マレー: 2012年の成功の鍵は強力なフォアハンド | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!


BNPパリバのマレー記者会見

まずは去年(2011年)の今頃のマレーの実績を見てください。

6勝-1敗(全豪オープン:準優勝)
0勝-1敗(ロッテルダム:初戦敗退)
0勝-1敗(インディアンウェルズ:初戦敗退)
0勝-1敗(マイアミ:初戦敗退)

ガビーン!

こう並べてみると良く分かりますが、全豪オープン後の
この惨敗振りは凄すぎ…

でもレンドルをコーチに指名してからというもの、
マレーの今年の戦績は

14勝2敗(3大会中、優勝1回、
準優勝1回、準々決勝1回)


という素晴らしい成績。

昨日行われた記者会見で、マレーは去年の自分を
こう振り返りました。

「去年の全豪オープンの決勝は僕に大きな痛手となった。
 というのも(ジョコヴィッチから)ぐんと差をつけられた
 ような気がしたからだ。
 実際はそれほどの差がなかったにしてもね。
 
 でも今年はあの時とは打って変わったし、ドバイの
 (ジョコヴィッチへの)勝利ももちろん助けとなった。

 それにイヴァンのような人物の存在があることも自信に
 つながっている。精神的にかなり強くなったと思うし、
 コートでもものすごく冷静に考えられるし、練習中も
 とてもリラックスできるようになったんだ」

もちろんマレーが精神的に成長したのはコーチのレンドルの
おかげ。レンドルについては、こう語っています。

「ドバイに行く前にもレンドルと沢山の時間を過ごしたけど、
 次のマイアミのマスターズ大会以降、6・7週間は彼が僕に
 同行する予定だ(
←ちなみに今回のインディアンウェルズは
 レンドルは不在…涙
)。

 僕たちには多くの共通点があるけど、まず二人とも
 努力には労力を惜しまないこと。
 
 レンドルはプロフェッショナルな人間で、プロ選手のときは
 あらゆる手段を講じた。彼こそがテニス界で最初に
 体力的要素に真剣に力を入れたプレイヤーの一人でも
 あるからね。

 彼の人柄は会う前から知っていたから、特に驚いたことは
 ないし、僕たちはとても気があうんだ」

この二人のパーソナリティーがいかにベストカップルか(笑)に
ついては、以前のブログで詳しく語りましたので、
ぜひお読みくださいね!

さて精神面での成長ももちろん大事ですが、レンドルが
コーチになってからマレーのプレイで大きく進歩したのは、
フォアハンドに強力なパンチがつくようになったことでしょう。

「以前の僕のフォアハンドと現在のフォアハンドを見比べると、
 けっこう大きな違いがあるのが分かるよ。

 スタイルが大幅に変わったわけではないけど、足の動きが
 まったく違う。

 今週は非常にいい球を打っているので、この調子が
 クレイシーズンにも続くことを願ってるよ。

 特にクレイではフォアハンドが最も重要なショットだからね。

 昔からフォアハンドでミスすることはほとんどなかったけど、
 以前に比べると強力な武器となってきた。様々な方向から
 強力な武器を作り上げ、フリーポイントを勝ち取ることは
 とても重要だ。特に長いトーナメントではね」

この成果は試合を見ても歴然。

以前マレーのフォアハンドを非難していた人々も、
全豪オープンのマレーのフォアハンドの突然の進化には
さすがにびっくりしたようです。

以前と今年のマレーのフォアハンドを詳しく比べる動画が
見つからないので、とりあえず以前の動画を…
足の動きに注目してくださいね。

2009年のマレーのフォアハンドのスローモーション
この動画では、マレーがボールを打ち返すときに足の動きが
後ろに重心をかけるのがはっきり見えると思います。

もちろん他の選手と比べれば素晴らしいフォアハンドなのですが、
トップ3にくい込むとなると別。

この後ろ下がりのマレーのフォアハンドが、フォアハンドを
武器とするナダル、フェデラー、ジョコヴィッチの
トップ3選手たちから差をつけられていた点でもありました。

でもマレーの武器のひとつはパッシングショット。
パッシングショットを打つときのマレーは、重心が前のめりで
スピードがかかります。
この武器がマレーをビッグ4の一人に押し上げたともいえます。

後ろに重心をかけるのは、動画でも見られるように
マレーが直立不動でフォアハンドを打ち放つときの特徴でした。
このスタンスのせいで防御的になり、相手が攻め込むほど
どんどん後方へと下がっていってしまいます。

この足の動きと重心は、レンドルがプロ時代にフォアハンドの
エキスパートとして重視していた点。

レンドルはナダルやビヨン・ボーグのように観客の喜ぶ
大きなスイングを見せなかったものの、無駄を省いた動きで
シンプルかつ強力なフォアハンドを繰り出したことで有名。

レンドルが『ロボット』『機械』と呼ばれたのも、彼の
無駄のないプレイがアピールしなかったせいでもあります。

でも私がときおり参考にしているのは、レンドルが自身の
フォアハンドの特徴を説明しているとき。
球を打つときの左足の動きや重心のかけ方など…

おそらくレンドルはこの点をビデオ再生でマレーに詳しく説明し、
マレーがその理論に納得し、徐々に改善されていっている…と
私は見ています。

何しろ頭ごなしに『こうしろ、ああしろ!』と言われても
絶対に耳を貸さないマレーですからね(笑

===

さて今日のBNPパリバオープンのダブルスは
すごいことになっていますね~。

トップ選手の
ジョコヴィッチ、フィッシュ、ロディック、
ナダル
がスタジアム1のショーゲームに顔を連ねています。

まずはジョコヴィッチ&トロイッキ。彼らはスペインの
グラノラーズ&フェリシアーノ・ロペズと対決します。

その後はアメリカのフィッシュ&ロディック
フロリアン・メイヤー(ドイツ)&ニーミネン(フィンランド)。
ここも人気のアメリカ選手たちが観客を燃え上がらせる
ことでしょう。

でも今日のトリはなんといってもナダル&マーク・ロペズ。
対抗するのはベテランダブルス選手であるロドラ(仏)&
ジモンジック(セルビア)。

何しろナダルが最後に観衆の前に現れたのは
全豪オープンの決勝。今日の試合が初の腕試しともなるので、
待ちかねていたファンが盛り上がることは間違いなし!

今日はプレイしませんが、マレー兄弟のダブルスは
非常に苦しいドローとなりました。

というのも、イギリスのハッチンス&コリンズと
一回戦で当たることになったからです。

ハッチンス&コリンズは先週デルレイビーチで優勝したばかり。

オリンピックに向けてマレーのパートナーとして
誰がダブルスでプレイするかが取りざたされていますが、
現在の候補は兄の
ジェイミー(ダブルスランク39位)か、
ダブルスで波に乗っている友人のハッチェンス(27位)

もしここでハッチンス組がトーナメントの上位に進んだら、
マレーは家族の絆を取るかプロとしての決断をするかで
悩むことになりそうです。

$マレー・ファン@ラブテニスワールド

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