これは彼氏の体験した話です。
いくつかあるので許可を得て掲載。
ちなみに、彼氏の言葉で書いてしまっては転載になってしまうので、
私の言葉で書き直しました。
彼氏は小樽出身です。
私は札幌生まれの札幌育ちですが、小樽は昔から馴染みのある街。
時々買い物や、撮影散歩しに行きます。
彼氏の住んでいた家は小樽駅より少し上の方にありました。
私は実際、家のそばまで連れて行ってもらった事がありますが、今はもう別の家が建っています。
彼氏の話をするにあたって、名前は仮に『K』とします。
『掛け軸の人』
Kの幼少の頃、寝ていた部屋には一枚の掛け軸がかかっていた。
絵柄は、竹薮に虎がいるようなもの。
一休さんの有名な話のような絵柄ではないかと思われる。
小さい頃のKは暗闇が怖く、寝るときは豆電球を付けていた。
私は今でこそ睡眠時は真っ暗が落ち着くが、小さい頃はやはり夜の闇が苦手だった。
子どもというのは、なぜか早くから『死』について考える事がある。
哲学的とは言いがたい、「死んだらどうなるのだろう?」という素朴な疑問だ。
いなくなっちゃうの?
お母さんとはもう会えなくなるの?
もし、寝ている間に死んでしまっていたら怖いなあ……
私が幼稚園児くらいのときだろうか。
葬式のときに棺おけに釘を打つのを見てから、漠然と死が怖かった。
死んだら閉じ込められる、暗い、焼かれる。
そうなると、自然と暗闇が怖く感じるものだ。
そのため豆電球を付けるのだけど、豆電球特有のオレンジ色の頼りない光。
あれが自然と恐怖心を煽る事に、当時は気付かなかった。
今では逆に、豆電球で寝るほうが怖く感じる。
さて、Kの話に戻そう。
豆電球の元寝ていると、彼はふと、周りの物音に気が付いた。
Kは目をあける。
すると
なにやら人がいるようなのだ。
例によってオレンジ色の薄ら暗い豆電球の元、数人の人が話をしていたという。
会話の内容はわからないが、ごくありふれた街角のような感じだろう。
大人が世間話をし、子どもが駄々をこねて泣いてている。
問題は、ここが家の中と言う事だ。
なぜ、人がいて、話をし、子どもが泣いているのか?
よく見ると、その人たち……正確には、人だと思ったモノたちは影だった。
体の輪郭だけで中身が人間とは違う。
そして影とも違い、中身はグルグルと渦を巻いたモノ……
グルグルグルグル……
顔も体も渦巻きの、ぐるぐるの渦人間。
Kは恐怖に駆られた。
そして何気なく見た掛け軸。
なんと
掛け軸から湧き出てくるではないか!
Kは耐え切れなくなり、泣き叫んだ。
慌てて飛んできてくれたのはKの母親だったそうだが、
その後の事は覚えていないという。
後日、Kの父が、
「その掛け軸は恐いから、片付けろ」
と言っていたそうだ。
余談だが。
Kの父には会った事がない。
時折、彼の記憶の断片のようなものを話して聞かせてくれるか、
彼の母から思い出話を聞きだすかしなくては、どんな人物かはわからない。
私たちが出会う前に、すでに亡くなってしまったのだ。
Kは私が前職でぐったりして悩んでいると、とても心配してくれた。
彼の父が直接ではないにしろ、仕事で体を壊した事が気にかかっていたらしい。
私は仕事を辞めた。
そして今の仕事に就いたのだが、環境に恵まれたのか好きな仕事で楽しく働いている。
警告してくれたKには、とても感謝している。
いくつかあるので許可を得て掲載。
ちなみに、彼氏の言葉で書いてしまっては転載になってしまうので、
私の言葉で書き直しました。
彼氏は小樽出身です。
私は札幌生まれの札幌育ちですが、小樽は昔から馴染みのある街。
時々買い物や、撮影散歩しに行きます。
彼氏の住んでいた家は小樽駅より少し上の方にありました。
私は実際、家のそばまで連れて行ってもらった事がありますが、今はもう別の家が建っています。
彼氏の話をするにあたって、名前は仮に『K』とします。
『掛け軸の人』
Kの幼少の頃、寝ていた部屋には一枚の掛け軸がかかっていた。
絵柄は、竹薮に虎がいるようなもの。
一休さんの有名な話のような絵柄ではないかと思われる。
小さい頃のKは暗闇が怖く、寝るときは豆電球を付けていた。
私は今でこそ睡眠時は真っ暗が落ち着くが、小さい頃はやはり夜の闇が苦手だった。
子どもというのは、なぜか早くから『死』について考える事がある。
哲学的とは言いがたい、「死んだらどうなるのだろう?」という素朴な疑問だ。
いなくなっちゃうの?
お母さんとはもう会えなくなるの?
もし、寝ている間に死んでしまっていたら怖いなあ……
私が幼稚園児くらいのときだろうか。
葬式のときに棺おけに釘を打つのを見てから、漠然と死が怖かった。
死んだら閉じ込められる、暗い、焼かれる。
そうなると、自然と暗闇が怖く感じるものだ。
そのため豆電球を付けるのだけど、豆電球特有のオレンジ色の頼りない光。
あれが自然と恐怖心を煽る事に、当時は気付かなかった。
今では逆に、豆電球で寝るほうが怖く感じる。
さて、Kの話に戻そう。
豆電球の元寝ていると、彼はふと、周りの物音に気が付いた。
Kは目をあける。
すると
なにやら人がいるようなのだ。
例によってオレンジ色の薄ら暗い豆電球の元、数人の人が話をしていたという。
会話の内容はわからないが、ごくありふれた街角のような感じだろう。
大人が世間話をし、子どもが駄々をこねて泣いてている。
問題は、ここが家の中と言う事だ。
なぜ、人がいて、話をし、子どもが泣いているのか?
よく見ると、その人たち……正確には、人だと思ったモノたちは影だった。
体の輪郭だけで中身が人間とは違う。
そして影とも違い、中身はグルグルと渦を巻いたモノ……
グルグルグルグル……
顔も体も渦巻きの、ぐるぐるの渦人間。
Kは恐怖に駆られた。
そして何気なく見た掛け軸。
なんと
掛け軸から湧き出てくるではないか!
Kは耐え切れなくなり、泣き叫んだ。
慌てて飛んできてくれたのはKの母親だったそうだが、
その後の事は覚えていないという。
後日、Kの父が、
「その掛け軸は恐いから、片付けろ」
と言っていたそうだ。
余談だが。
Kの父には会った事がない。
時折、彼の記憶の断片のようなものを話して聞かせてくれるか、
彼の母から思い出話を聞きだすかしなくては、どんな人物かはわからない。
私たちが出会う前に、すでに亡くなってしまったのだ。
Kは私が前職でぐったりして悩んでいると、とても心配してくれた。
彼の父が直接ではないにしろ、仕事で体を壊した事が気にかかっていたらしい。
私は仕事を辞めた。
そして今の仕事に就いたのだが、環境に恵まれたのか好きな仕事で楽しく働いている。
警告してくれたKには、とても感謝している。








