※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします
お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください
「あなたは昔から努力家でしたよね。」
チャンミンは懐かしそうに目を細め言った。
そんな顔をするって。
俺の何を知ってるって言うんだ?
どうして知ってる?
「サッカー部でもそうやってチームを引っ張り、
キャプテンとして活躍してた。」
「……お前…………。」
俺は俺が高校でサッカー部のキャプテンをしていた事を知ってるチャンミンを怪訝な顔で眺めた。
「僕、あなたと同じ高校だったんですよ。」
「は?嘘だろ。なんで?俺知らない。」
「そうでしょうね。学年も違ったし僕は目立たないただの陰キャでした。だからあなたがひどく輝いて見えました。初恋でした。」
そしてチャンミンはこう続けた。
「僕は男を好きなんだと気がついたきっかけでした。」
ちょっと待てよ
じゃあ…………もしかして知ってるのか?
チャンミンは俺が………………。
「 大きな事故でしたよね…………。」
チャンミンはやっぱり懐かしそうに目を細めた。
チャンミンが俺の膝に唇を寄せた。
チリっと傷が痛んだ。
そうあれは高校最後の大会の当日だった……
俺は大きな事故に巻き込まれて……。
大会には出られなかった。
そのせいでと言うのはおこがましいけどチームは初戦敗退。
俺の夢は呆気なく散ったって話だ。
「サッカーできっと有名になるんだろうと思ってました。」
「あぁ……なんだ…………。情けない姿を見られていたんだな。」
「見ていましたよ。でも情けなくなんかないです。本当に輝いていました。到底僕なんかに手が届く様な人ではなかった。」
「いや。現に俺はサッカー人生を絶たれて、夢だったサッカー選手にもなれなかった。ただのサラリーマンになっただけだ。輝かしい世界は夢で終わったんだ……。見てたんだろ?知ってるだろ?」
「知ってますよ。放課後の屋上で。あなたが柵を越えて飛び降りようとしていた事も。」
俺はチャンミンの顔を見た。
どうしてそれを知ってる?
それを知ってるのはたった1人だった筈。
…………あの時。
あの時のお前だって言うのか?