ポッキーです。
先日、久しぶりにリアル書店に入り、久しぶりに紙の本を買いました。
なるべく物を増やしたくないので、なるべく紙の本は買わないようにしているのですが、調べてみたところKindle化されていないようなのでしょうがなく。
紙の本を買ったのは「サピエンス全史」以来かもしれません。
それが「サイボーグ009 トリビュート」。
テレビ版の構成作家から芥川賞受賞者まで様々なジャンルから集められた9人の作家たちによる「サイボーグ009」へのトリビュート小説集です。
石ノ森章太郎による「サイボーグ009」の連載が始まってから今年でちょうど60周年なのだとか。
思えば、私が初めて全巻揃えた漫画が「サイボーグ009」でした(その後、断続的に連載は継続されたので厳密に言えば全巻ではありません)。
小学生だった私は「サイボーグ009」を読んで漫画家になろうと決意。
お小遣いを貯めて、Gペンやインク、ケント紙や定規などを買いました。
教科書はもちろん、石ノ森章太郎著「漫画家入門」です。
しかし、道具を揃えたはいいものの、結局、私は一作も漫画を描き上げることができずに、漫画家になるという夢を断念してしまいました。
小学生の頃の話なので記憶は曖昧ですが、その頃の私に足りなかったものは「描かずにはいられない情熱」と「私だったらこうするね」という発想だったと思います。
漫画にしても他の創作物にしても一つの作品を作り上げるというのは本当に過酷な作業です。
その過酷さを創作の喜びに変えるほどの情熱が当時の私にはなかったのかもしれません。
そして、当時の私は小学生にしては沢山のSF小説を読み、沢山の映画を観て、何冊かの画集も持っていたのですが、そこからアイデアを拾い出して漫画に落とし込むという発想がありませんでした。
つまり、すでにある漫画を読んで、それと同じような漫画を描こうとしていたのです。
それではどこまでいっても「サイボーグ009」を超えることはできません。
この「私だったらこうするね」という発想こそがクリエイターにとって最も重要なものであると私は考えます。
そんなことを思いながら「サイボーグ009」のスピンオフ小説集を手に取ったわけですが、読んでいるうちに「私だったらこうするね」というアイデアがいくつも浮かび、私も一編書いてみようかなあという気持ちになりました。
まあ、小学生の頃よりは成長したということですね。
やはり「サイボーグ009」という作品は私にとって特別な思い入れのある作品です。
そのことを再認識することとなった読書でした。
たまには紙の本もいいもんだ。
それではまたお会いしましょう。
Keep on Creation!