アルコールも抜けていないのに、カーテンの合間から強引に日差しは入り込んできた。
都内の景色の中にうまく僕はとけ込めているのだろうか。
五階から眺めたまま、僕はコーヒーとタバコを何度も交互に口に運んでいた。
週末は時間に追われてる。
慌てて電車を乗り継いで人混みの中に消えた。
じゃれ合うように風たちが僕の邪魔をして、あの頃を思い出した。
よく歩いていた道。少し似合わない髪型。
真っ直ぐな瞳。
僕は笑った。
懐かしくて、愛しくて。
この一本道の先には誰かがいるって、あの頃とは違う理由だけど、ちゃんと信じてる。
悪くない時間だね。