ハッピーバースデー 1 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

誕生日の思い出は数知れずあるけれど

一番幸せだった誕生日はいつの誕生日だったかな?と考えると思い浮かぶものはない

けれどきっと一番寂しい誕生日は間違いなく今日だと思う

 

 

俺は誕生日に彼氏と過ごす為に彼氏のアパートまで来たけれど、家に人の気配はない

今日は俺の誕生日だって事は知ってる筈なのに・・・

一緒に過ごそうって言った筈なのに

 

 

部屋の外で俺は待ち惚けだった

 

 

2月の空は雪が舞い散り酷く冷えた

俺は手を擦り合わせ、体を揺すって寒さを紛らわす

いつまでも帰らない男を待って馬鹿みたいだと思う

それでも帰る事が出来なかった

一人の誕生日は嫌だもん・・・

 

 

でも、分かってるんだよな

別の男がいる事も本当は知ってるんだ・・・

 

 

諦めろって思う

って言うか諦めたい

 

 

よっぽどこんな誕生日より、一人の誕生日の方がいいと思う

絶望的だと思った

 

 

 その時

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕があなたを奪うから泣かないで」

 

 

それはまるで白馬に乗った王子様が現れたみたいな出来事だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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