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明日があるさ。

あしゅの日記です。時々更新。更新するときは激しく。
2018年〜妊婦記録はじめました

子宮口全開から時間が経っていた
その間の陣痛の度に右足を助産師さん、左足を夫に(!)抱えられて足をあげられ、あられもない格好にさせられたり、四つん這いになってと言われそんなに広くない分娩台の上で回れとか落ちてしまうと思いながらなんとか四つん這いになったりしていた

痛みのペースはドンドン増し、私のいきみも上手になってきていたが、どうもなかなか降りてこないらしい

少し暗くなり始めたLDRに、間接照明がつけられ、なんだろうこのメロウな雰囲気…と少しだけ思ったりしながらひたすら来る陣痛にいきんでいた

子宮口全開から約1時間
内診した助産師さんの顔が少し曇る

「赤ちゃんなんですけど…産まれる時っておかあさんの背中を向いて降りてくるんですけど、もしかしたら逆向いてるかもしれなくて…」
「へっ?!」
「それで降りてこれないかも…ちょっと先生にも診てもらいましょう」

回旋異常ってやつかもしれないってこと…?
どうやって産まれさせる?

陣痛に耐えつつ考えているとオペ着を着た先生がやって来て内診する
男性医師に指を突っ込まれている姿を夫はどう見たのだろう…

「あー…うん、そう(回旋異常)っぽいね」
「ですね…」
「全開何時?」
「1時間前です」

この時初めて子宮口全開になった時間を知った

「赤ちゃんちょっと向き違うんですけどそこまで来てます、もうすこし頑張れます?こっちで引っ張るお手伝いもできます」
「がんばれます…」
「わかりました」

なんとなくだが吸引分娩になると別料金が発生すると聞いたことがあり、無駄なお金を使いたくない、が先に来た
しかし何回かいきむも生まれず、結局吸引の準備が始まってしまった

準備しても先に産んで仕舞えばいい
そんな思いでいきみ続ける
陣痛の合間、別の助産師さんがやってくる

「今日の夜担当です〜頑張ってますね、もう少しですからね」

こんな時にまで挨拶…と思いつつ頷く

「ちょっと赤ちゃん疲れてきちゃってるのでやっぱりお手伝いしますね」

先生のその一言に、助産師さんもオペ着を着ていた

「通りやすくするのに少し切ります、麻酔ちょっとチクっとしますよー」

こんなに陣痛が痛いのだから注射針くらい何も痛くない
と思ったがやはり痛いものは痛い
その後切られた感覚は分からなかった

「では次の陣痛に合わせて赤ちゃんの頭引っ張りますね」
「私はお腹押しますね」

少しだけ体格のいい助産師さんが私の横にくる
陣痛が来ると、吸引のスイッチが入り、先生の腕に力がこもる
と同時に助産師さんが私の肋骨付近をほぼ全体重をかけて押してくる
…陣痛より下手したら痛い
骨折れる…

2回ほど陣痛の波に合わせたがなかなか生まれない
その時、別の男性医師がやってきた

「変わります」
「じゃあ僕が押します」


え、180センチの男の先生が私のお腹押すの…

いよいよ骨折するんだなと思いながら次の陣痛を待つ
次の陣痛で、胎児モニターから初めて警告音が聞こえた
助産師さんが少し慌てている

一瞬落ち着いた後、もう一度来た陣痛に合わせて機械が動き、お腹を押される

出てこい、赤ちゃん…!



「ダメだ、緊急帝王切開」


いよいよ叫ぶのも疲れていた
どんどんやってくる痛みに「もうやだ」とか言い始める
嫌と言っても産むしかないのに

午後に入ると子宮口は全開でないもののだいぶ開いており、いきんだ方が子宮口が開くのでといきむように言われた
そこから声を出すのは禁止される
声を出すことでそちらに意識がいってしまうので体力がもったいないそうだ
なんとなく得ていた知識で目は閉じないことを意識していた

「すごく固い便を出すみたいに意識してください」

と言われ、急に自分の腸の調子を意識し始めた
昨日便通あったから残ってないかな…
いきんだ時にもらした人の話聞いたな…
💩まみれの赤ちゃんの話聞いたな…
あれ、浣腸とかしないの…
何より夫に💩見られるのは絶対嫌だ…
などと思っていたが、💩についてはどうでもいいくらいの痛みが増えてくる
陣痛を促すのに、促進剤が増えていたのだ

