時は紀元前900年、ダビデの息子ソロモンはイスラエルの王、シヴァの女王はシヴァ王国の支配者でした
15歳で即位した利発なシヴァの女王は、ソロモン王の名声を噂で伝え聞き、
その叡智と宮殿の立派な佇まいをこの目で確かめたいという好奇心から、遠方よりはるばるイスラエルのソロモン王のもとを訪れました
大勢の家来を率い、王に寄贈する大量の金や宝石、乳香などの香料、白檀、バルサム油などをラクダに積んだ、それはそれは豪華な一行でした
しかしもちろんそれは表向きの理由であり、実際は難問を持って王を試したいと考えたのです
女王を迎えたソロモン王は女王の望みにまかせて彼女の浴びせた全ての問いに解答を与えました
王に分からないこと、答えられないことは世界に何一つも無かったのです
(神から授かったソロモン王の知恵は数々の名裁きとして旧約聖書の中にも表れています)
シヴァの女王はソロモン王の叡智、彼の立派な宮殿、食卓の豪勢な料理、列席の家臣や給仕達の洗練された装いや丁重さ、そして王が主の神殿に捧げる供物を目の当たりにして改めて息をのみ、感服の意を表しました
web gallery of art 様より抜粋
これが旧約聖書に載っている大まかな概要ですが、ソロモン王とシヴァの女王にはこんな駆け引きのお話も残っています
シヴァの女王はソロモン王の宮殿に宿泊する際、王に2つの条件を出しました
ひとつ、寝室は別にすること
ひとつ、女王の体に指一本触れてはいけないこと
(シヴァの女王は処女であり、身持ちが固かったのです)
王は頷き、それと引き換えに女王に対してある約束をさせました
『宮殿にあるものを私の許可なく何ひとつとしてとってはいけない。もし約束を破った時には貴女の一番大事なものをいただこう』
女王は快諾して寝所に向かい、床につきました
しかし夜が更けるとひどい喉の渇きを覚え、眠れなくなりました
我慢出来なくなった女王は床を抜け出し、水差しを見つけると水を注いで口をつけ、渇ききった喉を潤しました
そこにすかさず王が現れ女王の手を捕まえたので、女王は王に向って怒声を張り上げました
『何をする。約束が違うではないか』
『約束を破ったのは貴女であろう。貴女は私の屋敷の何よりも大事なものを盗んだのだ』
『水を飲んだだけではないか』
『貴女なら水が何よりも貴重な価値があると分かるであろう。約束通り貴女の一番大事なものをいただこう』
女王は納得したので、その晩王に抱かれ、2人は結ばれたのでした
この駆け引き(戦略)は圧倒的なソロモン王の勝利です
一目見て女王の魅力の虜になった王は、もてなしの晩餐にたっぷりの塩を入れ、女王が夜中に喉が渇くように仕向けていたのでした
あれほど王を拒絶していた女王がどのように王を受け入れ、どのような愛の語り合いをされたのか分かりませんが‥
シヴァの女王はソロモン王の子供を身ごもり、数ヶ月後帰路について男児を産みました
それがエチオピア初代王メネリク一世となったのです

シヴァの女王
それではここでLOVESPELLSより一句
征服を拒めど今は君の手に
服従している解けぬ体は