小学生からの無茶なレッスン依頼 45-1
誰も引き受けたがらない仕事の依頼が、またしても舞い込んできた。通常、子供たちは早い内から習い事を始めるが、あるイベントに皆と一緒に出たいからと6年生の女の子がレッスンにしかも、そのイベントはなんと1か月後と言うええ、ええ引き受けましたともちなみに、もちろん完全な初心者である。週に1,2回くらいしか見てあげられないので僕にしては珍しく「宿題」を出してたくらいだ。それでも間に合うかどうか…まずは自分の抱える「焦り」を隠して、いつも通りに指導。動きもゆっくりな子で、気を抜くとボーっとしているが、そこは我慢基本的なことを一通りできるようにしてあげて次は具体的な指導に入った。(自分が)焦らないように、確実に状態を把握し、悪い所を直していく。それの繰り返しで、少しでも先に進めるよう確認しながら続けていった。「ボーン」と言う音が聞こえ、窓から見上げると、花火が…。「ああ、今日は○○の花火大会があったね」レッスンには生徒一人では来ない。お母さんが常に同行していた。(30代後半)お母さん(MEとしよう)「先生、皆が休みの時なのにすみません」と言った。「いえいえ、それこそお互い様です。お母さんも毎回大変でしょう?」「僕も今年はまだ見に行ってないんです。一緒に行って観たいですね」その日の帰り際にお母さんに言った。「本当に厳しいですけど、でも上達はしてます。あともう少し頑張りましょう」「おうちでも、それとなく様子を見て、僕にも教えてもらえますか?」ME「わかりました。ありがとうございます」結果的に生徒は1ヵ月で一通り出来るようになった。(間に合った…)「よく頑張ったねこれで皆と一緒に出られるよ」と生徒を褒めた。「あとは当日、頑張ってね。レッスンは今日で終わります」2人「ありがとうございました」荷物を車に運ぶ生徒を先に行かせ、お母さんを呼び止めた。「娘さんも頑張りましたけど、一番頑張ったのはお母さんですよ」ME「え~っ、嬉しいです。ありがとうございます」「もう、ハグして頭ナデナデしてあげたいくらいですよ(笑)」ME「え~っ、そうなんですかぁ(笑)」ME「そう言えば先生この間、花火大会一緒に行きたいねって言ってましたよね?」「はい、まだどこかで大会ありますかねえ?」ME「あれって3人一緒にってことですか?」「いやいや、それはお父さんの役目ですよね(笑)」「そうだなあ…僕が行くならMEさんと2人で行きたいトコですね」「でも、今日でレッスンも終わりですから」ME「先生?またあとで電話してもイイですか?」「はい?ええ、もちろん」ME「ではまた…」そうして2人は帰って行った。