この土地に来て2年が経とうとしている。

しかし、契約社員と言う立場では、これからのプランも立てられない。

とりあえず帰郷のことは今は考えずに正社員の仕事を探すことにした。

 

この地に来てから、寮の近くによく通っている喫茶店があった。

50代くらいのご夫婦で切り盛りしてらっしゃる居心地の良い店だ。

いつも一人で行くので、カウンター席に座りマスターとよく話していた。

 

マスターに正社員の仕事を探していることを告げると

M「Lさん、それ本気かい?」と聞かれた。

「もちろんです!!」と答えると、マスターはどこかへ電話をかけた。

M「Lさん、明日も○○時に来てくれる?スーツで」(‼)

「はい、わかりました」履歴書も持ってくるように言われた。

 

翌日、約束の時間に店に出向くと

細身ではあるが、武道家のようなシャキッとしたご老人が後からやって来た。

マスターが「この方は○○社の役員をされてらして勇退された方なんだが…」

M「今は東京に本社がある会社の顧問をなさってて、新しくこの土地に事業所を開設するために人を集めてるんだ」(これって面接だ!!)

 

僕が契約社員として働いていた会社の役員だった人…💦

顧問は履歴書を一通り目を通して、マスターに聞いた。

K「この人で大丈夫か?信用できるのかい?」

M「はい、私が保証します」(‼)

K「わかった。今、事業所が出来るまで空き工場を借りて何人かで研修してるんだ。」

K「明日、そこに朝、来てくれるかね?」

「はい、わかりました!!」「ありがとうございます」

 

その夜、サークルの別グループのメンバーと話す機会があり、その事を話すと、

地元企業のデパートに勤めている友人が教えてくれた。

「あ、そこウチにいたYちゃんってコがいますよ。ナイスバディのコ(笑)」

 

 

翌朝スーツで見学させてもらった。すごく難しい作業で職人レベルだった。

K「君にはこれを覚えてはもらうが本来の目的はこれが出来るロボットを作ることだ」

「こ、これを自動化するってことですか⁉」

K「そうだよ。だから、ここで数週間いてもらった後は本社で研修してもらう」(‼)

K「事業所が完成するまでだから、1年…いや、2年くらいは行ってもらうが?」

「はい、それは大丈夫です」

K「では、来週明けから来てくれたまえ」

「わかりました。よろしくお願いいたします。」

 

そう言えば友人が教えてくれたYさんを見学の途中で見つけた。

「Yさん、○○デパートにいたんだって?主任やってる友人が教えてくれた(笑)」

Y「あ、そうなんですか?」

「うん、Yさん凄くナイスバディだよって言ってた(笑)」

Y「やだあ~主任ったら(笑)」「どうぞよろしくお願いいたします。」

 

こうして仕事がトントン拍子に決まった。

何だか、また東京なんて振り出しに戻った気分にもなったが💦