Kのお母さんの話で止めるはずが、
先日ちょっとしたことがありまして……

せっかくなので、新鮮なうちに書いてしまおうと思います。
放置すると忘れるので(笑)



私の誕生日、
「せっかくなので海にでも行こう」
と計画していたのですが、海には微妙な気温。

K「どっか行きたい?」

私「うーん……」

K「小樽でも行く?」

私「それもいいかもね」



もちろん、小樽は大好きです。
ただし、小樽っていうのもワンパターンで……
「行くなら、また今度でもいいな」
と思ってしまったのが伝わったようです。



今月に入って間もなく

K「『一日さんぽキップ」買って、どこか行こうか」

私「わあ!行く行く!! それだと、どこに行ける?」

大はしゃぎで行く場所を探す私。
最初こそ無謀な計画をしていましたが、
汽車の時間が無く、
どこかピンポイントにしないと難しそう。




――映画の看板を撮りたい




私たちが決めたのは『Y市』
二回、乗り換えして、新Y市からY市へ着いた。


なんと人の少ない事だろう……
そして、嘗ては炭鉱、観光で栄えたはずの
当時の面影は残っていない……


正直に言ってしまうと

お土産を買う店も無く
食事をする店も無く
案内の看板も無く
住民はほとんどいなくなり廃屋がそのまんま
観光名所すら手入れする人がいない

という、悲惨な状況。
過疎化も進んでいるようです。

K「やる気ないな……」

そう言わせてしまうほど、
まったく観光客を呼び込もうとする意欲が感じられない。


ただし、私の趣味は『写真』である。
栄えていようが、寂れていようが、
絵になるものが何かあればそれでいい。
ものすごいテンションの高さではしゃぐ私。
汽車での移動がとても良かった所為だ。


主要観光名所まではバスも出ていたが、
間で写真を撮りたいので、歩く事に。
その判断は間違っていなかった。

ある程度、商店街の撮影を終え、
某テーマパーク(?)に到着した。

私「開いてるよね?」

K「うーん……大丈夫じゃない……か?」



例外なく、ここもやる気がなかった。
と、言うよりもだ。
入って良いのかさえ微妙な佇まい。
それでもバスの運転手兼従業員(?)らしき人に
「……お疲れ様です」
とボソボソ言われ、入って良いものと判断する。
一応、観光客は数名いるようだった。

ただし

数ある施設の中で、まともにやっているのは2つ(?)
というのも、一つは受付も管理人もいなかった。


これは、
バス代を出してしまっていたら
愕然としたかもしれない。


園内を見て回るが、所々朽ちていて危険だ。
明らかに立ち入り禁止っぽく閉じられている建物や、
看板の出ている場所はしかたない。

しかし、
看板も無く、
ロープも無く、
足止めするようなものが何一つ無い道が数箇所……
案内板は当時のままだった。

先に何があるかもわからないまま進んでいく。
そういえば、物心の無いくらい小さい頃、
一度来た事があったはずだ。
覚えているものは……そうだ



――そこには、遊園地があった。



私「あ、人がいる」

K「……ふぅん」


やはり、立ち入り禁止にはなっていないようだ。
黒っぽい人影が
向かって右側の建物のところを歩いていた。
一部、資料館のようなところは
「入らないで下さい」というような張り紙がしてあり、
防犯カメラがついている。
ここは入れない。
というか、カメラ任せにするって事は、管理する人員もいないのか?

とはいえ、他も機能している遊具的なものは無く、誰もいない。
全ての施設が閉鎖されている。
しかも、観覧車やジェットコースター等、
ほとんどの大型のものが撤去された後だった。
あれ?ホームページには、
もっといろいろ載っていたはずだけど……

私たちは、何ともいえない気分になりながら、とりあえず一周した。


私・K「あ……これは」



地面に落ちた、白っぽいもの……



私「骨? 偽物だよね?」

K「……偽物って、もっとちゃんと作らない?」

私「……何の骨? 動物?」

K「……さあ……」


それ以上、先に進むのが怖くなり引き返す。
うん。
ちょっとここ、おかしいよね?
鳥肌が半端ない。
帰り道も、
柱の折れた建物、草はぼうぼう、ひび割れたコンクリ……


