活動報告(1)~安全な水の確保~
ウガンダに来てから10ヶ月が経とうという中で、ブログの中で活動に関する投稿をほぼしていないことに気が付きました。遅まきながら10ヶ月が経つ中で実施した活動及び今後の活動について記載をしたいと思います。これまでのブログでも記載した通り、私の活動は、『コミュニティ開発』という職種のもと、村落部における住民の生活向上にある。中でも、私のプロジェクトである『水の防衛隊』は住民の安全な水の確保及び衛生教育の浸透を主の目的とし、水に関する生活向上を目的とする。これら2つの目的を果たすことによって達成される上位目標は、下痢発生の防止及びそれに伴い、乳幼児の死亡率を低下させること。※上位目標とは、国際協力において、よく使われる言葉であり、『プロジェクトの目標を達成した上で期待される長期の開発目標』また、安全な水の確保をするためには、生活用水として使用している井戸の維持管理を行うための現金収入が必要となることから、所得向上についてもアプローチをしている。目的をまとめると、3つ。1、住民の安全な水の確保2、衛生習慣、衛生行動の定着3、水源維持管理のための所得向上となる。今回の投稿では、【1、住民の安全な水の確保】の活動について。この活動については、前回のブログ『目の前の出来ることをまずやれ。』にも記載しているため、概要と経過報告を。井戸が使えなくなったコミュニティに対し、私が行っている活動は、1、井戸修理2、維持管理費の効果的な徴収方法に対するワークショップの2つ。1、井戸修理現在、井戸修理については、JICAからの活動支援費も用いながら、8月に3基、11月に4基の井戸修理を完了させている。基本的な流れは、①壊れている井戸に対する情報収集 自身が各コミュニティを巡回しながら、井戸の情報を収集するとともに、カウンターパートのもとに集まる井戸の情報を確認しながら、現在壊れている井戸がどこにあるかを確認。②現地視察 情報収集後、実際に壊れている井戸の現場に赴き、井戸の状況をチェック。かつ井戸の管理を担当するWUC(Water User Comittee ※下記に注釈)と話を行い、井戸の修理について意思の確認。意思の確認とは、JICAの支援は入るけれども、自分たちも維持管理費をコミュニティから徴収し、何割かの金銭的負担を負うことを了承するかということ。この維持管理費を払えないというWUCは、本気で井戸を直したいとは思っていないことと私は捉えている。本当に井戸を直したいと思っているコミュニティは、本気で住民から維持管理費を集めるという考えのもと。③井戸の破損状況調査 上記のステップにて、WUCの修理の意志を確認した上で、メカニックを連れて井戸に再度出向き、井戸のどのパーツが壊れているかを確認する。深い井戸の場合は何本ものパイプが井戸の中に入れられているため、多くの男手が必要になることもある。この男手を提供することもコミュニティの大事な役目。JICA、県庁によって井戸修理のすべての手順を賄ってしまっては、住民たちが井戸を自分たちで維持管理するものだと認識せず、壊れたらまた県庁、その他支援団体に頼れば良いと依存してしまう。④維持管理費徴収 井戸の破損状況が分かり次第、住民からの維持管理費を徴収する。この際に、住民を集め、維持管理費のワークショップを実施し、効果的な徴収方法を伝達する。⑤パーツ購入 井戸の破損状況によって判明した破損部品を購入する。購入場所は、首都カンパラ。私の任地ではパーツは手に入らない。県庁が所有するトラックに、オフィサー、メカニック、私が乗り込み、カンパラまで出向きパーツを調達する。⑥井戸修理 カンパラにて購入したパーツを用いて井戸修理を実施する。【井戸修理後の住民たちと】簡単ではあるが、このような流れを繰り返し、井戸の修理を実施している。2、維持管理費の効果的な徴収方法に対するワークショップ上記の井戸修理までのステップ④に記載をしているワークショップでは、維持管理の効果的な徴収方法を伝えている。内容の前に、WUC(Water User Comittee)について記載したい。WUCとは、井戸の維持管理をする住民組織のことであり、ある井戸に対し、100人の利用者がいる場合、その100人からWUCとなる(主に)5名を住民内で選定する。5名は、Chairperson,Vice Chairperson, Treasurer, Caretaker, Secretaryの5名。Chairpersonはいわゆるリーダーとして、会議の招集、進行を行い、Vice Chairpersonはその補佐。Treasurerは維持管理費の徴収及び管理、記録。Caretakerは井戸の清掃状況や使用状況を監視。Secretaryは会議の記録。このような形でWUCは運営されている。ただ、この組織は住民の任意組織であるため、当然役職についている人間に給与が支払われるものではない。日本で自治会などをイメージしていくとわかりやすい。そして、維持管理費の効果的な方法についてであるが、徴収出来ない問題は徴収をすべてTreasurerに任せていることにあると思っている。100人から維持管理費を一人で集めることは非常に難しい。だからこそ、100人をまず、5人グループに分け、各グループ内にリーダーを選定。リーダーは担当の4名と自分の維持管理費を責任を持って徴収し、それをTreasurerに渡すというルールにすればTreasurerの負担は減る。また、ワークショップ時に毎月、ルール通りにやれば1年後にはどれほどの維持管理費が溜まるかも説明を行う。計算が出来ない住民にとっては維持管理費を少額払っても意味なんかないと思っている方もいるが、1年後にはこれだけの金額が溜まるのだということを説明する。この2つを話す中で、住民達の顔つきが変わる。簡単なことを継続するだけだということを理解する。それを理解するための少しお手伝いをする。それが私のワークショップだ。残り、1年と少し。少しでもこの活動の範囲を広げ、現地住民の『安全な水の確保』に貢献したい。渡辺 慎平