オリンピックがあった年は大抵「金」

自然災害の被害が大きかった年は「災」と、

毎年何となく予想通りの感じが選ばれることが

多いけれど、今年を感じ一文字で表すのは難しい。

 

大きな出来事と言えば大阪万博だが、

万博を漢字一文字で表現できる文字が

思いつかない。

個人的には、人生初めての淡路島や神戸、

万博やレゴランドを満喫できて充実した1年では

あったけれど、いつもどこか体調が悪くて、

不安が拭えず、途方に暮れてばかりだった。

 

だから今年の漢字は「不」

不安定で不健康、楽しい時もどこか不穏、

でも不幸ではなかった。

今年の不安は、来年に持ち越しになるだろう。

普段は病院に行く勇気がないくせに、

年末年始など病院が長期休業に入ると途端に

行きたくなって苦しむのはいつものこと。

そして休業が明けると行かなくても良いやと

言い始めるのだ。何度も経験したことのある

症状、いつも大丈夫だった。

大丈夫と思っていればそのうち治る。

「そのうち」がなかなか来ないのもいつものこと。

私は「いつも」がある日突然訪れなくなることが

怖くて、朝目覚めるのが怖い。

 

 

辻村深月さんの作品のおすすめ読み順を見ると、

『凍りのくじら』が1番に挙げられていることが

多いけれど、

私は1番に読むべきではないと思っている。

 

 

この本の主人公、芦沢理帆子は

他の作品にもちらほら出てくるが、

他の作品の主人公と違って好感を持ちにくい。

頑張れーと応援したくなったり、

辛い目に遭った時に一緒に悲しんだりできなくて

悶々とする。自分で自分を不幸にしている感じが

否めず、同情の余地がない。

そのせいか、この作品を最初に読んでしまう人は、

他の作品に出会わず終わってしまうことが多い気がする。

 

もちろん、そのままでは終わらないし、

他作品では凛としてミステリアスな女性という

決して悪くない印象で姿を見せているから、

『ぼくのメジャースプーン』や

『名前探しの放課後』を読み終わったあたりで

読んでみると、この脇役の女性にもこんなドラマが

あったのだなあと面白く読める。

 

理帆子のように

Sukoshi Fuan

Sukoshi     Fuko

Sukoshi Fuon なSFの日々を送っている人が

 

苦しみから脱却できますように。

 

 

 

 

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