ビートルズのセカンド・アルバム《With The Beatles》(1963.11.22)のB面3曲目。
オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズが1962年11月に発表した曲で、ヒット・チャートの8位まで上昇している。
つまりビートルズは発表されて1年にも満たないヒット曲をすぐにカヴァーし録音したことになる。それほどこの曲が好きだったのだ。そして自信があったのだ。
「君は僕の心をとらえて放さない」
You Really Got A Hold On Me
ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー
William Smokey Robinson
I don't like you, but I love you
Seems that I'm always thinking of you
Oh, oh, oh, you treat me badly
I love you madly
You've really got a hold on me
You really got a hold me
Baby, I don't want you, but I need you
Don't want to kiss you, but I need to
Oh, oh, oh, you do me wrong now
My love is strong now
You've really got a hold on me
You really got a hold on me
*
Baby, I love you and all I want you to do
Is just hold me, hold me, hold me, hold me
Tighter, tighter
I want to leave you, don't want to stay here
Don't want to spend another day here
Oh, oh, oh, I want to split now
I just can't quit now
You've really got a hold on me
You really got a hold on me
Repeat*
You really got a hold on me
You really got a hold on me
君のことは好きじゃない、けど愛してる
いつも君のことを考えてるみたいだ
ああ、なのに君はとてもつれない
どうしようもなく愛してるんだ
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
君なんか欲しくない、けど必要なんだ
キスなんかしたくない、けどせずにはいられない
ああ、なのに君はいつも冷たい
僕の愛は強まるばかり
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
*
ベイビー、愛してる
君に望むことはただひとつ
僕をしっかりと抱きしめてくれ
もっと強く、もっと強く
君から離れたい、ここにはいたくない
あと1日だってごめんだ
ああ、もう別れたいんだ
でもそれもできないのさ
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
繰返し*
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
(英文解説)
●You Really Got A Hold On Me
→オリジナルの原題は“You've Really Got A Hold On Me”である。口語ではしばしば“have”が省略される。
→“get a hold on A”で「Aをしっかりつかむ」
●Seems that I'm always thinking of you
→“It seems that…”で「…のように思われる、…のようだ」
例文
It seemed to me that they were too realistic.
私には彼らがあまりに現実的すぎるように思えた
●you treat me badly
→“treat A+副詞”で「Aを…のように扱う」
例文
She always treats me well.
彼女はいつも私によくしてくれる
You mustn't treat animals badly.
動物を虐待してはならない
●all I want you to do is just hold me
→“want A to do”で「Aに…してもらいたい」
●don't want to spend another day here
→“spend”は「(金を)使う、(時間を)過ごす」
例文
Don't spend too much money on clothes.
洋服にあまりお金をかけちゃだめだよ
I need more time to spend with my children. 私にはもっと子供たちと過ごす時間が必要です
●I want to split now
→“split”は「裂ける、分裂する、別れる」
ミニ会話
Are you still going out with John ?
No, we split up last month.
まだジョンとつきあってるの?
いいえ、先月別れたわ
●I just can't quit now
→“quit”は「(自らの意思で)やめる、辞職する、あきらめる、断念する」
(この曲について)
The boys have an immense admiration for America's rhythmic group The Miracles, to whom they pay tribute via their interpretation of YOU REALLY GOT A HOLD ON ME, John and George tackle the wild, relentless vocal with Paul joining them for the chorus lines. Incidentally that IS George Martin on piano this time !
アメリカのリズミックなグループ、ザ・ミラクルズをおおいに敬愛している4人だが、ここでは〈ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー〉をカヴァーして、彼らなりの賛辞を送っている。ジョンとジョージがワイルドで情け容赦のないヴォーカルを聴かせ、コーラスではそこにポールが加わる。ちなみにピアノを弾いているのは、今度こそジョージ・マーティンだ!(オリジナル・ライナー・ノーツより)
ビートルズのモータウン好きはよく知られているが、中でもスモーキー・ロビンソンには敬愛の念を抱いていた。
その敬愛するスモーキー・ロビンソンの曲を、ビートルズはまるで自分の曲のように堂々と歌いあげている。
ジョンとジョージがデュエットする曲は珍しい。実はこの曲だけである。それがこの曲の最大の“売り”となっている。
ジョンが主旋律を歌い、ジョージが下のパートを歌い支えている。二人とも実に気持ちよさそうにデュエットしている。この曲が大好きな様子が伝わってくる。
サビの最後に出てくる“♪Hold me, hold me, hold me, hold me”のところだけ3声になり、一番上をポールが歌う。それ以外のほとんどがジョンとジョージのデュエットである。
“hold me(抱きしめて)”と連呼する際のリズム・ブレイクのカッコよさ。そしてその後のリンゴのドラムのフィルに合わせて“Tighter(もっと強く)”と叫ぶジョンのヴォーカルの素晴らしさ。その瞬間、ジョンには後光がさしていたに違いない。
オリジナルのキーは「C」だが、ビートルズは1音半低い「A」のキーで歌っている。たぶんジョンが最も気持ちよく歌うことのできるキーだったのだろう。
ミラクルズの切なさのさらに上をいく、ジョンの迫りくる“泣き”のヴォーカルが、この曲をスケールの大きなものにしている。
ジョンが歌うとR&Bもロックになる。
(スモーキー・ロビンソンの言葉)
The Beatles were the first white artists to ever admit that they grew up and honed themselves on black music.
