<ラブリンク>
内藤みか
第9話
1話から読みたい人はこちら!
私と亮太はどこに行
くあてもなく、新宿の
裏通りをふらふらとさ
まよっていた。夜の十
一時を過ぎていた。
「そろそろ終電なんじ
ゃないの」
亮太が聞いてくる。
彼はいつも終電を気に
している。私には「そ
ろそろ帰ればいいのに
な」 と彼が思ってい
るんじゃないかと感じ
てしまう。
「亮太クンは今日はお
家に帰るの?」
「うーん、どうしよう
かな。終電に乗るんな
ら、そろそろ駅に行か
なくちゃ」
窓香ちゃんはどうす
るの、と彼がくりくり
した目を向けた。
まだ、帰りたくはな
かった。話したいこと
も、確かめたいことも、
何も片づいてはいない。
「……朝までコース、
いこっかな。亮太クン
は大丈夫?」
私はなぜだか彼を源
氏名のリョウではなく、
本名の亮太で呼んでい
た。会ったその日に彼
が名乗ってきたせいだ
と思う。
私が女性週刊誌の記
者だというと、亮太の
ほうから打ち明けてき
たのだ。
「俺の弟さ、その雑誌
に載ったことあるかも
よ」
「え?」
「だってJリーガーだ
もん……」
亮太がどの女性客に
もこのことを伝えてい
るのかは、知らない。
でも、有名人が身近
にいるというのは、か
なり大きなセールスポ
イントのはずだ。伝え
ないわけがないと思っ
た。
ブランド好きな女性
の心を、亮太が利用し
ないわけがない。でも
私はそのことについて
は、あまり何とも思わ
なかった。普段から芸
能人を見慣れ過ぎてい
るせいかもしれなかっ
た。
「朝までコース? い
いけど、どこで何する?
」
間の悪いことに、私
達は新宿ゴールデン街
を抜け、ラブホテルが
立ち並ぶ通りへと出て
きていた。
「……ラブホ、行きた
いの?」
亮太が静かにそう尋
ねてきた。
もう私達は十回近く
デートを重ねている。
普通の男女だったら、
そろそろセックスをし
てもおかしくはない時
期なのかもしれなかっ
た。
でも私達は普通では
ない。出張ホストと客
なのだ。亮太とプライ
ベートで会ったことな
ど、一度もない。
とはいえ何度も会う
うちに情みたいなもの
が湧いてきているのも
事実だった。
「ねえ窓香ちゃん、ご
めん、俺、ラブホは、
ちょっと」
1話から読みたい人はこちら!
第10話はこちら!
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「そろそろ終電なんじ
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亮太が聞いてくる。
彼はいつも終電を気に
している。私には「そ
ろそろ帰ればいいのに
な」 と彼が思ってい
るんじゃないかと感じ
てしまう。
「亮太クンは今日はお
家に帰るの?」
「うーん、どうしよう
かな。終電に乗るんな
ら、そろそろ駅に行か
なくちゃ」
窓香ちゃんはどうす
るの、と彼がくりくり
した目を向けた。
まだ、帰りたくはな
かった。話したいこと
も、確かめたいことも、
何も片づいてはいない。
「……朝までコース、
いこっかな。亮太クン
は大丈夫?」
私はなぜだか彼を源
氏名のリョウではなく、
本名の亮太で呼んでい
た。会ったその日に彼
が名乗ってきたせいだ
と思う。
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ほうから打ち明けてき
たのだ。
「俺の弟さ、その雑誌
に載ったことあるかも
よ」
「え?」
「だってJリーガーだ
もん……」
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もこのことを伝えてい
るのかは、知らない。
でも、有名人が身近
にいるというのは、か
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た。
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ないわけがない。でも
私はそのことについて
は、あまり何とも思わ
なかった。普段から芸
能人を見慣れ過ぎてい
るせいかもしれなかっ
た。
「朝までコース? い
いけど、どこで何する?
」
間の悪いことに、私
達は新宿ゴールデン街
を抜け、ラブホテルが
立ち並ぶ通りへと出て
きていた。
「……ラブホ、行きた
いの?」
亮太が静かにそう尋
ねてきた。
もう私達は十回近く
デートを重ねている。
普通の男女だったら、
そろそろセックスをし
てもおかしくはない時
期なのかもしれなかっ
た。
でも私達は普通では
ない。出張ホストと客
なのだ。亮太とプライ
ベートで会ったことな
ど、一度もない。
とはいえ何度も会う
うちに情みたいなもの
が湧いてきているのも
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「ねえ窓香ちゃん、ご
めん、俺、ラブホは、
ちょっと」
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