過ごせたことを願っています。

ほんとマレーにとっては、大会はまだまだ終わってはいません。

なんといっても日曜日の決勝は…

ウィンブルドン6回優勝者、ロジャー・フェデラーが相手!


現在のところ、マレーが8勝7敗でフェデラーをリードして
いますが、2008年の全米オープン決勝2010年の全豪オープン
決勝
というビッグな場面では、二度もフェデラーがマレーを
ストレートで倒しています。

また二人は芝コートで戦うのはこれが初めてですが、センター
コートは世界中でフェデラーが最もお気に入りの場所。

しかもここでフェデラーが勝てば、世界ナンバーワンに返り咲く
ばかりか、ピート・サンプラスのウィンブルドン7回優勝記録と
肩を並べることになり、30歳になったフェデラー自身、いつ再び
訪れるか分からないこのチャンスを簡単に逃すわけがありません。

ということで、机上ではフェデラーが優勢…?

マレーもこの試合がどれほど厳しいものかを覚悟しているよう。
過去2度のグランドスラム決勝でフェデラーにストレートで
倒されたマレーは、この経験を振り返りました。

「あの二度の試合によって、テニスでは同じ日が二度と来ないと
 実感したんだ。ロジャーは過去最高の選手であり、ここ
 (ウィンブルドン)で倒すのは非常に難しい相手だ。

 これは偉大な挑戦であるとともに、誰もが僕が勝つと思って
 いないから、プレッシャーも彼の方が大きいと思う。

 だから日曜日は完璧な試合をすることに専念しなければ
 ならないが、もし僕がいいプレイをすれば勝つチャンスが
 あると信じている」

もちろんロジャー・フェデラーを支持する人々は多いとは言え、
テニス界でもマレーの準決勝勝利により大きな興奮が巻き起こり
ました。

書ききれないので、有名な選手たちの言葉だけを拾い上げると:

ジョン・マッケンローはマレーの勝利を大喜び。

「アンディが決勝進出を決めて本当に嬉しいよ。アンディほどの
 プレッシャーを受けることは、僕の選手時代ではあり得なかった
 ことだ。そんな中で彼は素晴らしい努力をみせた」

元マレーのコーチであるマイルズ・マクラガンも、喜びを隠し
切れません。

「マレーがこれまでつぎ込んできた厳しい体力トレーニングが
 ものを言ったが、なんといっても、苦しい場面でアンディが
 見せた鋼鉄のような踏ん張りぶりに、僕はひたすら
 感動しっぱなしだった。

 もうすべての感情がしぼりとられてしまったような気分だよ。
 最後に彼がどれほどほっとしたかは誰の目にも明らかだったね。
 これは彼にとっての人生の大きな瞬間であり、彼こそ勝利を
 得て当然だ」

現在マルコス・バグダティスのコーチを務めているにも関わらず、
やはりマクラガンは、心の底からマレーが国の期待に応える
素晴らしい選手になることをずっと願ってきたんですね。
彼のコメント一言一言に愛情が感じられて、こちらも涙ぼろぼろ
でした。

1996年のウィンブルドン優勝者、リチャード・クライチェックも、
プレッシャーを乗り越えたマレーの勝利を大喜び。

「信じられない。鳥肌が立った。素晴らしい。彼のような
 素晴らしい選手ががんばるのを見れて本当に嬉しいよ。

 彼は信じられないほどの多大の批判を受けてきたが、それを
 彼は乗り越えた。彼は何をしても非難を浴びるだけに、
 このパフォーマンスが人々を黙らせる唯一の方法だったんだ」

また2001年の優勝者であるゴーラン・イワニセビッチも、自国
クロアチアの選手イボ・カロビッチマリン・チリッチの二人が
マレーに倒されたにも関わらず、マレーにはぜひとも優勝して
もらいたいと語っています。

「(決勝進出は)マレーにとって素晴らしいことであるばかりか、
 イギリスとスコットランドのテニス界にとっても素晴らしい
 出来事だ。長い間この瞬間が待たれていたが、もし彼が
 勝たなければ、彼は再びメディアから叩きのめされてしまう。

 だから彼は何としても勝たなければならないんだ。彼は
 グランドスラムで勝つべき選手であるから、とにかく彼が
 成功することを願っている」

またイワニセビッチは、ウィンブルドンで3度決勝に進出し、
4度目でついに念願の優勝を果すという経験をしています。
だからこそ、マレーにウィンブルドンの決勝で負ける辛さを
味わってほしくないと語っています。

「とにかく決勝で負けることほど辛いことはない。僕はそれを
 何度も経験している。

 でも今年は彼の年になるかもしれないのだから、とにかく
 何が何でもアンディがトロフィーを得るしかないと思っている」

さらに女子シングルスでウィンブルドン5度目の優勝を果した
セレーナ・ウィリアムス
が、実はマレーのファンだったことが
発覚。

「私はマレーの大ファンなの。彼のプレイを見るのが大好きで、
 彼はとってもエキサイティングな選手だと思うわ。

 彼の試合は次に何が起こるか分からないわよね。彼は
 どんな球でも追いかけていくから。だから疲れたように
 見えても、次の瞬間には立ち直っている。
 これが彼の素晴らしいところ。

