後半戦が始まり、いきなりのBIG GAME。
Jリーグ第18戦 カシマスタジアム
鹿島アントラーズ(茨城県) 2-2 浦和レッドダイヤモンズ(埼玉県)
首位浦和レッドダイヤモンズと4位鹿島アントラーズの上位勢が激突する好カードです。
これを見逃すわけにはいきません。初めてカシマスタジアムに行ってきました。
浦和三昧
のKazubo-さんが紹介してくれたカシマスタジアムへの行き方をそのまま頭に叩き込んで行ったところ、大きな渋滞にはまることなく比較的快適な旅となりました。ほんと感謝です。
お邪魔します!
試合は鹿島が先制して2点をリードしたものの、浦和が必死に追いついてドローとなったわけですが、鹿島としては勝ちきれなかった試合、浦和としては負けなかった試合という内容だったと思います。どちらも勝ちきるための決め手を失っていたような感じです。どっちかが優っていたという事ではなく、内容面でもドローという感じで、首位にたったものの、浦和も決してコンディションが良いというわけではなく、コンディションを落とし気味の両チームが同じようなレベルでかみ合っちゃって好ゲームなように見えた・・・そんな印象を持っています。
初披露のワシントン・田中達也の2トップ
さすがのこの2人でも、公式戦初コンビでいきなり結果を・・・というのは無理なんだ
なと感じました。ワシントン選手はポストプレーもしますが、基本的には自分にそのボ
ールが帰ってくるという責任感がありますから、必ず中央に突っ込んできます。
そして身長こそ低いものの、田中達也選手もストライカーとしての自覚を強く持ってい
る選手ですから、やはり勝負は中央で・・・という意識をプレーから感じます。
今はお互いのFWとしてのエゴイズムがペナルティエリアでぶつかりあっている状況で
しょう。エメルソン選手の時もそうでしたが、田中達也選手はそうやってお互いの役
割分担をプレーで示しあって、認め合っていくタイプなんでしょう。
普通、ブラジル代表のFWで得点ランキングでも抜群の存在感を示すワシントン選手を
相手にしたらサポートに徹してもおかしくないですが、そうはしない彼のFWとしての
プライドは見ているこちらを熱くさせるものがありますね。
これから連携は深まっていくでしょうから、今後が楽しみな2トップが誕生しましたね。
古井戸と呼ばれた男たち
小野伸二、小笠原満男、柳沢敦
ジーコジャパンの中核を担ったこの3人がオシム監督の率いる日本代表にはその名を
連ねていません。今の代表には本当に不要な人材なのか。その辺についても注目して
みました。
まずは小野選手。しっかりと2試合連続ゴールを決めました。
ここ2試合ともトップ下での起用です。オランダでもこの位置での活躍が1番多く、現在の
彼にとってはこの位置が1番やりやすそうな感じです。
状態についても悪いという印象はうけず、むしろ一時期の不調から徐々にではあります
が、上向きになってきているのかなという印象を受けます。ただ、得点という結果が出て
いるのであまり触れられませんが、試合全体を通すと以前のような存在感が帰ってき
ているというわけではなく、ポンテ選手が復帰した時にそのポジションを維持できるのか
という部分で少し危ないのではないかという意識もあります。
ただ、本当に調子があがってこなければギド・ブッフバルト監督もきっちりとスタメンを
外すべきだと思います。彼の為にも。
一方の小笠原選手に関しては、この試合では小野選手ほど攻撃的なプレーをしてい
たわけではなく、攻撃と守備のバランスを取る役割だったと思います。試合から消え
てしまうシーンがあるのはいつもの事なのですが、やはりどこか調子を落としているな
という感じが否めません。彼の武器であるパスの精度もいまひとつでした。
この2人はプレースタイルとしては自分のパスで周りを動かすタイプです。一本のパス
で相手を混乱に落とし込んだり、相手にとって不幸なシーンを作り出すパサーの色合い
が強いゲームメイカーですね。
ですから自分が動いて戦局を一気に動かすタイプではないため、オシム監督の意図
するサッカーに対してフィットしているかというと少しずれている気がします。
もし彼らが代表に選ばれたいという意識があるのであれば、彼らの場合、これからどう
上手になるかという事ではなく、代表に入るためにどうオシムサッカーを受け入れて自分
のスタイルに変化をつけられるかという事だとおもいます。
現状では小笠原選手はオシム式サッカーに対して『無駄な走りが多い』と否定的な見方
をしており、自分のプレースタイルを変える意識はなさそうで、特に代表に興味があると
いう感じを強くは感じません。
一方の小野選手については試合の中で、ゲームメイカーとして存在はしていたいものの
きっちりとオシムジャパンの代表選手たちとの連動をして、チームを勝利に導こうという
意識が見えますので、秋~冬あたりには1度は呼ばれて試される可能性はあるんじゃな
いかと思います。ただ、彼にとっては浦和での生存競争のほうが今は大事かもしれま
せん。突出したスターを必要としない今の高いチーム力で、いかにフォアザチームに
徹することができるかが課題でしょう。
そしてFWの柳沢選手。
個人的にはシュートの精度は別として、オフザボールの時の動きやダイレクトプレー
での技術などではJリーグでも有数のプレーヤーだと思っています。
彼のプレースタイルはジーコジャパンというよりもむしろオシムジャパンのほうがフィット
するんじゃないかと思っています。ただし、例のW杯でのシュートミスをした後の『準備が
できていなかった』という発言をオシム監督がどう捉えるかによりますが、ゴールを決め
る事が仕事であるはずのFWがシュートをうつ準備ができてない状態でペナルティエリア
にいたという事は、与えられた役割に対しての責任意識が低すぎるという評価をうけても
