あばたもえくぼ 7 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください

 




C




金曜の仕事終わりに俺ヒョンの家に行く約束をした僕は、社長と一緒に外回りをしていて遅くなりそうだったので途中でヒョンにLINEを入れた
社長に気付かれてどうした?と聞かれて正直に話すと、社長はそうかと言って、先に上がってもいいぞと言ってくれたけど、仕事を放りだす訳にはいかないだろうとおもったから断った


ヒョンからの返事は直ぐに来て会社で待ってると言う内容だった


僕はヒョンの家を知らないから一緒に帰ろうと言う段取りだったからヒョンの事は待たせてしまって申し訳なかったけど、社長も気を使ってくれたのかそれ程遅れる事もなく会社に戻れた


僕が社長と一緒に事務所に入るとヒョンがいた


「お疲れ様です」
「おぉユノ、悪いな、もう終わるからな」


社長は僕に書類を渡してそれを出したらあがればいいと言ってくれた
僕は慌ててそれを書いて社長に渡す
社長の冗談に僕は笑って印鑑をもらう
気のせいかヒョンに見られてる様な気がした


僕は社長に挨拶をしてタイムカードを押した


「ユノさんお待たせしました」
「いや全然だよ、俺も片付ける書類があったから」
「奥さんに悪いです、食事用意してくれてるのに」
「大丈夫大丈夫」


じゃあ行こうか、とヒョンは机の上を片付けて、僕達は社長に挨拶をする


「いいなぁチャンミン、ユノの奥さんの飯はうまいぞ」
「そんな事ないですけど」


謙遜するヒョンに、僕は楽しみですと言った
そして会社を後にした


ヒョンの車の助手席に乗せてもらってションの家に向かう
車の中でヒョンは僕に聞いた


「社長に話したんだな?」
「え?え・・・っ、言ったら駄目でしたか?」


僕は焦る


「駄目とかじゃないけど・・・社長と外回り中にそんな話もしてるんだ・・・と思っただけ」
「あー、そうですね、結構色々話しますよ」
「そうなんだ・・・」
「実は、社長にはお世話になってて、色々良くしてくれるんです」
「ふーん・・・」






ヒョンの家は意外と会社から近くてすぐに着いた様で洋風の家の前で車をバックさせて駐車場に車を停めた


「ここですか?」
「うん、近いだろ?」
「本当ですね、可愛らしいお宅ですね」
「奥さんの趣味だよ」


ヒョンの家はオレンジ色の外壁でそんなに大きくはないけどお洒落感のある家だった
玄関はアーチになっていてポーチには雑貨やお花が置かれている
奥さんのセンスが良くて僕は感心した


玄関を開けるとヒョンは帰ったよーと大きな声を出して家族に知らせる
玄関も広くて吹き抜けになったそこにお洒落なシャンデリアがぶら下がってる
扉が開くと奥さんがお子さんを抱っこして出て来た


「おかえり、ユノちゃん、」
「こちらがチャンミンだよ」
「いらっしゃい~」
「ソアと娘のウタ」


奥さんは愛嬌があって可愛い、娘さんは更に可愛く僕に手を振った


「すみませんお邪魔して、これ大したものじゃないんですけど・・・」


僕は鞄からお菓子の箱を取り出してウタちゃんに渡すウタちゃんは小さな手を出した
可愛い
ヒョンがお父さんだなんて・・・
僕は、この人との子供なんだ・・・と改めて思う


「チャンミン!いつの間にそんな物用意したんだよ!」
「え?昨日から・・・」
「なんだよ、気使わなくていいのに」


そうは言われてもご馳走になるのに手ぶらじゃ来れない


「ありがとうね、チャンミン君、さぁ入ってゆっくりしてって」


僕はスリッパを進められて玄関を上がる
一階はワンフロワーの大きなリビングとキッチンダイニングで解放感がある家だったイ一角はウタちゃんと遊び場になっていてリビングに入るなり僕はウタちゃんにそこへ誘われる
その間にヒョンは着替えて、ソアさんが食事を用意してくれた


「ウタ、ご飯だよ」
「チャンミンもこっち来て」
「はい、ご飯だってウタちゃん」
「はーぃ」


僕はウタちゃんと一緒にダイニングに向かう
すっかり懐かれた


「ごめんなチャンミン」
「いえいえ、可愛いです」
「さぁ食べていっぱいチャンミン君」


ヒョンとソアさんとウタちゃん
幸せそうな家族の前で僕はご飯を頂く
偶にウタちゃんが僕の膝に来て座ったりして、僕は自分には作れない当たり前の家族の形をなんとも言えない気持ちで眺めるだけだった


「どうした?チャンミン」
「あ、美味しいです」
「良かった~」


食後にはフルーツが出てきてお腹いっぱいだった


ウタちゃんは寝る時間になった様でソアさんが寝かしつけに行ってる間僕達はリビングのソファーでコーヒーを飲む


「今日はありがとうございました」
「泊っていけば?」
「いや、そう言う訳には」
「そんな事言うなよ、今日は色々話せて楽しかった」
「はい僕もです」


でも僕は自分では作れない幸せを目の前に見せられて何処か寂しい気持ちが募った気がした
ヒョンは僕とは違う世界の人なのだと・・・
そう思わずにはいられない


「でも帰ります・・・」
「そうか・・・」


結局ヒョンとの距離は縮まらないまま、それどころか遠くに感じたのは僕だけだろうか








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