私とKは
「どうしてもっとちゃんと、案内とか注意書きをしないんだろう」
「どうして撤去するなり、新しくするなりしないんだろう」
と怒る事もできない疑問を話しながら、
その廃遊園地を後にした。


K「あ!! さっき、人がいるって言ってなかった?」

私「……あ」

私・K「………………」


誰もいませんでした。
そういえば、私が見たのって真っ黒だったな……
管理人か警備の人が、一応全体を巡回してくれているんだとも思ったけれど……

真っ黒だったんだよな……
警備を雇うとか、そんな予算ないよね?
だって、財政破綻したんだし……
この客入りだし……
結局会わなかったし?



その後、テーマパーク(?)の入ってすぐの炭鉱跡あたりを見て回って、看板を確認。

『大正×年、××年 昭和×年と相次いでガス爆発を起こし……』

え?三回も爆発事故があったのか。
しかもその後、

『昭和××年××月×日には更に大きな……』

合計四回の爆発事故。
そして四回目だけで161名の死者を出している。


K「こんなとこ、娯楽施設を建てちゃいけなかったんだ」

確かに、私だってここで働いていて死んでしまったとすると、
遊園地なんか建てられた日には文句の一つも言いたくなる。

よくよく考えてみれば、
規模は違うが
広島の平和記念公園なんて、ちゃんとしているではないか。
あそこに遊園地なんかあったら、非難轟々ではないのだろうか?

時代をさかのぼれば、
そこで亡くなった命なんて
どこかしこでも数え切れないほどだ。
今現在、自分の座っている場所。
寝ている場所。
食事をしたり、仕事をしたり、リラックスしている場所。
そんなところだって、何年も何十年も何百年も遡っていけば
その場で亡くなったという命はあるわけだ。

だとしても、
とても悲しい事があった場所に娯楽施設。

もう少し、考えた方が良かったのかもしれない……
そんな風に思ってしまう。



そういえばKは、

「俺は人なんか見てないよ」

と言うのですが。

「返事したとき「うん」って言ったじゃん!」

と問い詰めると、

「ふーん」

って言ったんだと。




あの人影って、結局見間違えたのでしょうか?
それとも、先に帰ってしまったのでしょうか?
というか、骨って、なんの動物の骨だったのでしょうか?


たくさんの疑問を残したままですが、
まずはぜひともテーマパーク内の遊園地
立ち入り禁止するなり
整備するなりして、
事故や事件が起こらないよう
対策したほうが良い場所だと思うのです……


帰ってきてから思い出した。
何か足りないと思ったら、園内に回っていない場所がある。
そう。
もう少し、何か公園内に見れるものがあったはずなのに、
廃遊園地しか見付からなかった。

私「某映画のロケセットだ!
あの展示、結局どこにあったんだ?」

探し方が悪かったのでしょうか?




もう話はネタ切れですが、
過去の怖い話など、もっと読みやすく手直しして、
別のHPを作成したいと考えております。
まだまだ編集途中です。
過去の文章など、読み返すと特に酷いものです。
とりあえず、ざっとまとめて保管してあるので、
時間のあるときにちまちま直していきます。、
ゆるく頑張ります。

