加害者の内面を知る

 

他人を傷つける人の内面を見てみましょう。なぜその人は、人を悪く言い、嘘をつき、他人の情報をばらまき、誰かを不当に低く評価し、人から盗み、物を壊し、誰かに暴力をふるい、誰かの心身や経済状態、社会的信頼を損なうために、自分の貴重な人生の時間と労力を使うのでしょうか

 

それは、加害をすることによって、一瞬の勝利に酔いしれているからです。では、なぜ加害をしないと被害を受けた人に勝てないのでしょうか。それは、被害者の霊性が、加害者よりずっと高いからです。これは、社会的立場や外見は関係ありません。被害者の霊性の高さに嫉妬しているからです。

 

では、霊性というのはどういうものでしょうか。それは、他を傷つけないで、人を助けたい、自分の才能を伸ばして社会に貢献したいという、神の分霊としての良心です。他を攻撃する人の良心は、悪意によって見えなくなっており、悪霊と同通している状態です。良心がほとんど見えなくなっていても、良心それ自体がなくなることはありません。

怒りとは

 

それならば、加害を決断させるエネルギーはなんでしょうか。それは、怒りです。怒りは、二次感情です。怒りの前に、悲しみ、悔しさ、憎しみ、驚き、恥、欲求不満など、自分が否定したい感情があり、その感情を感じたくないために怒りという方法でふたをするのです。怒りは、見たくない感情を隠すには好都合ですが、強いエネルギーであるため、相手を攻撃する前に、心の内側を破壊し始めます。怒りが一瞬にて沸騰すると理性が吹き飛んで、言葉や身体の暴力へと突っ走ってしまう人もいます。その瞬間は爽快でしょう。自分の強さと相手の弱さを体感し、相手を打ちのめすことができたのは、自分が正義だからだと勝手に解釈するからです。

 

しかし、理性が戻ってくると、怒りによって引き起こされた言動は、相手だけではなく自分自身をも苦しめます。どんな人間にも、神の分霊としての良心があります。良心は、誰かを傷つけることが悪いことだと知っているからです。そして周りの人々にも、自分の人間性の低さが知れわたります

 

人間には怒りを抑える器がありますが、怒りを抑えられない人は、器があまりにも小さいのです。それは、転生してきた回数や、今世での生育環境と人生経験の差かもしれません。全ての思い、言動は魂に刻まれ、集合意識にも刻印されます。そして、怒り攻撃を繰り返すうちに、怒鳴ること、殴ること、相手を貶める行為がその人の本質となってきて、死後は怒りの層に還ります。そこを脱出するには、被害者への謝罪と償い、そして赦されることが必要となります。つまり、他人を傷つけることは、自分をそれ以上に傷つけているのです。

 

加害者のプロファイリング

 

絶対に赦せない、精神的あるいは経済的なダメージが、何度自分の人生に起きたか、数えてみてください。そして、それがどういう種類の人からのダメージだったのか検証しましょう。もしかして、加害者がなぜ怒りを持ったのか、わかるかもしれません

 

1.恋愛に関する場合

(1)相手が自分に恋愛感情を持っていたが、自分は相手に興味がなかった

(2)自分が相手に恋愛感情を持っていたが、相手は自分に興味がなかった

(3)相手と自分がお互いに興味があったか、二人は恋愛関係にあった

 

2.恋愛に関係ない場合

(4)ママ友、同級生、友人、隣人、同僚、兄弟など、多少内部のヒエラルキーがあっても、一応似た立場

(5)自分が生徒で相手が教師、自分が社員で相手が上司、自分が子供で相手が親など、相手が指導する立場

(6)自分教師で相手が生徒、自分が上司で相手が社員、自分が親で相手が子供など、自分が指導する立場

 

どんな状況でも、加害を行う方が悪いです。しかし、自分や相手を一方的に責めるのではなく、お互いの幸福のために、自分を理解してもらい、相手を理解する努力が、加害と被害をなくすために必要です。

 

お互いの勘違い

死後、走馬灯で全てが明らかになります。なぜ相手が自分を攻撃したのか、なぜ自分がそんな目に遭わなければならなかったのか。でも、生きている間は、相手の気持ちを想像することしかできません。想像することで、お互いが相手に与えた勘違いに気付くことができるかもしれません。

(1)相手の恋愛感情に応えられなかった場合

相手からの嫉妬と勘違いが理由である場合が多いと思います。相手が加害者なら、あなたを手に入れられないから壊したくなったとか、両思いだと舞い上がっていたら勘違いだと知ったから、などと、プライドを理由に嫌がらせをしてきたのかもしれません。あなたの友情や単なる親切心を相手が勝手に錯覚した理由は、もしかして、相手(またはあなた)には今まであまり親しい友人がいなくて、人との距離感が遠かったのに対して、あなた(または相手)は社交的で、誰にでも笑顔を向け、悩みを打ち明け、頻繁にメールをする、など、タイプが違っていたからかもしれません。どんな理由にせよ、嫌がらせをする方に罪があります