やむを得ない部分だと思います。
ちなみにシュートミスは誰にでもある事ですからそれ自体は責めるつもりはありません。
FWとしてのハートの部分ですね。
オシム監督の有名な言葉である『うさぎがライオンに追っかけられている時に足をつ
るか』というのは、命がかかっていれば足が痛いだの言ってられないという意味なんだ
という解説もありますが、『常に天敵から逃げるという準備ができているから足がつらな
いんだ』という準備の面の強調をしている説だと僕は思っており、彼の言葉が外ではなく
内にも投げかけられた言葉であるならば、柳沢選手は心して受け止めておくべき言葉
であると思っています。
つまり彼が今後選ばれるかどうかは、リーグでどう結果を出していくかという部分と共に、
ペナルティエリア内でどのような準備ができているかという部分にも関わってくると思い
ます。
しかし、富山第一高校時代、あれだけ輝いていた選手だったのが、どうして現状の
レベルにいるのだろうか・・・実は不思議だったりもします。
ジーコジャパンで結果が出なくてもどこか特別な判断で許されるようになってから、
急激に成長のスピードが落ちたような気がします。
同時にハートの部分でも先に述べた田中達也選手のようなFWとしてのエゴイズムが
失われていったように感じています。
それこそ競争の原理が失われた弊害だったのではないでしょうか。
元々持っている才能は本当に素晴らしいものがあるわけですから、光っていた才能を
オシム監督によって磨かれることで、どう変化していくのかという部分を見てみたいとい
う考えも実は持っていたりします。
実は以前、『柳沢はイタリアなんかにいないでジェフ千葉にレンタル移籍してオシム
の元で修行をするといい』という話を知人にしていたんですよ。
有力チームで再び飛躍の瞬間を待つ古井戸と呼ばれた男達の今後に注目です。
ボールボーイも戦う姿にアウエーを感じた
ボールがゴールラインを割った時に浦和GK山岸選手がボールボーイにボールを
要求しました。
この日のボールボーイは鹿島ユースの子達。
将来はこのピッチで浦和レッズと戦う選手達です。
ところがこのボールボーイ君、なかなか山岸選手にボールを渡しません。
山岸選手が早くボールをくれ!!と激しく要求しますがピッチを見たりと彼はボールを
素直に渡しません。
浦和サポを数メートル後ろに背負っているので緊張しているかというとそうでもなく、
自分の目から見る限りでは、明らかに遅延行為のような動きでした。笑
山岸選手の再三の抗議にあわせて当然浦和サポーターからも大きな、そして激しい
怒声が飛び、やっと彼はボールを山岸選手に渡しました。
ヨーロッパではアウエーともなるとスタジアム全体が敵になるわけで、このような
シーンは当たり前なのですが、Jリーグでこういったシーンを見たのは久々だった
ので、このシーンがこの試合を通じて最もアウエーを感じた瞬間でした。
ボールを渡した後も、ふてくされた感じで納得がいかないといった表情を見せてい
たので緊張で固まっちゃったわけではなさそうです。鹿島の選手以上に、浦和に
負けたくないという気持ちが伝わってきたシーンでした。
その気持ちを大事に、プレーヤーとして大成していってほしいと思います。
できれば将来の注目選手として名前を聞きたかった・・・。
ただ、これがGKが都築選手であの表情ですごまれた時にどうなるか・・というのも
ちょっと見てみたい気もしますが、いずれにしても彼は敵ながら天晴れという感じ
でした。
浦和を支えるリザーバーの存在
0-2と劣勢にたたされつつも巻き返してドローに持ち込んだ浦和レッズですが、ただ
では敗北を許さない姿勢というのはリザーバーたちによって支えられています。
この試合の選手交代はこのような感じになりました。
田中達也 → 相馬崇人
長谷部誠 → 山田暢久
平川忠亮 → 永井雄一郎
山田暢・永井・相馬。
今年の浦和レッズを支える選手たちです。
永井選手はワシントン選手が離脱した時はトップにはいって結果を残し、場合によ
っては2列目に入ったり、右サイドまでこなします。この試合では右サイドにはいり、
小気味良いクロスとピンポイントのセンタリングを繰り返して全体を押し上げるリズム
を作っていました。
山田暢選手は元日本代表で浦和になくてはならないオールラウンドプレーヤーです。
そのユーティリティプレーヤーとしての技術はGK以外はどこでもそつなくこなせて
しまうという部分で目立っています。この試合では守備的MFに入り、最終ラインにも
入ったりしてました。また、間延び気味の中盤をコンパクトにするために全体的に
押し上げてボールを前に運ぶ役もこなしていました。
相馬選手は三都主選手のバックアッパーという役割から超え、トップ下、守備的MF
と本職の左サイドの他にも複数のポジションをこなしています。与えられた役割で
出場すると必ず見せ場を作り、時にはゴールを決めて結果を残すという活躍を見せ
ています。この試合では途中からフォメ変更して3・6・1になったことに伴って三都主
選手が2列目に入ったために、左サイドに入り、果敢に仕掛けていました。
永井・相馬の両サイドで終盤はサイドからの押上げで全体が非常に攻撃的になって
いましたね。
このほかにも、流れを一瞬で変えに来る岡野選手をはじめとして、酒井、内館といっ
た経験豊富な選手達も控えています。
代表に選ばれる選手でもスタメンの座が保障されていないレッズでは、いつでも
ポジションを狙ってやるぞ、簡単にはポジションを奪われないぞという高い意識の
チーム内競争があり、見ているこちらもどこか緊張してしまう・・・そんなチームです。
Jリーグにもそのようなチームが出てきたんだ・・という事に期待と嬉しさを感じる今日
このごろです。
最後に・・・。
夜のカシマスタジアムはとても綺麗です。