以前、「RPGに学ぶ恋愛攻略」という話をした。
ボクらの生まれ持った気質や才能、アイテムや能力などを、武器やスペック、魔法に例えて、女の子との恋愛っていうバトルにどう立ち向かうか…という話だ。
大学のころ…ボクは背も小さいし、ガリガリだったし(今は若干ぽっこり…ってほっとけ。)、どう頑張っても、RPG(ロールプレイングゲーム)でいう、いわゆるパワー系の「戦士」にはなれなかった。
んじゃどうすんだよ…ってことで、周りの連中を分析して、彼らと被らないキャラ…「遊び人」的なキャラを「選んだ」。
もちろん、何もないところから何かを生み出すことはできないわけで、それは自分の内側にあるものだったんだけど、最初は意識的にその雰囲気を「身に纏う」努力をした。
それも…けっこう冷静に。
女の子と対峙するときに「遊び人」はどう振る舞うのか。どういう言葉を使うのか、彼らのメンタリティは?
そもそも、金もない上京したての田舎者なんだから、都会的で洗練された「遊び人」なんてなれるはずもない。 だから、そこは頑張って、最初はそういうフリをしてた。
そして、あるとき自分が設定したキャラが「ハマった!(勝った!)」と実感した瞬間があるんだけど、あまりにも下世話な話なので、それはまた少しオブラートに包んでブログに書きたいと思う。
ところで、RPGの面白いところは、レベルを上げていくと「ジョブチェンジ」ができること。それまで身につけた能力を継承しつつ、違うジョブになれる。(※ここでいうジョブとは、本当の「職業」って意味じゃなくて、あくまでもメタファーとしてのジョブだ。)
photo by Christophe CUSSAT-BLANC
そしてそれは、ボクらの恋愛や人生だって同じだ。
たとえば、ゴールドを稼ぎ、武器や防具を手に入れて、バトル経験や学びを深めることで魔法を覚える…なんてのはまさに、現実の世界で金を稼ぎ、車や家や時計、いい服を買い、勉強をすることで何らかの知識やスキルを身につけるのと同じだ。
生まれ持った気質や家庭環境は、なかなか変えることはできないかもしれない。(※できないわけじゃない。) けれども、自分の立ち居振る舞いや、ファッション、言動なんかは、自分が意識することでいくらでも変えることができる。
そして、そうやって外見を変え、内面を磨きながら成長していくことで、自分で決めた(または他人に決められた)ジョブを、変えていくことだってできるんだ。
若さ(バカさ?)ゆえに、同じ女の子に何度もアタックしてそのたびに玉砕したこともあるし、女の子をドライブして、夜景を見ながらこれはいけるか!と思って迫ったら、見事に平手打ちをくらった…なんてことも。
かと思えば、好きな女の子から「あなたじゃなきゃダメなの」なんて言われて、有頂天になったこともあった。
まぁ…失敗のほうが多かったけどね。
でも、いま思うと、大学時代のボクも、そうやって少しずつ失敗と成功の経験値をためながら、周りの、自分とは違う「ジョブ」の連中を研究しながら、真似られるところを真似て、吸収しながら「自分らしさ」に変換していった。
当時はモテたくて、がむしゃらで、ギラギラと欲望むき出しで、戦略なんてあまり考えてはいなかったし、あっても…ホットドッグプレスやポパイ(!)の恋愛特集にあるような、薄っぺらい“マニュアル”の知識ぐらい。
自信もなかったし、むしろ自信のなさを隠すために、思いっきり強がって「モテるフリ」をしていた。
でもね、面白いもので、そうやってフリを続けていると、そのフリがけっこう板についてくる。
そして気づいたら、大学卒業のころには…女の子と積極的に話したり、可愛いと思ったらとにかく近づいて声をかけたり…と、小さな剣とちょっと魔法が使える「遊び人」になってたんだ。
ボクはもともと長野の田舎から都会に出てきた田舎者だ。RPGで言うなら…「農夫」みたいなもの。だから当然、武器もないし、経験値も金もない。
けれども、周りのモテる連中を真似て、吸収しながらそう振る舞ううちに…「遊び人」というジョブを手に入れたんだ。
だから、キミもぜひ周りを見渡してほしい。自分とは違うけど、なんかいいなって思うヤツとか、憧れるヤツはいないだろうか?
もし、今までそういう連中を羨むだけだったなら、せめて一つでも真似られるところはないかよく観察してみてほしい。
最初は小さなことでいい。いや、むしろ小さくなきゃダメなんだ。そしてそれを真似るところから始めてみよう。もちろん、今までとは違うことをするわけだから、当然違和感を感じるだろう。
けれども、その違和感こそが、現状から抜け出すときに感じる、変化の兆しなんだ。そして、それを続けているうちに、いつの間にか…自分らしさになっていることに気づくはずだ。
ちなみに、ドラクエの場合、遊び人はジョブチェンジすると「賢者」っていうすごいキャラになれるんだけど…もちろんボクはそんな域には達することはできなかった。(T_T)