 

ただし、自分に落ち度がなかったかと考え直すことは、次なる悲劇を生まないためにも重要です。たとえば、以下のようなことはありませんでしたか。

  • 「〇〇(時間のかかる業務)を助けてくれたら、今度一緒に映画/食事/デートに行ってあげる」などと、自分はお礼のつもりで相手に報いようとした。相手はすごく頭がいいから、短時間にできると思っていた。
  • 「送り迎えを頼めるのは、あなたしかいない」などと、他に頼る人がいなくて、一番信頼尊敬し、本当に大好きな友達で、一番の親友だったので、相手をあてにしていた最高の友達でいつも一緒にいたかった
  • 「お金がないから、バイトを増やさないといけない」と相手に伝えたとき、内心、相手が金品を出してくれたらいいと期待していた。なぜなら、相手はいつもプレゼントをくれて、食事はいつもおごってくれたので、相手は裕福だと思っていた。
もしそうなら、逆の立場のケース2を読んでください。加害者と被害者のギャップがわかるかもしれません。

 

(2)好きな相手に尽くしていた場合

あなたが何かしてあげたら、きっといつか相手が自分を好きになってくれると信じて、一生懸命尽くしたのではないでしょうか。相手は、あなたから取れる利益を取ってしまったら、別の相手のところに行ってしまったのかもしれません。あなたが追ってこないように、あなたの悪い噂を流したり、あなたに嫌われるようなことをして、さっさと追い払おうとしたのかもしれません。

 

でも、そう決めつける前に、次にあてはまることはありますか。

  • 相手から宿題や業務の助けをせがまれたから、相手からは友達かそれ以上の好意があると思ったし、もしかするといつか付き合えるのかもと思った。でも、気づくといつも仕事を押し付けられて、だんだん利用されている気分になった。好きだったので、断れなかったけど、異性としてみてほしかった。
  • プレゼントをあげると相手は嬉しそうに受け取っていたし、食事はいつも自分がおごっていた。相談にも乗ったし、毎日夜遅くまで電話やチャットをしていた。だから友達以上恋人未満だと思っていた。いつも守ってやりたかった。
  • 普通友達には頼まないような、早朝深夜の送迎やお金の融通などを相手が頼んでくるし、家族の話もちょくちょく出ていたので、自分たちはつきあっていると思っていた。自分にだけ心の内を見せてくれるので、生涯の伴侶にしたかった。相手のために自分は時間もお金も気持ちも全てつぎ込んだ。幸せだった。

もう一度、ケース1を読み直してください。自分の気持ちが伝わっていなかった部分や、あなたが相手を誤解していた部分はありますか。それとも、相手があなたを利用したのだと思いますか。

 

(3)付き合っていた場合

  • 遠距離の恋人とは、毎日メールや電話をしてうまくいっていると思っていた。なのに、夜に突然別れたいというメールがきて、寝耳に水だった。あわてて電話しても恋人は出なかった。それで翌朝、話し合おうとして、相手の職場に電話したら、いきなり電話を切られてしまった。何かあったのかと、午後、無理して仕事を早退して飛行機で恋人の家に行ってみると、恋人は新しい相手と一緒に帰ってきていた。ずっと浮気していたのかと思うと、悲しくて悔しくて、なんでだよ、と聞くと、警察を呼ばれてしまった。恋人だったのに、なんで自分を貶めるんだろう。信じられない。

 

  • 恋人は遠距離だったので、週末など寂しい思いをしていた。職場の同僚たちと残業したり、週末一緒にいろんなところに行くうち、職場の、ある友人が気になってきた両天秤にかけて付き合うことはできないから、「いったん距離を置きたい」とだけメールで恋人に伝えたら、恋人から電話がひっきりなしにかかってきた。でも、翌日には大事な会議があるので、電話には出ず、しっかり寝た。翌朝、職場あてに電話がかかってきた。とても迷惑だし、恋人は逆上していたので慌てて切った夜に電話しようと思っていたが、すっかり仕事が遅くなってしまった。その友人とは降りる駅が同じで、安全のために、家の前まで送ってもらったが、友人は、私が好意をもっていることさえ知らないと思う。すると、家の前に恋人が待って、いきなり怒鳴ったので、ストーカーになってしまったと思って、警察を呼んだ。怖かった。恋人だったのに、なんで自分を苦しめるんだろう。信じられない。
この両方を読んでみて、自分がうまく相手に気持ちを伝えられていない部分、相手を誤解していた部分はありませんでしたか。恋愛がらみは解決が非常に難しいものですが、お互いの気持ちのずれに気付くことが大事です。
 

