1年以上も前のこと。時刻は21時ぐらいだった。
近所のスーパーの前にて。
リュックを背負い、何か箱を持った金髪の女性が
帰りを急ぐサラリーマン達に声をかけている。
募金なのかしら?
と遠めに見ていると、声をかけられたサラリーマンは
金髪女性を軽くあしらっていた。
すると、次にアタシの方へ向かって歩いてきた。
彼女が持っているのは、どうやら募金箱ではない。
アタシが箱に目をやっていると、カタコトの日本語で
彼女が話しかけてきた。
「ガクヒ カセイデイマス、コレハ クニカラ オクラレテキタ・・・」
うーん。カタカナは読みづらいので、彼女が言った言葉を
まとめるけど、彼女はウクライナから留学しに日本に来ていて
日本がダイスキなんだそうな。学費だか生活費だかを稼ぐために、
国から送られてきた民芸品を売っているんだとか。
箱の中には、描かれた花が書いてある木製のボールペンや
マトリョーシカなど、とにかく色々入っていた。
アタシが箱を覗くと、嬉しそうに彼女が商品の説明をし出して
マトリョーシカをおじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさん・・・
と説明しながら、次々に分解していった
そのマトリョーシカの家族は意外にも大家族らしく、孫だかペットまで
分解されて出現してきたもんだから、子供あたりで終わるかと思った
アタシは、まだいるんかい! と心の中で突っ込んだ。
ここまで商品の説明してもらったら(されたが正解なんだけど)
買うしかないなという気分になって、まんまとお買い上げー
に至ったんだけど、見せてくれたマトリョーシカの金額が
今は覚えていないけど、とにかく高かった。
なので、マトリョーシカのキーホルダー1000円を購入
商品に対しての金額はボッタクリ価格だったから、あの彼女の
学費の足しになるなら、いっか。と思っていたんだけど、
ネットで検索してみたら、アタシと同じように
ウクライナの人から、何かを買ったって人が意外と多い。
気になる方は、ウクライナ 行商 でググってみて。
彼女達が言う、売り文句が見事に同じなんだけど、
そうゆうマニュアルでもあるのかな。