「神戸ビエンナーレ」。 | 大石よしのりオフィシャルブログ Powered by Ameba

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大石欣則

 先日の神戸市会決算特別委員会、市民参画推進局の審査での議事録がアップされましたので、掲載させていただきます。

1.「神戸ビエンナーレ」について

(1)開催意義について

神戸ビエンナーレについては、決算年度ではないが、繰り越しされているし、来月から開催されるので、敢えて質問させていただき、間に合わないかもしれないが、私なりの提案・提言も取り込んでいただければと思う。基本的には開催すべきものか、やりたくてやっておられるのかまで突っ込ませていただきたいが、そもそもの成り立ちもよく知っている。2005年に海洋博物館がうまく回らなくなって、起爆剤をということで「タイムズメリケン」として、周辺や中にコンテナを置き、神戸の地場産業の集大成とアートをうまくコラボしていた。その翌々年から神戸ビエンナーレが始まったが、手法や発想は全く一緒で、2007年の最初の神戸ビエンナーレは矢田市長の発案で、非常に良いと思っていた。神戸の地場産業や神戸のアーティストがとても活躍されていた。結果、2か月弱で案外集客が足りなかった。

そもそもの神戸ビエンナーレの精神が、今どう引き継がれているか。神戸ルミナリエは産業振興局が実施しており、経済効果や地元の活性化、神戸の魅力発信は必要不可欠である。ビエンナーレは市民参画推進局が実施しているということで、違う観点があって当然であるが、貴重な税金を使っているので、ビエンナーレの在り方も含めて伺いたい。

私自身は、他都市のビエンナーレやトリエンナーレに比べて、まだまだ魅力を発信できていないと感じている。3億3,000万円の事業費の中で神戸市負担は2億6,000万円、9億円の経済効果と発表しているが、開催意義がもうひとつ分からない。やるからにはもっとしっかりと意義、内容、効果について考えるべきであり、できないのであれば違う方法、違うものを検討することもあるかと考えるがどうか。

<大谷局長>

神戸ビエンナーレについては、震災後10年が経つ中で、市民の皆さまを中心に、文化のもつ力に勇気づけられたという声があった。そこで「文化創生都市」宣言をし、その一つの象徴的な取組みとして始められたものが「神戸ビエンナーレ」である。その目指すものは、一つは「神戸の文化芸術の振興」が大きな柱であり、併せて「文化を通じての地域の活性化」あるいは「文化を担う人材の育成」である。

神戸ビエンナーレは、過去3回実施しており、今回で4回目になるが、回数を重ねるごとに、本来の意義を出せてきたと評価している。一定の効果が出てきたと考えている。例えば、「地域の活性化」の点で、前回、神戸元町高架下を会場に加えたが、神戸ビエンナーレ2011の開催をきっかけに、地元でもまちの賑わい・活性化につなげるため、商店街・アーティスト・学識経験者等で結成された「元町高架下にぎわいづくり実行委員会」が組織され、アートパフォーマンスなどの様々な取組みをしていただいた。

ビエンナーレ終了後も、「元町高架下にぎわいづくり実行委員会」を中心に空きスペースやシャッターを利用し、アート作品を制作したり、ファッションショーなど様々な取組みを行っている。メディアでも取り上げられる機会が増え、一方で新開地でもアートでまちおこしをしているが、新開地と関連付けて、「こうべアート街道」を展開しており、高架下を題材とした著書がでたり、テレビ番組で高架下を取り上げたランキング形式の番組では関西1位となったり、注目が徐々に集まってきていると思う。商店街の方に聞いても、人が増えてきているとのことであるし、幅広い年代の人が気軽に訪れる魅力的な場所となっている。ビエンナーレが契機となってまちづくりにつながっている事例ではないかと実感している。

ビエンナーレ2013でも、三宮・元町界隈の13のギャラリーを「まちなかアートギャラリー」としてビエンナーレ会場の一つとして位置づけ、神戸のまち歩きを楽しんでいただきながら、まちの活性化につながればと考えている。

 ビエンナーレの評価としては、名前の浸透度という意味では、まだまだ物足りなさを感じているが、2011の検証評価では「過去3回の実施で、一定の評価は得られた」とした上で、「多くの人にアートの楽しさを伝える『拡がり』と、ビエンナーレとしての『質の高さ』の両方を兼ね備えた進化した神戸ビエンナーレを目指してほしい」と評価された。

またそれとは別に、このような取り組みが評価され、神戸ビエンナーレは文化庁の「平成25年度地域発・文化芸術創造イニシアチブ」の補助事業の採択を受け、1億円を超える補助金が認められた。その審査においては、学識経験者等の審査委員から、「文化を活用して地域の活性化を図る特色ある取組である」との高い評価もいただいている。