(4)立場が同じ場合

自分の状況に近いものはありますか。また、相手の立場を読んだときに、ああそう思っていたのかと思える部分はありますか。
 

同級生/同僚

  • あの人は、ヒエラルキーの上の方で、異性にもてるし、友達は多いし、先生/上司みたいな権力者がいる前ではすごくいい人ぽくしてる。でも、上の人がいないと、大きな声で人の悪口を言っているし、仕事をさぼってばかり。私は地味だし、口下手だけど、一生懸命頑張ってこのクラス/職場を楽しい場所にしたいから、あの人から目をつけられないように、ちょっと離れていた方がいいかな。なんかこわい。
  • まじめすぎた人が一人でもいると、クラス/職場が白けてしまう。あの人は服装もださいし、しゃべりも面白くないし、ほんとつまんない。でもなんでそんな人が、この部署/学年で一番もてるあの人に気に入られてるんだろう。先生/社長も、あの人のことほめてた。そのくせ、私には話しかけてこない。あの人、私を馬鹿にしてるんだ。ずるい、腹が立つ

家族

  • なんで親は妹/弟に甘いんだろう。私が一人で手伝いしてるとき、あの子はスマホいじってるだけ。親は仕事を掛け持ちで働いてるのに。妹/弟はお小遣いをせびったり、私の持ち物を勝手に使って返さなかったり、もういい加減にしてほしい。もっとかわいげのある妹/弟だったらよかったのに。でも、役立たずだけど、妹/弟が不幸にはなってほしくない。私みたいに友達いない人生にはなってほしくない。
  • 兄/姉は、親にほめられてていいなあ。私なんて家に居場所がない。友達はみんなカラオケとか外食行ってるけど、うちは貧乏だからいけなくて、その分、チャットとかでみんなと仲良くしておかなくちゃ。でも、友達に誕生日プレゼントあげないとハブられちゃうから、今月は苦しいなあ。お互いのものを貸し借りすればお金かからないから、姉/兄に服をちょっと借りただけなのに、しわがついたとか、汚れたとか、ほんとみみっちい。でも私は姉/兄のことほんとは内心自慢なんだ。すごく頭良くて優しくて。私みたいなできそこないにはもったいない。

ママ友/友人

  • 本人やパートナーの外見/社会的地位、子どもの成績、家や車や服、SNSで見る生活の様子(海外旅行、家族仲、お金の使い方)などにおいて、その人より自分が成功しているので、それを嫉妬した相手が私の悪口言ってみるみたい。いつも高級お土産あげているのに、あっちからはお土産もらったことないし。社会的ステータスある人が集まるホームパーティにあの人を呼んであげて、人脈を作ってあげたのに、感謝してくれてるのかしら。
  • 付き合ううえで相手にマナーがなく、迷惑をこうむっている(家でお茶をするとき相手はいつも手ぶらで来るし、長居する。しかも、相手は個人的なことをしつこく聞くし、悪口も多く、口も軽い。しょっちゅう頼みごとをしてくるし、夜中に電話をかけてくる。貸したものを返さないし、ドタキャンが多い。)うちは旅行しないからお土産をあげない代わりに、お茶に招いてるのに、愚痴の聞き役ばかりでもう疲れた

隣人

  • 付き合いはないけれど、近くに住む相手の生活態度が迷惑。階段を夜遅くかけあがる靴音、ドアを開ける音が真夜中だからこそ響いて目が覚めてしまう。あの人が出したごみは、袋が破れていたり、そこから匂いがしたり。以前は汁がこぼれていた。やめてくれるように言ったが、全く聞いてもらえない。一体どんな神経をしているのか。
  • 普通に生活しているのに、隣人から一方的なクレームが来て困っている。夜9時過ぎたら食洗器/洗濯機/掃除機を使わないでくれとか。こっちは残業なのに、夜遅くに帰って来るなとか。ゴミは決まった時間帯にちゃんと縛って出しているのに、ゴミ袋をもっときっちり閉じろとか。そんな文句あるなら一軒家に引っ越せばいいのに。一体なんなの。

(5)(6)教師/生徒、上司/部下、親/子の場合

  • あの生徒/部下/子には何を言っても無駄。一回教えたら普通わかるはずなのに、何度も同じことを聞いてくる。基本さえできるようになったら、自分のやりたいようにやっていいのに。自信持って、ぱっぱと動ける人を持ちたかった。こんなに時間をとってやったのに、私はなんて不運なんだろう。
  • あの先生/上司/親は、少しでも自分の思い通りにならないとすぐ怒鳴る。好きなようにしていいって言われたから、自分なりに頑張ったら全然ダメだ、言うとおりにしろと言われた。言うことがころころ変わる。先生/上司/親の気に入らないことが一つでもあると、すぐに不可をつけられる/見放されるから、これでいいのか確認しながら、びくびくしないといけない。これってアカハラ/パワハラ/毒親だと思う。ほかの人は、普通の先生/上司/親をもっていいな。

 

相手の立場に立つ余裕

 

自分が思っていることが、絶対に正しいと思わないこと。もしかして、別の見方があるのではないか、という心の余裕を持つこと。それが相手との誤解を解く鍵になるかもしれません。もし、それでも相手が横暴だと思うのならば、それでいいと思います。ただ、誰も百点ではありえない、それを心に留めておけばいいと思います。