また何かあればまとめてブログ先行で載せようと思いますが、
今回の連載は正真正銘、これで終了。

お付き合いくださり、ありがとうございました!
暑さに負けず、良い夏をお過ごしください。
昨日に引き続き、彼氏のお母さん(Yさん)の話です。

今年の春先。
最近の話なのです。


現在、彼氏のお母さんは団地で一人暮らし。
彼氏は毎月、私も行ける時はできるだけ一緒に顔を出しています。


そんなある日、
彼氏が一人で行って、帰ったときに相談をされたのです。



彼氏「なんか、蜘蛛がでるらしい」

私「蜘蛛?」

彼氏「夜になると、畳の一角から黒い蜘蛛が湧いてくるんだってさ」







『 黒い蜘蛛 』





彼氏の母、Yさんはその蜘蛛に殺虫剤をかけたそうだが、
やはり夜になると出てくるそうだ。

それも、豆電球を付けたとき。

目がおかしくなったのかも?
と思い、眼科で相談したそうだが、問題はなかった。

娘である『彼氏の姉』に相談すると、




「盛り塩をしてみたら?」


と言われたという。
そこで初めて、

「あら?これって本物の蜘蛛じゃない?」

という可能性が浮上。




私の職場のOさんが、


「友人に『視える人』がいる」


と言っているのを聞いた事があった。



私は『視える人』というのに会った事がない。

うちの母は見ちゃうだけであって、
何かを見ようとして見るわけではないのだ。

それも、
見たものが本物かどうなのか、私同様、定かではない。

きっと大勢に
「そりゃあ見間違いだよ!」
と言われてしまえば、

「やっぱりそうだよね!」
となる事だろう。


Yさんの話を聞いたとき、
もちろん心配だったし、
御祓いや御札を買ってくることも考え、
彼氏と二人でいろいろ調べていた。

お寺や神社で分けてはもらえないか?
と検索してみると、
ヒットするのは家内安全や健康など……
せいぜい肌守り見たいのだった。



御祓いで検索すると、
出てくるのは怪しげなサイトばかり。



 いったいどうすれば?



途方に暮れて、
藁にも縋る思いで聞いてみたのが職場のOさんだった。


なんでもその方、
『知り合い同士で繋がっていれば視える』そうで、

視える人 → Oさん 
→ 私 → Yさん

と繋がりがあるので
調べてくれると言う事だった。



とりあえず、職場の方経由で説明してもらうので、
できるだけ思い当たる節をメモして渡した。

・夜、豆電球を付けると和室の畳から沸いてくる『黒い蜘蛛のようなもの』

・いままでは二人暮らしだったけれど、今は彼氏が私と一緒なので、一人暮らし

・彼氏のお父さんは大分前に亡くなっているのだが、まだ遺骨が家にある

・眼科で見てもらったけれど異常は無かった

・知り合いに相談したらアルツハイマーも心配されたけれど、「失礼な!」と憤慨している事

 その他、もろもろ……


親切な方で、その日のうちに返答をくれた。

そこで判明した事。


Oさん「分かりやすく言うと『まっくろくろすけ』だってさ」

私「まっくろくろすけ!?」


 出ないと目玉をほじくるぞぉー!!!



じゃなくて……



私「煤渡りなんて、本当にいるんですか!?」

Oさん「……のようなものだって」



それがはっきり『蜘蛛』だとすると事情は変わってくるそうだけど、
Yさんは年配なので目があまりよくない。

本人も、
『蜘蛛のようなもの』
と言うので、
厳密には『蜘蛛』というわけではないのだ。


教えてくれたのは、
その黒い蜘蛛のようなものは
某アニメに出てくるやつみたいなので、
家の中が暗いと出てくるそうだ。


何か悩み事があったり、
寂しかったり、
暗かったり、
湿気が多かったり……


そういう条件で出てきやすいけれど、

「害は無い」

と。



Oさん「できるだけ笑っていなさいって。空気の入れ替えして風通しをよくしたり、カーテンを開けて光を取り入れたらいいよ」

思い当たる事がありすぎでした。
家の中が暗い。
つまり、彼氏が家を出てから一人で寂しい。
それは私にも原因があるわけで……


後は
団地という場所が悪いのもあるようですが、
これはどうしようもない。


私「会いに行くときは、私もできるだけついていくようにして、明るくしてきます」

それがいいというので、
お礼をして、
私もなるべく彼氏の実家に行くようにして、たくさん話してこようと決めました。

何しろ、
彼氏だけが実家に帰ると、会話が少ないそうな。
確かに母と息子の会話って、
よっぽど仲がよくないと、

母が一方的にしゃべるのに相槌……

という状態に陥りやすい。



私は小さい頃から母との会話も多く、
祖父母ともよく話す。
それに話好きというのもあるので、
彼氏よりは話題を作りやすいのだ。



後日、
その内容をYさんに話すと、少しは安心したようだった。
ただ、「豆電球がよくないのかも?」
と、つけないようにはしているらしい。
とりあえず、今は

「また出た」
と言う話を聞いていない。






豆電球ってちょっと苦手です。
私は寝るときは真っ暗派なので、豆電球を付けるのは逆にストレス。
小さい頃は豆電球じゃなきゃ眠れませんでしたが、
余計な明かりがあると、見えないものが見えてしまう気がして怖いのです。


