タレントの細山貴嶺(たかね)さんは、幼稚園から中学までいじめを受け、自殺しようとした経験を持ちます。そんな細山さんがいじめている君へ言いたいこととは。



その胸の内話してみて


僕は17歳。高校3年生です。小学生のときに死のうとしたことがあります。

水泳の授業の後、更衣室で制服のネクタイを自分の首に巻き、両端をぐっと引きました。息が苦しくなり、天井がゆらゆら揺れ、両親の顔が浮かびました。

結局、死ねなかった。後で冷静になって「死ななくてよかった」と思いつつ、同時に「苦しみは続くんだ」と落ち込みました。

幼稚園から中学までずっといじめられました。「デブなお坊っちゃま」というキャラクターでテレビに出たことも、気にくわなかったみたい。「臭えよ、ブタ。近寄んな」って殴られる。

誰も助けてくれない。僕は無価値なんだと信じていました。
深夜、教室でパンツを脱がされてうずくまった自分をわっと思いだす。心臓がばくばくして、涙が出て。親に隠れて包丁を握り、考え込む。死はずっと僕のそばにあったのです。

いじめている君に、いじめられる側のそんな気持ちを考えてみてほしい。

僕は「死ね」という言葉に敏感です。「殺す」には相手に対する積極的な感情がある。「死ね」にはそれすらない。「勝手に消えろ」「価値がない」と。君は軽く使っているだろうけど、どんなに傷つくか。

1年前、かつて僕をいじめた相手に尋ねました。「なぜ僕をいじめたの?」。答えは「俺、いじめてないじゃん」でした。この温度差は何なんだろう。

君も「いじめじゃなくてイジリ」と言うかな。僕は、君がなぜ人をいじめるのかを知りたい。本当は君も何かに苦しんでいるんじゃないだろうか。そうなら、いじめという形で発散せず、誰かに胸の内を話してみてほしい。僕は、君にも救われてほしいんです。

(朝日新聞2012.7.22)



いじめている側に何か期待するだけ無駄というものです。

「なぜいじめるの?」と尋ねても、「おもしろいから」と言われるのがオチです。

そんな相手を思いやる必要はまったくありません。自分のことだけを大事に考えて、さっさと逃げましょう。





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