陣痛と一緒に助産師さんが広げてくる
助産師さんが少しいなくなったタイミングで、生暖かいものを感じた
「あ…破水した…」
破水、という言葉に1番驚いたのは母のようで、ナースコールすればいいのにわざわざLDRを出ていってナースステーションに行ったらしい(目の前だけど…)
助産師さん2人がやって来て、破水検査をすると高位破水だったようで、しっかりした破水が起きるかもしれないと言われた

午後3時すぎ、ようやく子宮口が全開になった
助産師さんが今までより長くいきむことや呼吸の仕方を教えてくれるが、言うことが聞けないくらいの陣痛の波に
「次は絶対無痛分娩にしてやる…もうここでは産まない…」
「今すぐ帝王切開にしてくれんかな…」
などと思っていた
陣痛の合間に過呼吸ぎみになると
「深呼吸深呼吸!」と夫に言われる
「んなことわかっとる!」と思いつつももう言葉も出ず、わずかな陣痛の合間にウトウトし始めていた
「はい、じゃあ点滴の針入れますね、促進剤開始するかは30分後に決めます」

つまり30分の間に強い陣痛が来たり子宮口がガッと開いたりしていけば促進剤は投与しない、ということだ

しかしわたしは血管が出ないで有名である
さらに陣痛が来る度に腕を動かしてしまうのでなかなか血管が見つからない

「いや…ここにさしたらバー握れないか…」

とにかく血管が出ないので肘裏の正中に入れようとするが、位置的に分娩台のバーを握ると輸液ポンプがエラーを鳴らしそうだった

「なるべく腕のばしますぅ」
「できる?」
「はひぃ」
「あ、じゃあ俺の手握ってて」

ここから夫は私の左側から動けなくなる

「ご主人、ありがとうございます」
「指おったらごめん」
 
そのくらいを言う余裕がまだある
しかしそれまでお茶やらゼリーやらを運びタオルで汗を拭いたりしていた夫が動けなくなるので、それは母の仕事になる、が

この日、母は致命的なミスを犯していた

「せっかくの娘の出産!孫の誕生!綺麗なおばあちゃんでいたい!」

と思ったらしく、普段最近はスニーカーばかり履いていたのにパンプスを履いてきていた
しかも、ちょっときついやつ

私の視界から出たり入ったりしていたのは、足が痛く靴を脱いだり履いたりしていたらしい(後日聞いた)
立ち会いされるご家族の方、履きなれた靴でお願いしますね…

やってくる痛みにもう叫ばざるをえなかった
声を出したほうがいきみのがしになるらしく、絶叫もどんどんしてけという感じだったので明日はもう声出ないんだろうな…と思いながら叫んでいた
陣痛の合間に「おちゃ…」「ゼリーのむ…」といった言葉は小さい声になり、耳が遠くなり始めた母はよく聞こえなかったらしく、違うものをもってきたり汗を拭いたり
イライラしていると、夫が
「おかあさん!おちゃ!」
と大きな声で言ってくれた
嫁のピンチに助けてくれるなんて…という思いとこの人こんな大きな声出るんだ…という思いと、早く茶をよこせ、という思いがごちゃごちゃしていた

お茶のペットボトルには学んだとおりストローキャップをつけていた
が、開けようとした母がまた手間取り、そのまま渡して!とキレることになる

朝から頑張ってはいたがなかなか開かない子宮口や促進剤の痛みに叫んでいると、どうやらリラックスを促そうとしたのか
「好きなアロマの香りあります?」
と聞かれた
「オレンジとかの柑橘系が好きですぅ」
「…ラベンダー苦手ですか?」
「苦手じゃないですぅ」
そんな会話からラベンダーのアロマを含ませたガーゼが近くに置かれた

くっせぇ

普段嫌いではない香りだが、この時ばかりは本当にくさかった
が、もうそれを訴える元気もないし、せっかく用意してくれたし…という思いもある
…しかしじゃあなんで好きな香りを聞いたんだ…

昼食が運ばれてくる

「置いときますねー」(看)
「食べたくない…」(私)
「食べれないよね」(夫)
「…食べないなら破棄するだけなので、よかったらご家族の方食べてください」(看)

バナナが見える
食べたい
でもいま口にしたら間違いなく吐く
バナナ…
むり…

誰にも手をつけられない食事を見ながら、また絶叫していた