平成30年3月22日 手術前日
13時までに入院ということで11時30分の新幹線に乗り岡山へ
いつも13時までに入院しても時間を持て余すので、少し駅の中のお店をぶらぶらして病院に向かいました。
今回の病室は希望通り、4人病床だけど木目調の家具で仕切られたややプライベート空間が保たれるようなお部屋で窓側です。
10階なので高いという意味では見晴らしはいいのですが、病院構内の建物と周囲の建物しか見えず、相変わらず眺望がいいとは言えません。でも窓側なので明るいのでそれだけで気分が違います。
お部屋に入ってすぐに看護師さんとのお話。私の病状と基本情報の確認、病棟内の説明などいつもな感じです。
その後は何もないので遅めのお昼を食べ、シャワーを済ませました。
その後、少しして今回の担当医O先生がこられ「はじめまして」のご挨拶とK先生の手術説明があるからと言われ病棟の処置室へ移動し最終的な手術説明を受けました。
手術説明に関しては前回の記事に書いた通りです。
あと、局部麻酔での手術になるけど、術中に口元の動きをみながら筋膜の移植位置を決めていくため、動きに影響が出ない最小限の麻酔に抑えるから、顔の方は少し痛いかも・・・
筋膜を採取する大腿の方は痛みがないようにしっかりと麻酔をしていくね・・・
とこのような説明がありました。
私は、ここでの手術は何度も受けているので緊張することはないかと思ったのですがやはり手術前夜は気持ちが高ぶり、ゆっくりと眠れそうになかったので睡眠剤をお願いしました。
しかし、看護師さんがもってきてくれた薬はトラソゾンという精神安定剤のようなお薬で、これを飲んでも少しうとうととはするけど熟睡はできず、結局朝3時に完全に目覚めてしまいました。
後で聞いた話では、手術前夜でやや興奮状態にあって寝付けないだろうということで先生はこのお薬を処方されたようです。
平成30年3月23日 手術当日
緊張のため朝食は3分の1くらいしか食べられませんでした。
12時からの手術予定なのでこの間にシャワーに行きました。
少し落ち着けるかと思ったけど、やはりだめですね・・・
11時からは絶飲食。
強度の緊張からかのどが渇き咳が出ます。だめなんだけど
お茶を少し飲水。
手術開始時間が12時30分に決まり、11時30分に尿管バルーンが入り、同時に点滴がはじまりました。
12時30分に車いすで手術室へ。今回は第3手術室。
病棟の看護師さんと手術室の看護師さんで手術事項の確認がされ、私自身の確認が終わったら手術台へ移動です。
手術台に移動すると手際よく心電図、O2センサー、血圧計と看護師さんが装着していきます。
その間にK先生、O先生が手術に必要なマーキングが顔に大胆にされていきます。このマーキングが終わったところで術前写真を撮り、顔全体と口の中を消毒され麻酔開始です。
顔と大腿にチクチクと何か所も針が入って行きます。初めは痛いと感じるけどだんだんとどこに刺されてるのかわからなくなってきました。少し時間を置き、麻酔が効いてきたところで手術開始です。
どこを切開されてるのか全く分かりません。ただ、鼻の近くの筋肉がかなりの力で引っ張られてる感じがあって、この時は凄く痛かったです。これが、麻酔が最小限と言われたことなのか・・・と思いつつ我慢してました。筋膜の移植位置を決める場面では、私の頭上を先生方の医学用語が風のように飛び交っていました。
この時、私は何度も「いーってして」と声をかけられます。
途中、K先生が「いいね。完璧。」と言われるとほっとするし、
「うーん、だめかなぁー」と言われるとドキドキしたりと、私も手術台の上で先生方と共に一喜一憂していました。
こうした細やかな作業で口唇部への筋膜の移植部位を決定。
その後、大腿筋膜の採取です。
O先生が筋膜採取してる間も、K先生は筋膜を移植する位置を確認しているようでした。
でも私はこの大腿筋膜採取もメスが奥の方に入っていくと飛び上がりそうな痛みが襲ってきます。そのたびに、麻酔を追加です。
無事筋膜が採取できたところで、K先生が筋膜を丁寧に口唇部筋肉に移植、最終的に私が「いー」として一番いいと思われる位置に縫合し手術は完了しました。
その後、私の七不思議のひとつの検証が行われました。
前回の手術で咬筋神経から健側の顔面神経につなぎ変えているにも関わらず筋肉に、まだ咬筋神経に支配されているような動きが残っているのでそれが中枢性ものか末梢性のものかを見るもので、つなぎ変えをした顔面神経を麻酔でブロックして動きをみるというものです。
本来なら顔面神経支配でブロックすると動きがなくなるはずなのに
ブロックしてもしっかり動きました。
私の筋肉は一体どの神経支配で動いているのか先生方にもわからないようです。人間の体はわからない事だらけだと先生は言われてました。
後は術後の写真をとり、動きを確認して終了です。
手術時間は予定通り1時間30分でした。
手術後・・・
部屋に帰っても麻酔が効いているので痛みは全くなく、娘とおしゃべりもできました。点滴も尿管バルーンも抜いてもらいました。
移植した筋膜が外れたりしないように、術後3日くらいは固いものは食べないようにということで夕食から軟食でおかゆです。
夕食後からだんだん痛みが強くなってきました。
