※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします
お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください
又冷たくなってしまったチャンミン。
以前の様に一緒に仕事こそすれど、どこか遠くに感じる。
話し掛けても無言だったり喋っても仕事の事を最低限話すだけだ。
時には怒られるし。時には睨まれる。
でも、やっぱりチャンミンとの仕事は息が合い、誰とよりやりやすかった。
俺はショックを受けいていた。
チャンミンがよそよそしいのが。
又俺に冷たいのが。
あぁそうだ。
寂しいんだ。
「どうしたユノ。」
声をかけて来たのは同じ営業のシウォンだった。
シウォンは考え込んでる俺を心配してくれた様だ。
「いや、ちょっと難解な事があるだけだ。」
「ユノでもそう言う事あるのか?」
「そりゃあるだろう。」
「お前は完璧だからな。」
「……そんな事ないけど。」
俺はシウォンに言われた事に体を固くする。
俺は完璧。
そう見られがちだ。
でも実際にはチャンミンには営業成績を抜かれっぱなしだし、そう気取ってるだけで実際そんな出来る訳ではない。
それでも期待を裏切るのは嫌で。
俺自身やっぱり完璧でいたいのかも。
「話せよ。ユノ。」
「……ありがとう。シウォン。」
チャンミンの事話してみようか………と思うけど、いくら同期で親しいシウォンでも、男が好きかも知れないなんてそう簡単には打ち明けられない。
「でももうちょと自分で考えてみるよ。」
「そうか。」
シウォンは俺の肩を抱いて豪快に笑った。
「あんまり考えすぎんなよっ。」
優しさとは程遠い。ギューギュー抱き寄せられて力いっぱい頭をグリグリされた。
これがシウォンの優しさだってのは分かってる。
だからありがとうって言った。
そこに営業から戻って来たチャンミン。
シウォンに抱かれた俺を見て何か言うかなと思ったけどチャンミンは俺達の事はスルーして自分のデスクの椅子に座ると、パソコンに向かった。
そう言えば前の飲み会で酔っ払った課長に絡まれてどうしようもなかった時はやっぱりドンとビール瓶を置いて凄い剣幕でさ。俺を助けてくれたのに。
今は知らない顔。
俺に、好きな人は虐めたくなるんだと言ったチャンミンを思い出す。
あれは俺の事じゃなかったのかな。
本当に俺が好きなのか?と思ってしまう。
今はただ冷たいチャンミンにそれは俺が好きだからそうするのか?
それも疑問に思ってしまう。
俺はどうすれば良かったんだ?
チャンミンと付き合ってみたいと思ったのは正直な気持ちだったのに。
逆にチャンミンを怒らせたみたいで。
その意味がわからなかった。
俺はパソコンに向かいながらもどこかにトリップしてる頭。
その時デスクの上に電話が鳴り響いて俺はチャンミンの事を考えていた頭を引き戻される。
「はい、いつもありがとうございます。どうされました?……え?」
電話の内容は相手先からの呼び出しだった。
目の前のチャンミンには頼りづらかった俺は一人で対応に行く事にした。
何とかチャンミンの機嫌を取りたかった。
いい話を持って帰れればチャンミンだって機嫌が良くなる筈だと思った。
でもそれは俺の思うようには行かず、提案書を突き返されてしまった。
それを報告したチャンミンは当然機嫌が悪い。
いや。その機嫌の悪さはいつからだったかもうわからない。
「二人でって言ったのはあんたじゃなかったんですか?」
チャンミンの言ってる事は最もだった。
二人で力を合わせようと言ったのは俺だ。
でも勝手に一人で解決しようとした。
「…………だって。…………チャンミンが。」
「僕が何?」
「チャンミンが俺を無視するからだろ!ずっと態度がおかしかったじゃないかっ。」
俺は思わず言ってしまった。
ここの所ずっと冷たかったチャンミンへの疑問が爆発する。
「それは……あんたが他の男とイチャイチャするからでしょ!」
はァ?イチャイチャって?!
それはシウォンとの事を言ってるのか?
ちょっと肩を抱かれただけだ。
って言うかお前の機嫌はそれ以前から悪いだろ。
「もういいです。」
「なんだよそれ。付き合ってもないお前に言われる事じゃないし。」
「付き合わないですし。」
俺はムカムカしてしまう。
俺が好きだって言ったくせに。
「あーそうかよ!」
好きじゃない。
チャンミンなんて好きじゃない。
俺の勘違いだ。
勘違いだったんだ。
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