アジアンスタイルにアレンジされたメニューが並んでいて、ハーブやスパイスがしっかり効いているのに、極めて上品にまとまったお料理ばかりでした。

マンダリン オリエンタル 東京 「ケシキ」
落ち着いたダークウッドに、アジアンな透かし模様や花々の飾り、窓は一面ガラス張りで夜景が楽しめて、とても素晴らしい雰囲気の店内。

オリジナルカクテル
食前酒。ライチリキュールとマンゴージュースのカクテル。
フルーティーで甘くて、ほんのり赤く染まったお酒の色が可愛らしい。

テーブルセッティングはこんな感じ(ナプキンを取った後)。
とてもモダンに落ち着いた雰囲気。ガラスの向こうは素晴らしい夜景。

バター
手前左がトウモロコシとマスカルポーネにピンクペッパーを飾ったもの。手前右がバター、奥がオリーブオイル。
今回はパンがとても美味しくて(後述)、あまり何も付けないで食べたんだけど、トウモロコシとマスカルポーネは珍しくて、こればかり付けていました。
コーンもチーズも、ほんのりと、でもちゃんと分かるくらいに香って、両者の甘みが程良く、とてもパンに合っていました。

パン
フランスパン、レーズンとクルミのパン、マンゴー入りのパンの3種類。程良く温まっていて食べる前から大変好感。
このうち、一番手前の丸い、マンゴー入りのパン。これが、甘酸っぱくて柔らかくて、とってもとっても美味しかった。
一口ごとにマンゴーが入っているのではないかと思えるくらい、たっぷりとマンゴーが練り込まれていて、もともとマンゴー好きな私は、大変満足。
そして、口の中を怪我するからと固いパンが苦手な夫も、この柔らかくて甘いパンがとても気に入ったみたいで、こういったレストランで出てくるパンの中で1番か2番にランクインする、と言っていたほど。
と、2人で、この丸いマンゴーパンばかりたくさん食べてしまって、後々苦しむことに(笑)
ここから前菜。
10種類の前菜から、好きなものを5品選べます。
冷たい前菜2品と、温かい前菜3品を選びました。

北海道産帆立貝のグリルとグリーンアスパラガス
シンガポール風チリクラブソース
久しぶりに、感動するくらい美味しかった。
プリプリとした肉厚の帆立貝に、素晴らしい焼き加減で焦がした部分が大変香ばしく、甘めのアジアンソースには蟹肉がたっぷりと入っていてまさにカニ味、これら全てが絶妙に合わさって、大変美味。
これがメインでも多分私は満足すると思う。

タイ風豚肉の串焼き
ムーサテーとホラパーガーリックオイル
パプリカのピクルスをアクセントに
ガーリックが香る、わずかにカレー風味のような、アジアの味。
いわゆるシシカバブのように、肉自体にかすかにくさみがあるような感じなのが、またアジアンな雰囲気。
添えてあるパプリカのピクルスが、まるでフルーツのように甘くて、びっくり&とてもおいしい。

ナンプラーが香るカンパチのカルパッチョ
ツルムラサキとグリーンパパイヤのソムタムタイ風
カンパチは脂が乗っていてとても濃厚。
アジアン野菜がもちろんアジア風を醸し出しているんだけど、ナンプラーが鰹節のような味が強く、日本料理を食べているような感じも少しあり、不思議な味だった。
今回のメニューの中では比較的薄味。

キャベツで巻いた鴨のコンフィと紫蘇
ロジャックソース マンゴーとジャガ芋を乗せて
鴨のコンフィは大変柔らかく、口の中で優しく崩れていく感じ。
噛んでいると、鴨の味がじわっと出てきて、楽しめる。
ソースは、もろみのような食感と、甘辛い味噌のような味で、くせがなく美味。

"ゴイ クン" 天使海老と腸詰の生春巻き 赤味噌ソース
上に乗っている香草を食べなければ、紫蘇と赤味噌の、よく知っている味。
香草と一緒に食べると、一気にベトナムへ。
野菜類は大変新鮮。海老の味もしっかりとする。
残念なことに、腸詰(Chinese Pork Sausage)がどれかわからなかった。
ただ、総合すると、美味しいけど、普通によくある生春巻きの味でした。
スープ

アマレットが香るペコロスと松の実
パンダンリーフと南瓜のスープを注いで
アジア風の甘い香りのパンダンリーフがしっかりと香る南瓜のスープ。
カボチャは自然な甘みで、よくアジアンスイーツに使われるパンダンリーフがとても合うと思った。
ペコロスは小さな玉ねぎのようなもので、アマレット(杏仁豆腐の香りのようなお酒)がふんわりと立ち上って、甘酸っぱい。
全体的にまったりと甘い中で、松の実の香ばしさがアクセントに。
スープをテーブルで注いでくれるパフォーマンスも楽しい。
メイン

