震災２０年を機に制作された映画「神戸在住」に関する記事が、東京新聞にも掲載されました。
「どれだけ震災が悲惨だったかではなく、普遍的なテーマを伝えるのが映画だと思う」。神戸市在住の白羽弥仁（しらはみつひと）監督（５０）がこの映画・ドラマを通して訴えるのは、命の大切さだ。
「阪神大震災をテーマにしているが、見た人には明日起きるかもしれない震災に思いをはせてほしい。今、目の前にいる人を大事にしないと、津波で流されたり、交通事故で突然いなくなることもあるんだと。だから常に慈しみを持って接してほしい」。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2015011102000151.html
東京新聞より ↓
神戸の街を一瞬にして破壊し、多くの命を奪った阪神・淡路大震災の発生から十七日、丸二十年を迎える。地元独立局サンテレビは、震災後に生まれ悲しい記憶の残る神戸に暮らす女子大生の姿を描いた映画「神戸在住」と同名ドラマを制作。劇場版が同日公開となるほか、ドラマ版も各地の独立局で放映される。制作に携わったのは、神戸にゆかりのある人たち。制作者たちが作品に込めた思いとは－。 （増田紗苗）
震災を題材にした映画・ドラマというと、地震発生時の出来事や、復興への道のりを描いた物語をイメージするが、本作で震災は直接描かれない。舞台は復興を遂げた現在の神戸。東京から来た女子大生の桂（藤本泉）を中心とした震災を知らない若者たちの群像劇だ。
震災の二日後に生まれた桂は街の景観や人々との触れ合いを通じて震災の記憶に触れるが、いまひとつ実感できずにいた。引っ込み思案で友人に心を開けない桂だったが、大切なものを失うことで、震災の痛みを乗り越えてきた神戸の街と人々に少しずつ心を重ね合わせていく。
原作の木村紺さんの同名漫画は震災の数年後を舞台にするが、脚本を担当した安田真奈さん（４４）は震災から二十年後に置き換えた。「あくまで今の神戸を生きる子たちの話にして、大切な人を失った神戸の人たちに自分を重ね、思いをはせてもらいたかった。震災を知らない若い世代に届かないと、二十年目にやる意味が薄れると思った」
大学時代に神戸市に住んでいた安田さんは震災のとき、奈良県の実家にいた。身近な町がめちゃくちゃになっているのに、痛みをリアルに感じられないことがショックだった。二十年の間に、東日本大震災をはじめ、さまざまな災害があちこちで起き、分かったことがあった。
「人の痛みを１００％理解することはできないけど、思いをはせ、節目で振り返ることが大切。そうしないと助け合おうということにならないし、過去のこととして終わってしまう」
「どれだけ震災が悲惨だったかではなく、普遍的なテーマを伝えるのが映画だと思う」。神戸市在住の白羽弥仁（しらはみつひと）監督（５０）がこの映画・ドラマを通して訴えるのは、命の大切さだ。「阪神大震災をテーマにしているが、見た人には明日起きるかもしれない震災に思いをはせてほしい。今、目の前にいる人を大事にしないと、津波で流されたり、交通事故で突然いなくなることもあるんだと。だから常に慈しみを持って接してほしい」
震災から二十年がたち、地元でも普段は震災のことは話題に上らなくなった。神戸市では、世代交代や人口の流入が進み、震災を体験していない人が人口の半数近くを占める。
撮影に全面協力した神戸山手学園（神戸市中央区）の理事長で、当時の県副知事だった芦尾長司さん（８０）は「街はきれいになったが、学生の多くは震災のことを知らない。次世代に語り継いでほしいという思いがあった」と、記憶の風化を危ぶむ。
映画・ドラマを企画した大西昭彦さん（５３）は言う。「それでも震災の傷を乗り越えた神戸には、土地の履歴を知らずに暮らしている人に投げかけるものがある。東日本大震災の被災地や大切なものを失った個人にもつながると思う」
＜阪神・淡路大震災＞ １９９５年１月１７日午前５時４６分、兵庫・淡路島北部を震源地とするマグニチュード７・３の地震が発生した。神戸市などで震度７を観測、６４３４人が死亡した。住宅約１０万５千棟が全壊し、約７千棟が全焼。被害総額は１０兆円近くに上った。
以上
今日は震災を体験（記憶に無いでしょうが）した最後の世代の方の成人式に参加してまいります。
明日からも早朝駅だちをさせていただきますが、場所取りが熾烈になってきているために、事前告知は控えさせていただきます（fbやtwitterでは当日呟きます）。
