海に囲まれた日本では、「水」は他国に比べると手に入り易く、世界中で水をめぐる争いがあることにあまり関心を持たないかもしれません。しかし、他国では「水」を巡って様々な問題が起きています。
「水」と「空気」は人間にとっては必要不可欠なものです。本来「水」は誰のものでもないはず。しかし近年その「水」を多国籍企業がビジネスとし、水資源や利用権利を確保して、色々な国で暴利を得ています。
例をあげれば・・・
フランスでは水道事業民営化後,水道料金が150%高騰。
ボリビアでは水道料金が月収の1/5まで跳ね上がり,食費より高くなりました。
これらは、水道事業を民営化した国々で起こっている問題です。
財政的に逼迫したこれらの政府は,財政問題の解決策としてお金のかかる水道事業を民営化しようと考えました。そして、多くの国で本来なら「非営利的公共事業」であるべき水道事業が、営利目的の外資系企業に乗っ取られてしまいました。
民営化は、「民営化→競争原理が働く→価格競争→民営化すると安くなる」と経済学者は説明し、私達はそう思い込まされてきましたが、実際は上記のように国民の生活を窮地に陥れています。
「ボリビアの水戦争」は特に有名です。IMF(国際通貨基金)と世界銀行に盲目的に従ったバンセル政権が水道民営化を行おうとし、水道料金が高騰し市民生活が困窮しました。その為市民の反対活動が活発化し、その後政府は水道民営化法を撤回せざるをえず、新水道会社とベクテル社はボリビアを出て行きました。水道会社は労働者と市民に借金つきで渡され、市民連合は公聴会を開き、民主的経営計画と経営陣を決めます。しかし、ベクテル社はボリビア政府に対し2500万ドルの損害賠償請求を起こし、ボリビア政府は市民連合の活動家たちに嫌がらせや脅しを続けました。
ボリビアではその後「ガス紛争」も起きています。いずれも、IMFや世界銀行が仲介役となり、政府が従った結果、多国籍企業が招き入れられ、国民の生活を圧迫しているのです。
市民達が叫んだ、「水は神からの贈り物であり商品ではない」というスロガーン。本当にそうだと思います。私利私欲で皆の財産を占有する者は、人々の敵だと思います。
これは他国の問題という訳でもなさそうです。日本でも民間企業に「非営利的公共事業」であるべき水道事業が委託されつつあります。私達は他国の例を良く見て、自分達の生活を守っていかなければならないと思います。ボリビアやアルゼンチン、ジンバブエ・・・自分の利益しか考えない政府のトップが現われれば、国の経済はあっけなくズタズタになりますから。日本でも安易に民営化を叫ぶ人が多いですが、その背後にあるもの、誰が利益を得るのか、庶民の生活は良くなるのか・・良く考えたいものです。