高嶺の花は愛愛しい 14 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

「なんかあの子に悪かったかしら・・・」

「悪いよ」

 

 

あの子ってのはチャンミンの事だ

折角チャンミンと過ごす筈だった正月を邪魔されて俺は少し不機嫌だった

 

 

「来るなら来るって言って欲しかった」

「ごめんね」

 

 

しゅんとしてしまう母さんに俺は「いいけどさっ」ってぶつけ処がない気持ちをどうしようもなくてチャンミンと一緒に食べようと思って買ってきた人形焼きにかぶりついた

 

 

「いつまでいるの?」

 

 

つい態度が冷たくなってしまう

 

 

「そんな直ぐ帰れみたいに言わないで」

 

 

そこまでは思わないけど、チャンミンに悪い事したから埋め合わせがしたい

 

 

「でも珍しいのね、ユノがお友達を家に呼んだりって、よっぽど仲がいいのね」

「うん」

 

 

俺も珍しいって思う

今までも沢山友達はいたけどこんな風に友達を優先したいって気持ちはなかった

ただワイワイして、ただつるんでいただけだった様に思う

でもチャンミンはそんなんじゃない

 

 

「ユノの顔がみたくて来ただけだからお父さんの仕事もあるし明日までしかいれないの」

「そうなんだ」

 

 

折角来たんだし、放っておく訳にもいかないし

明日一日は仕方ないけど

明後日はチャンミンに会えるって伝えよう

 

 

「ねぇ明日はチャンミン君も呼んで一緒に食事でもする?」

「あーそう言うのいいと思う、チャンミンって人見知りだし、母さん達の前だと緊張しちゃうからさ」

「そう」

 

 

残念そうな母さん

どの道この狭いアパートには泊まれないからホテルに泊まるし

やっぱりチャンミンの奴、帰る必要なかったのにな・・・

気使ったんだろうな

 

 

明日改めて母さんと父さんには会う約束をして別れた後、もう時間も遅かったけどチャンミンに電話した

俺の電話に嬉しそうな声のチャンミンが出てきた

 

 

「ごめんチャンミン寝てた?」

「寝てないです」

「ごめんな、今日は」

「いいですよそんな、お父さんもお母さんもやっぱり一緒にいたかったんですね」

「明日には帰るらしいから」

「え、そうなんですか?」

「ここに泊まれるわけもないし、顔見に来ただけだから、チャンミンが帰る必要なかったのに」

「すみません...でも僕緊張しちゃって」

「なんで緊張するんだよ」

 「だってユノ先輩のご両親だもん...」

「だからなんでだって言うの」

 

 

そういう所だよなぁチャンミンって

 

 

「母さんがチャンミンと飯食いたいって言うからさ」

「えっ?!そんなの無理っ」

「って言うと思って断っといた」

「え?!断ったんですか?!」

「なんだよじゃあ行く?」

「え・・・緊張するけど断るなんてできないから・・・行く」

 

 

電話の向こうであたふたしてるチャンミン

チャンミンって本当にいいヤツ

 

 

「来なくていいよ」

「えーーー」

「俺が緊張する」

「なんでですか?」

「だって・・・俺の大事な人を紹介するんだもんな」

「それって恋人を紹介する見たいって事?」

「だってチャンミンは恋人みたいなもんじゃん、いつも一緒にいるし、実際好きだし」

「やっぱり?僕も好きって思ってました」

 

 

俺は何を言ってるんだって思ったのに、チャンミンは普通に自分もだって言う

何やってんだろう俺達

 

 

「もう付き合っちゃう?なんてね」

 

 

チャンミンはどこまで本気なんだろう

 

 

「いいよ」

 

 

俺もどこまで本気なんだろう

 

 

「え?え?え?」

「なんだよ」

「えーーーーーー?!?!」

 

 

電話の向こうで煩いチャンミンに俺は笑いが止まらない

 

 

俺達はそうやって付き合う事になった

まだ子供だった

初心だった

 

 

ただただお互いが必要で好きだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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