顔面は右全体、口の中は歯まで痛くて、大腿もかなりの痛みです。痛み止めは最初カロナール2錠を飲みましたが全く痛みの軽減はなく、3時間後ロキソニンを飲みました。ロキソニンを飲むとだんだんと痛みも和らいできたので、睡眠剤を飲み眠りにつきました。
この日は朝まで起きずに眠れました。
平成30年3月24日 手術後1日目
O先生回診
傷口をみて処置。
内出血はあるけど傷口はきれいらしい。
抗生剤の点滴は朝で終わり。飲み薬に移行。
足は動かしたり歩いたりすると痛いので、11時くらいにロキソニンを服用。顔の痛みはほうれい線に沿って切開してあるところが笑うとチクチクする感じ。
看護師さんが背中を拭いてくれ、あとは自分で拭き着替えをする。
この時に、洗い流さない泡状の石鹸を使用したけど。かなり気持ちよくなりますね。
お昼からは娘とゆっくりと過ごしました。
平成30年3月25日 手術後2日目
O先生回診
顔のガーゼが取れてマイクロポアテープに変わる。
足もガーゼからばんそうこうに変わりシャワーのOKが出ました。
いつものように足の傷はばんそうこうを剥がして泡で優しく洗ってとのこと。
顔の痛みはほぼなし。足は歩くと痛いけど何もしなければ痛みはなくなりました。
この日朝から3度の下痢。先生曰く、抗生物質が経口に変わった影響だろうと。でも抗生物質は止められず、整腸剤を処方されました。
平成30年3月26日 手術後3日目
K先生:O先生回診
K先生:ももさん、術後どう?
もも:食事も食べやすくなったし、歯磨きの時のブクブクうがいもできるようになったし術前より本当によくなりましたよ。
K先生:でも口唇部は腫れが引いてみないと本当の評価ができないよ。きっと、腫れが引いてきて傷が落ち着いてきたら今の状態より2cmくらいは上がってくるだろうから、ももさんが今の厚みがジャストって思うんだったら、脂肪注入してもいいかもよ・・・。
でもそれは、まだまだ腫れが引いてからね。
もも:「はーい、わかりました」
痛みは昨日と変わらず。
今日も朝から3度の便。でも昨日ほどの下痢ではなかったので整腸剤が効いてるのかな。
そして今日は新たな症状が・・・
今度は残尿感と頻尿。膀胱炎症状。
O先生曰く、頻尿は大変だけどなるべく水分をとって尿を出すようにするしか方法がないんだよね。抗生剤はすでに飲んでるからね。
平成30年3月27日 手術後4日目
O先生回診
特に変化なし。
下痢は少し改善。
膀胱炎症状は続いてるが、多量の水分摂取で尿をだしてます。
本当は今回の手術で下口唇部の手術も一緒にしてほしかったんだけど、今回の上口唇部の閉まり具合を評価してから下口唇部の事は考えた方がいいと言われました。
またこの手術でも筋膜を移植ということになるので、そんなに何度も筋膜をとっても大丈夫なのか・・・とO先生に聞いてみると大丈夫だと回答されほっとしました。
ゆっくりと、ゆっくりと・・・ですね。
平成30年3月28日 手術後5日目
K先生:O先生回診
足の傷のチェック;問題なし
退院したら足の傷はマイクロポアテープの上からサポーターで押さえてた方がいいけど、傷が小さいので痛みがないようだったらしなくてもいいよ。
顔の傷は紫外線予防のためにテープは貼っておくようにね。
平成30年3月29日 手術後6日目
O先生回診
今日の夕方か明日の朝抜糸しようって言われたけど、明日は退院でばたばたしてはいけないということで夕食後抜糸してくださいました。
看護師さんがサポーターは太もも用っていうのはないので膝用のサポーターで代用するように説明してくれました。
そのサポーターは院内の薬局にあるので必要なら明日購入して帰ってくださいって。
商品名が「ICコットンプロテクター」ひざ用Mサイズ、価格は800円です。これ、使用してるんですけど、コットン素材なので使用感がよく、下がってこないのでいいです。
平成30年3月30日 手術後7日目
O先生回診
今後の経過はK先生の外来で見ていきましょう。
何かあったらすぐ連絡をしてね。
看護師さんからお薬の確認がありました。
同室の方々にご挨拶をして退院。
1週間ぶりの院外の空気はすがすがしく気持ちよかったです。
入院した日は冬のような寒さで桜は全く開花していなかったのに
退院する日はとても暖かく桜が満開でした。
今回の入院で一番うれしかったことは、岡大病院で大変な治療を頑張っているブロ友さんと出会えたことです。彼女は私が想像していたとおりとても素敵な女性でした。
ご自分の病状や治療がとても大変なのにわざわざ病室まで足を運んでくださった事。遠方から入院している私にとって彼女の心遣いがどんなに心強かったか、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この出会いをずっと大切にしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
今回受けた手術の成果、私の中では十分に満足してるんだけど、この手術のことが一番じゃなくて、先生方には申し訳なく思っています。(笑)
でも、先生も言われてたけど本当の成果はもう少し先で評価しなくてはいけないので今の段階では2番でいいのかなって・・・思わせてください。