 人材育成という意味では、過去3回の受賞者が、他のビエンナーレに招待されるなどの事例も出てきている。今後は、ご指摘にあるように、経済面を含め、地元においてもメリットが見えるような形にしていかなければならないとは思っているが、現状では一定の評価をしてよいと考えている。


(2)収支計画について

例えば、瀬戸内トリエンナーレを例に挙げると、経済効果が事業予算の10倍以上、108千万円の予算で110億円の経済効果を生み落している。一方で、神戸ビエンナーレについては、約3億3000万の予算で約9億円の経済効果である。イベントそのものの魅力と、神戸のまちというインフラが活用しきれていないのではないかと悔しい思いである。違う手法を考えるべきではないか。開催することが目的となっていないか。

過去の資料によると、作品の応募総数がどんどん減ってきており、アーティスト側が神戸ビエンナーレに価値を見出していないのではないか。

最初の年が約4,900点、次が2,900点、前回は2,100点と、規模は大きくなっているかもしれないが、コンペティションの応募総数が減ってきている。内側からの視点と外側からの視点が変わってきているのではないか。

また、収支決算報告で入場料収入は、予算で6,000万円に対し決算は37,660千円で、大きく下回っている。有料である限りは、努力をする必要があるが、どのように予算をたてていたのか。またどのような努力してきたのかを伺いたい。

<大谷局長>
経済効果という9億円は、宿泊か日帰りか、一日いくら使ったかなどの来場者アンケートの平均値を当てはめて算出した額であり、正式には算出したことはない。それに主催者側が歳出した額が加わるので、そういった意味では数字は変わる。

コンペの応募者数については、ご指摘の通り減少しているのは事実だが、コンペの数は増加している。回数を重ねていくごとにどの程度の作品レベルが求められるかが浸透してきたのも原因の一つではないかと思う。

コンペティションの数については、ガイドブックに掲載しているとおり、2007年には4,897点であったが、その内、児童学生絵画展が非常に多くの割合を占める。子どもからの出展は2007年が3,299点であり、それを除くと1,598点、2009年は1,316点、2011年は1,371点と、それほど減少している訳ではない。

しかし、例えば「アートインコンテナ」という初回から行っているメインのコンペティションの数は、2011年は289点、2013年は138点と減少したが、一方で審査員の評価としては、作家もどういうものか分かってきており、誰もが出してきている訳ではなく、非常にレベルの高い作品が出展されているというご意見を頂いている。また、野外のしつらいアートについては、201143作品に対して、今年は63作品と増えている。

入場料収入については、神戸ビエンナーレ2011年の入場料収入については、その前の開催である神戸ビエンナーレ2009の来場者数164千人、決算額4,564万円を踏まえ、より内容を充実し目標来場者数を20万人と設定することで、予算額は6千万円と見積もった。しかしながら、ご指摘のとおり、決算額は3,766万円であった。入場料収入には、乗船券収入が含まれているが、会場のみの収入は、2011年は3,489万円、2009年は3,392万円と少し上回った。一方で、乗船券が2009年は1,172万円であったのに対し、2011年は276万円と前回収入の3割にも満たない結果となった。その要因としては、船が2009年は作品鑑賞の手段であったが、2011年は単なる会場の間の移動手段であったことが考えられる。

(要望)

子どもの応募総数が減ってきているということは、アートイベントとしてはハイレベルになってきていると言えるのかもしれないが、市民の参加を考えてみてもいいのではないか。一部の作家の自己満足として終わってしまっているのではないかとの懸念が多く聞かれる。

なぜかと言うと、例えばJTBやHISとの連携など、観光的な要素が取り込まれていない。瀬戸内ビエンナーレについてはJRにポスターが掲示されたりしているが、神戸ビエンナーレでは見たことがない。戦略的プロモーションをし、開催する価値を見出していただきたいと思う。

(3)公式ガイドブックについて

ガイドブックについて、本そのものの収支について伺いたい。

<廣瀬文化創生都市づくり担当部長>

ガイドブックは、瀬戸内国際芸術祭や愛知トリエンナーレなどにも携わっている美術出版社から出版しており、全国主要書店で販売されている。

2011年について、販売総数は11,300冊程で、決算の支出額は450万円で、収入額は138万円である。


(再質問)

どこまで編集に携わっているのか。ナビゲート役として矢田市長が登場されているが、選挙期間をまたいでのこのイベントに、引退を表明された矢田市長を載せていることについては、考えあってのことか。


<大谷局長>
 矢田市長は、イラストでナビゲータとして登場しているが、主催者である神戸市及び神戸ビエンナーレ組織委員会のイベントスタート時点の代表として登場しているものであり、問題ないと考えている。



神戸は、きっともっとずっと素敵になる。

神戸は、きっともっとずっと素敵になるメラメラ
神戸、第三の開港へ。
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