ヒトヨヒトヨニ 7 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください








俺は元彼からの電話に飛びついた


ほら、やっぱりまだ俺の事が好きなんだって思った
だから連絡をくれたんだって、そう思ったら少なからず嬉しくて、すぐ電話に出た


その時チラリとチャンミンの事が頭に浮かんだ


チャンミンは不倫なんてと言った
そりゃ不倫はいけない事だとは思うけど、元々結婚してた事は知らなくて、好きになってから聞かされた話だった
奥さんとは上手くいってなくて、俺の事が好きだと言ってくれた
もう別れるつもりなんだと


なのに急に別れると言われたんだ


もう一度会いたいと言う内容の電話に俺は浮かれた


チャンミンには報告しておこうと思って電話したけど、会う事に迷いなんてなかった
チャンミンはやっぱり反対してるみたいだったけど・・・


俺はやっぱりまだ好きなんだ


だからやり直したい
その思いが強かった


でも元彼はそうじゃなかった
俺に会いたいと言ったのは俺の家にあった私物を回収する為だったんだ
だったらそう言えばいいのに、俺を試すみたいに元彼は俺に電話してきた
そして言ったんだ


もう俺の事は忘れてくれと


奥さんに不倫がバレたんだそうだ
結局別れる気なんてなくて焦って奥さんとの仲を修復しようと必死なのが見て取れた
男との恋愛がバレるのが怖いんだろう、証拠を残したくない、俺との関係を無いものにしたい、そんな感じだった


俺は元彼が俺の家にある全ての彼の痕跡を消して帰った後、涙が止まらなかった


もう未練さえ消され、本当に終わったんだと思った


俺は翌日は会社も休んだくらいだった
何もする気がおきなくて、落ち込んだ、哀しくて、寂しくて、何度も泣いた


数日はそんな感じで過ごした


チャンミンからのLINEでチャンミンの事を思い出したくらいだった


チャンミンはスタンプをひとつ送ってきただけだったけど、俺を心配してLINEして来たんだろうって思ったら俺は又涙が溢れ出た


そう言えば又報告するって言ったきり何も連絡していなかった
チャンミンの言う通り会わなきゃ良かった
期待した自分が馬鹿みたいで、恥ずかしい


でもこれではっきりしたんだ
今度こそ終わりにできる


俺は鼻水をすすりながらチャンミンに電話をした
チャンミンはすぐ電話に出てくれた


「もしもし?チャンミン?」
「あー、ユノ?」
「うん...」
「...連絡来ないからどうしてるかと思って、余計な心配だったらとは思ったんだけど、」
「うん...」
「ユノ?」


チャンミンは多分察したんだと思う


「...本当に馬鹿ですね」
「...うん」


特に何か聞く訳でも無く、それがただ優しく感じた


俺は又泣いた


声には出さなかったけど鼻水が止まらなくてすすってしまうからチャンミンには泣いてるのがバレたと思う


チャンミンはしばらく黙ってて、そしてもう一度「馬鹿だ」と言うと、「なんで早く連絡してこなかったんですか」と言った


頼れないよ


頼ってばかりは駄目だって思うし
そんな事思いもしなかった


でもチャンミンは当たり前みたいに言ったんだ


「慰めましょうか?」
「......」
「1回も2回も一緒だから、いいでしょ?」


俺が頼りやすくするように、なんでもない事だと言う様に言った




抱き締めてくれる人が欲しかった





俺は自分で本当に馬鹿だと思った










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