今日は朝4時から夫はサッカーユーロカップ イギリス対スペインを観ていました。

私が起きてから、コパアメリカのアルゼンチン対コロンビアが放送され始めたよ、というと夫は知らなかったのですが、続けてこれも観戦。昨夜はウインブルドン男子シングルス決勝を観ていて、3本立て~!

 

さて、私は今日は先週図書館で借りた本について書きたいと思います。

 
東日本大震災で飼い主を失った犬(多聞)が、熊本まで旅するものがたり。
6章からなっていて、それぞれの章で多聞と出会う人たちが描かれています。盗人、娼婦、漁師などなど、多聞の飼い主になりますが、それぞれにやさしい心を思い出させ、幸せをもたらします。多聞はその時その時の飼い主に忠実に暮らしますが、いつもある方向を向いています。もとの飼い主を忘れられないのか?どこに行きたいのか? 
ついに多聞は熊本までたどり着きます。
痩せこけてボロボロになっても旅を続けていたのは、東北にいた頃の親友、光という少年に会うためだったのです。ついに多聞と光は再会し、震災で心身症になり言葉も話さなかった光がこころを開き、健康になっていきます。
それなのに、熊本地震が起きます。多聞は光を守って死んでしまいます。
 
犬好きな私にとっては犬が主人公というだけでもグイグイとひきこまれて、どんどん読み進めました。
そして最後に、多聞を失って光が又心を閉ざしてしまうと心配した両親でしたが、光はこう語りました。
私はこの言葉に涙しました。
「多聞、いるんだ、ここに」光は自分の胸を指さした。
「あのね、あの時、ぼく、多聞の声が聞こえたんだ。大丈夫だよ、光、僕はずっと光と一緒にいるからね、だから何も心配することないんだよって」
「死んだからって多聞がいなくなったわけじゃないんだよ、お父さん」
「多聞に抱きつけないのは寂しいけど、だいじょうぶ、ぼく多聞を感じられるから。今だってすぐそばにいるよ。」
 
多聞は光の心のなかで生き続けますね、多聞も光もずっと幸せでしょう。
自分とマイティーを重ねてしまいました。
愛犬と自分のことを重ねて読まれた方が多いことでしょう。
 
それぞれの章で出会った短い間の飼い主がみな同じように簡単に死んでしまうストーリーだてが安っぽくて好きになれなかったのですが、全体を通して作者が伝えたいメッセージは素晴らしかったです。
読みやすい本なのでもしよかったら読んでみてください。