あの、明かりの色が悪いのでしょうか?
高校に入ったとき、写真部の部室で赤電が最初、少しだけ不安だったのはここだけの話です。






明日でいよいよラスト。
明日の話は急遽付け加えた『ごくごく最近の話』です。
一週間って言っていたんですが、
すっかり忘れていた話がいくつかありました。
これまた、彼氏関連です。

彼氏のお母さんは、あんまり自覚してないようですが、ちょいちょい見ているような気がします。
私と会う前の話なので、かなり前の事です。


彼氏のお母さん(以下Yさん)は、時々家の中で


『 黒い影 』


が横切ったりするのを目撃していたそうです。

普通だったら、
「見間違いじゃないですか?」
と思うでしょうが、なにしろお化け屋敷出身の私です。

ありえない話ではないなと思いました。










あるとき、夜中の一時~二時ごろ

Yさんは




―― ピンポーン




玄関のブザーが鳴るのを聞いた。

夜中で、

それも草木も眠る丑三つ時……


 こんな遅くに
 いったい誰が?


Yさんは訝しがりながらも、玄関に向かった。

普通に考えても、この時間の訪問は常識がなさすぎる。
何の用事か知らないが、
緊急事態なら困るし、怪しい人物だという可能性もある。


Yさんは、ドアについた小さな穴。
ドアスコープをを覗いた。


そこにいたのは

真っ白い顔をした、
小さな子供が一人……



しかも、雨は降っていないはずなのに、
ずぶ濡れで立ち尽くしていたそうだ。



Yさんは、ドアを開ける事ができなかった。

怖くて、そのまま布団に潜り込んだという事だ。




その子は、
いったいどんな事情でやってきたのか?

そして、どうするつもりだったのか?



確かめる術はなく



そのときに開けていたら、どうなっていたかも分からず仕舞いだ。





明日に続く。
彼氏「K」の話もこの3話めでラストです。
小話はありますが、一回分には短すぎるので……。
後は私や母と一緒に居ると、何か体験しちゃうかもね?



『学校に住まう何か』


Kが大学生の頃の話。
ある日、教室に忘れ物をしてきたことに気が付いた。
そして、夜中にも関わらず学校まで取りに行くことにしたという。

その当時、まだボタン一つでロックするような機能はなく、守衛さんが一人いる状況だ。
一言頼めばいいものを、Kはこっそり忍び込む事にした。
なんでも、守衛さんが知り合いで、特に親しい間柄ではない為に、頼みにくかったらしい。

私なら絶対に行かないだろう。
最悪、翌日早起きするか、誰かについてきてもらうと思う。
しかしそれは彼にとってどうしても必要な物だったそうだ。
彼の大学時代の話を聞く限り、大人しく過ごした中学高校とちがい、ちょうどやんちゃ盛り。
いろいろと無茶もしたようなので、夜の学校に不法侵入なんて大体想像がつく。


当たり前だが、正面玄関には当然のごとく鍵が掛かっていて開かない。
玄関の両側には廊下が伸びていて、その廊下を挟んで教室が並んでいる。
廊下の突き当たりには通用口があるが、ここももちろん、開かなかった。

仕方なく、どこか入り込める場所はないものかと、Kは校舎の裏に回った。
そして、一番端の教室の窓を調べる。



予想に反して、カラリ……と開く窓。

誰かが鍵を閉め忘れたらしい。
Kはそこから入り込み、廊下に出る為にドアに手をかけた。



――タタタタタタ……



なんだろう?
足音だろうか。
誰かいるのなら、まずい事になる。

彼は慌てて、教壇の下に身を隠した。
息を潜めて耳を澄ます……

 
 
