「心学」より。
心学「感謝」
物事を先に譲る、譲られた人は譲った人に感謝を述べます。常に「先に譲る心」があれば、期待せずとも十の内二か三は返って来ます。
人の心は冷たくありません。恩義を感じた人は感謝の心を以って義を返します。もし、これを人に譲ることなく、自分自身を先にすれば、恩義を感じる人はおりません。自分で自分自身に恩義を感じることはないからです。
やがて、この僅かな恩義の種が大きく成長し、自分は恩義の実をいただくことになります。人の心に生じる「心の種」は善悪関係なしに成長し、実となり新たな種を創ります。
先に譲るとは、やがて自分の利になります。この心法を熟知している人は、まず「謙譲」の修養に励みます。しかし、それを見越して行う人は見返りが少ないので継続しません。
恩義が育つのは十の内二か三もあれば良いと思えば気が楽です。
それは自分が他人から恩義を感じて、その返す比率を考えれば理解出来るでしょう。十の見返りを期待せず、気がついたら二か三が来ていたくらいが良いでしょう。
自分の行動は他人の行動と比率は近いはずです。自分を観れば人も観える。