 何年も私にとって彼が一番のお気に入りの選手だし、もし彼を
 ドラマクイーンと呼ぶなら、私にとって彼はエキサイティングと
 言わせてもらうわ」

またセレーナも、マレーのグランドスラム優勝を信じる一人。

「日曜日(決勝)はもちろん彼を応援する観客に囲まれて
 プレッシャーが大きいし、彼も地元で試合をすることに
 ナーバスになっていると思うわ。

 でももし彼が優勝したら本当に素晴らしい。

 人々は常にトップ4について語るけど、彼はそのトップ4の
 一人。アンディの日が必ずやってくるはずだし、それが
 今週であるか他の週であるかということだけよね」

うわーん、こんな力強い応援、セレーナちゃん、ありがとう!

***

ということで…

世界の目は、76年ぶりに地元イギリス人であるアンディ・マレーが
ウィンブルドンで優勝するかどうかに釘付け!

マレーが決勝進出を決めた途端、ツイッターではいっせいに
『マレーマニア』の波が発生、イギリス首相を含む各界の
著名人たちも激励の賛辞を送りました。

またマレーの決勝進出が決まった途端、ウィンブルドンの決勝の
チケットがなんと1万5千ポンド(約2百万円)にまで
跳ね上がりました。

エリザベス女王は日曜日の予定はすべてキャンセルして待機して
いるばかりか、デビッド・キャメロン英首相スコットランド首相
アレックス・サルモンド
も観戦の意向を表明。

また決勝当日は英首相官邸であるダウニング街10番地で、
イギリスの国旗とともに、なんとスコットランドの国旗が
掲げられることになりました。

と言ったくらい、オリンピックやジュビリーという大イベントを
抱えたイギリスの記念すべき年にマレーの肩に押しかかる期待は、

本当に並のものではありません!!

つい数週間前までは、マレー・バッシングで大忙しだった
英メディアも、ここに来て「我々はマレーを応援するべきだ!」と
声を張り上げています(((( ;°Д°))))

その例を挙げると:

In a gold age, now's the time to praise Andy, not to bury him
(黄金時代が到来、アンディをつぶすのではなく褒め称えるべき時が来た)

Pay attention and give respect to the man from nowhere
(ゼロから立ち上がった男マレーを理解して敬意を捧げよう)

過去ブログ記事を読んでくださっている方たちはご存知と
思いますが、マレーは常にイングランド出身のティム・ヘンマンと
比べられ、スコットランド出身であることが時には嘲笑の的と
なったりもしていました。

ところがここに来て、マレーが血統書付きのテニス選手でない
ことが、逆にマレーの売り文句になるとまで書かれています(笑

テレグラフ紙でも、もしマレーが優勝すれば、これまで
伝統的テニスファンにバッシングを受けるもととなっていた
マレーの要素が、逆に人気を得る理由となると予想。

たとえばマレーは幼少時代、ダンブレーン事件での無差別発砲
事件を生き延びました。これがマレーの生身の人間としての
存在を強調するとのこと。

またマレーは常にありのままの自分を貫き通し、カメラの前で
ポーズを取る『作られた選手』ではなく、小さな村の出身で、
体制に反する生き方をしてきた人間。

こういったマレーの反逆児精神やアンチヒーロー的イメージは、
イギリスの労働者階級や若者にアピールするとのこと。

ああああ~っ!このマスコミの変わりようは一体…!?

と・に・か・く…

ゴーラン・イワニセビッチの言うとおり、このマレーマニアも
明日の結果次第では、

もっと大きなマレー・バッシングにつながってしまう

ことになりかねません。

でも私はファンとして、マレーがどんな大きなプレッシャーも
辛さも乗り切れる強い人間だと信じています。

結果がどうであれ、とにかくマレーがベストを尽くす試合を
見せてくれること。

それだけを願っています!

***
昨日のマレーの勝利を友達と祝いすぎて、もうひどい二日酔い。
まだアルコールが抜けきれません。

酔った勢いで、このブログを書いてできた人差し指のiPadタコを
友達に見せまくったのですが、みんなこのカチコチぶりに
びっくり。

なんとこのタコに『マレー・マウンド』というあだ名が
つけられました(笑

でもこのタコ、触るたびに感慨無量。

骨折で精神的にかなりダウンしていた私ですが、マレーの
ウィンブルドンの活躍のおかげでぐーっと力がわいたのと、
いろんな励ましのコメントにも支えられて、なんと最終日を
迎えるまでブログに記録を書き留めることができました。

ということで、今日も人差し指のマレー・マウンドからブログを
発信しましたが、ウィンブルドンとタコは切っても切れない
2012年の思い出となりそうです♪