――タタタタタタタ……



――キャッキャッ



――タタタタタタタ……


子ども!?
二、三人の足音と笑い声。
子どもが遊んでいるような音がするではないか。

物音は先ほど鍵の掛かっていた正面玄関の方から、通用口へ駆け抜け、

消えてしまった。


幻聴だったのだろうか?
夜の学校に生徒どころか、子どもなんているはずがない。
きっと聞き違いだ。そうに違いない。

Kは勇気を振り絞り、廊下に出た。
そのまま、忘れ物をした教室に向かう。

目当ての教室は、階段のそばにある。


コツン……カツン……コツン……

一歩一歩踏みしめながら、極力物音を立てぬよう、進んでいく。
やっと教室に到着し、中に入ろうとした。




――バァアアアアアン!!!



四階建ての校舎の最上階だろうか?
いきなり、大きな音が鳴り響いた。


ラップ音!?

Kは急いで教室に入り、忘れ物を手に取る。
もう入ってきた窓に戻る勇気もなく、慌ててその教室の窓から逃げ帰っそうだ。




学校のような場所は、人ではない何かにとって、居心地が良いらしい。

嘗て栄えたビルやホテルや病院に炭鉱。
廃墟となって、人の気配の消えた場所。

こそこそこそ……ざわざわざわ……
人のひそひそ声やざわめきの多い場所。

水辺や地下など、湿気の多い場所。

沼や池など、水の滞る場所。

そんなところには、こちらの世界と違うモノが蔓延(はびこ)っているのかもしれません。


Kの言葉を借りるなら

「やはり学校のような場所には、“何か”がいるのだろうか」

怖い話の宝庫のような学校出身者の私に言わせれば、

「きっとそうだ」

と肯定するより他はない。







とりあえず、今回はこんなもん。
少し溜まったので短期連載でした。

後は創作物なので、ここには載せませんが、意欲的に執筆中。

昨日に続き、彼氏「K」の話です。



『天使の呼び声』

Kが高校生だった頃の話。
彼が寝ていると、子どもの夢をみたそうだ。
それも、自分が子どもになっているとか、知ってる子どもが出てくるわけではない。
子どもたちが遊ぶ声を聞いたのだ。

Kは子どもたちの声に誘われるように、すっと眠りから覚めた。
しかし、起きたのに体は雁字搦めにあったように動かない。

つまり、金縛りにあったのだ。

私も同じなのだが、金縛りというのは思春期に起きやすい。
私の場合、遺伝なのかなんなのか、母同様、金縛りになりやすい体質だった。
一時はびっくりするくらい頻繁に起こる金縛りに悩まされていた。

Kも私と同じで、成人するまでは、結構頻繁にあったという。

Kが寝ている部屋は、頭側に窓がある。
その窓から暗い部屋に、月明かりなのか外灯なのか、ぼんやりとした薄明るく光が差し込む。

Kの動かない体は窓の方へ……

差し込む明かりの方へ……

ふわりと持ち上げられてゆく。

頭上には子どもの声。
さっき夢で聞いた、楽しそうな子どもたちのきゃっきゃとはしゃぐ声が響いている。


「……天使?」

Kは思った。
この子どもらは天使だろうかと。
まさか、連れて行かれるのだろうか?

「まだ死にたくない!!」

そうおもったKは、とっさに頭の中で、真っ白い光を爆発させた。
なぜそうしたか、後で考えた彼にもわからないそうだ。
しかし、そうした瞬間に金縛りは解け、子どもの声も聞こえなくなった。

枕元の時計は、真夜中の2時をさしている。
窓の外は真っ暗だった。

数ある金縛りでも、こんなに奇妙な体験は一度しかないという。


それからずっと後にテレビで「懐かしのアニメ特集」のような番組を見たそうだ。
私も時々不定期にやっている特番を見るとこがある。
母親辺りの世代が見ていたアニメが数多く紹介されていて、
名場面だけを集めていたりする。
Kはその中の 「フランダースの犬」の最終回の場面を見たとき、
「ああ、あの時とそっくりだ」と思ったそうだ。


なるほど、連れて行かれなくて良かったと思う。
それにしても、彼の話は子どもの出てくるものが多い。