太刀魚とシュリンプチリペーストでソテーしたアジアン茸と青梗菜 柚子胡椒風味のスプラウト
写真下手すぎで申し訳ない!実物はもっときれいです!!
野菜やキノコにほぼ隠れてしまっているけど、太刀魚の量は、相当あります。
太刀魚はしっかりと太刀魚の味がして、しっかりとしたソースの味に全然負けていません。
良い素材を使っている感じがする。
きのこと青梗菜はとにかくたっぷりで、しかし、これだけあっても飽きないような味付けになっているところがスゴイ。
特に、キノコの味が濃くて、旨味たっぷり。
柚子胡椒のスプラウトが、香りと辛味を出していて、すがすがしさもあり。
結構辛いです。
口の中で、あちこちに楽しみがある感じで、かなり美味しかった。

オーストラリア産ビーフリブアイと
ケチャップマニスでソテーした空心菜と黄韮
ライムドレッシングで和えたスティームポテトと
ブロッコリーニ 赤唐辛子を散らして
こちらは夫が頼んだ、牛肉。
これも写真が下手すぎるんだけど、野菜を崩したところが下の写真。

別物のようですが・・・
ビーフリブアイのボリュームが半端じゃない(ちなみに、私の太刀魚のお皿も崩すとこんな感じで太刀魚がたくさん出てきます)。
メインの量が多いレストランは、本当に嬉しいかぎり!
が、私も夫も、マンゴーのパンをたくさん食べ過ぎていて、まさかメインがこんなにボリュームたっぷりだと思っていなくて、修行のような苦しさに。
やはり、欲張ると良いことはない(^^ゞ パンは上品におかわりしませう。。。
一口だけなので詳しく書けないけど、脂が乗りきったリブアイは、くさみのない濃厚な牛の味で、とても上等な牛肉。これは美味しかった!
デザート
アメリカンチェリーと南国果実
ミニタピオカとマリブ風味のメロンスープ
マンゴー・メロン・ライチ・パパイヤ・マイナップル・ドラゴンフルーツ…
フルーツはどれもジューシーで大変美味。
ベースのメロンスープは、マリブのココナッツラムの香りがほんのりして、これぞ南国のイメージ。
タピオカの歯触りが、少しアクセントになって、とても美味しい。
私はメロンが好きではないので、変えてもらえばと思う反面、これだけ美味しければ、メロンでも大丈夫だなぁという喜びもあったり。
しかし、前月は、マンゴーメインのデザートだったようなので、そちらのが・・・なんて。
それにしても、メロン嫌いでも美味しかったので、おそらくほぼ全員が美味しい!と言えるようなデザートだと思います。
紅茶
数種類から選べました。忘れてしまったけどダージリンにしたはず。
ルピシアのタグが付いていてびっくり!ルピシアはピンキリで、特定の農園、特定の季節のダージリンなどは非常に質が良いらしいので、マンダリンが使っているのも、そういうのなのだろうか。
ポットのお湯の量も十分で、ミルクも適温。

小菓子
渦巻きなのがチョコ風味、プレーンに見えるのがチーズ風味。
だいぶお腹いっぱいなのに、デザートやお菓子は食べられる不思議。
さっくりとしてとても美味しいクッキーでした。
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味も量も雰囲気もスタッフも、大満足でした!
アジアンらしいスパイシーさがしっかりとしているのに、なぜかスパイシーすぎず(?)に、食材の旨味が強調されていて、下品さのかけらもない、そんなアジア料理でした。
「アジアンインスパイアダイニング」というくらいだから、本来のアジア各国の味そのままではないのだろうけど、とても美味しかった。
夫がハーブやスパイスが苦手なので、めったにタイ料理やベトナム料理などを食べに行かないんだけど、そんな夫でも大丈夫なくらいです。
そして、(パンを食べ過ぎていなくても)満腹になるくらい、ボリュームたっぷり。
スタッフは、お料理の説明はしっかりと丁寧で、親切でフレンドリー、適切な距離、と好感が持てました。
雰囲気は、照明の落とされたムードのある大人の空間、高級感のあるオリエンタルな調度品、一面の夜景、と言うことなし。

最後に、お手洗いからの夜景。こちらも一面ガラス張り。
実際には、もっとスカイツリーは近くて大きく見えます。