ビートルズは、ブラック・ミュージックを聴きながら育ち、自分たちの技術を磨いてきたということを認めたはじめての白人アーティストだった。
―Smokey Robinson
オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズが1962年11月に発表した曲で、ヒット・チャートの8位まで上昇している。
つまりビートルズは発表されて1年にも満たないヒット曲をすぐにカヴァーし録音したことになる。それほどこの曲が好きだったのだ。そして自信があったのだ。
「君は僕の心をとらえて放さない」
You Really Got A Hold On Me
ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー
William Smokey Robinson
I don't like you, but I love you
Seems that I'm always thinking of you
Oh, oh, oh, you treat me badly
I love you madly
You've really got a hold on me
You really got a hold me
Baby, I don't want you, but I need you
Don't want to kiss you, but I need to
Oh, oh, oh, you do me wrong now
My love is strong now
You've really got a hold on me
You really got a hold on me
*
Baby, I love you and all I want you to do
Is just hold me, hold me, hold me, hold me
Tighter, tighter
I want to leave you, don't want to stay here
Don't want to spend another day here
Oh, oh, oh, I want to split now
I just can't quit now
You've really got a hold on me
You really got a hold on me
Repeat*
You really got a hold on me
You really got a hold on me
君のことは好きじゃない、けど愛してる
いつも君のことを考えてるみたいだ
ああ、なのに君はとてもつれない
どうしようもなく愛してるんだ
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
君なんか欲しくない、けど必要なんだ
キスなんかしたくない、けどせずにはいられない
ああ、なのに君はいつも冷たい
僕の愛は強まるばかり
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
*
ベイビー、愛してる
君に望むことはただひとつ
僕をしっかりと抱きしめてくれ
もっと強く、もっと強く
君から離れたい、ここにはいたくない
あと1日だってごめんだ
ああ、もう別れたいんだ
でもそれもできないのさ
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
繰返し*
君は僕の心をとらえて放さない
すっかり君の虜だよ
(英文解説)
●You Really Got A Hold On Me
→オリジナルの原題は“You've Really Got A Hold On Me”である。口語ではしばしば“have”が省略される。
→“get a hold on A”で「Aをしっかりつかむ」
●Seems that I'm always thinking of you
→“It seems that…”で「…のように思われる、…のようだ」
例文
It seemed to me that they were too realistic.
私には彼らがあまりに現実的すぎるように思えた
●you treat me badly
→“treat A+副詞”で「Aを…のように扱う」
例文
She always treats me well.
彼女はいつも私によくしてくれる
You mustn't treat animals badly.
動物を虐待してはならない
●all I want you to do is just hold me
→“want A to do”で「Aに…してもらいたい」
●don't want to spend another day here
→“spend”は「(金を)使う、(時間を)過ごす」
例文
Don't spend too much money on clothes.
洋服にあまりお金をかけちゃだめだよ
I need more time to spend with my children. 私にはもっと子供たちと過ごす時間が必要です
●I want to split now
→“split”は「裂ける、分裂する、別れる」
ミニ会話
Are you still going out with John ?
No, we split up last month.
まだジョンとつきあってるの?
いいえ、先月別れたわ
●I just can't quit now
→“quit”は「(自らの意思で)やめる、辞職する、あきらめる、断念する」
(この曲について)
The boys have an immense admiration for America's rhythmic group The Miracles, to whom they pay tribute via their interpretation of YOU REALLY GOT A HOLD ON ME, John and George tackle the wild, relentless vocal with Paul joining them for the chorus lines. Incidentally that IS George Martin on piano this time !
アメリカのリズミックなグループ、ザ・ミラクルズをおおいに敬愛している4人だが、ここでは〈ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー〉をカヴァーして、彼らなりの賛辞を送っている。ジョンとジョージがワイルドで情け容赦のないヴォーカルを聴かせ、コーラスではそこにポールが加わる。ちなみにピアノを弾いているのは、今度こそジョージ・マーティンだ!(オリジナル・ライナー・ノーツより)
ビートルズのモータウン好きはよく知られているが、中でもスモーキー・ロビンソンには敬愛の念を抱いていた。
その敬愛するスモーキー・ロビンソンの曲を、ビートルズはまるで自分の曲のように堂々と歌いあげている。
ジョンとジョージがデュエットする曲は珍しい。実はこの曲だけである。それがこの曲の最大の“売り”となっている。
ジョンが主旋律を歌い、ジョージが下のパートを歌い支えている。二人とも実に気持ちよさそうにデュエットしている。この曲が大好きな様子が伝わってくる。
サビの最後に出てくる“♪Hold me, hold me, hold me, hold me”のところだけ3声になり、一番上をポールが歌う。それ以外のほとんどがジョンとジョージのデュエットである。
“hold me(抱きしめて)”と連呼する際のリズム・ブレイクのカッコよさ。そしてその後のリンゴのドラムのフィルに合わせて“Tighter(もっと強く)”と叫ぶジョンのヴォーカルの素晴らしさ。その瞬間、ジョンには後光がさしていたに違いない。
オリジナルのキーは「C」だが、ビートルズは1音半低い「A」のキーで歌っている。たぶんジョンが最も気持ちよく歌うことのできるキーだったのだろう。
ミラクルズの切なさのさらに上をいく、ジョンの迫りくる“泣き”のヴォーカルが、この曲をスケールの大きなものにしている。
ジョンが歌うとR&Bもロックになる。
(スモーキー・ロビンソンの言葉)
The Beatles were the first white artists to ever admit that they grew up and honed themselves on black music.
ビートルズは、ブラック・ミュージックを聴きながら育ち、自分たちの技術を磨いてきたということを認めたはじめての白人アーティストだった。
―Smokey Robinson