最近、ひきこもりがニュースの話題にのぼります。世の中何かおかしい。
過去記事再掲載
https://ameblo.jp/lovejapanmuch/entry-12180748796.html
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非常に有名な子育て本で「こどもへのまなざし」という本があります。福音館という左よりの出版社からでていますが、ロングセラーです。どこの図書館にもあるんじゃないでしょうか。
子どもへのまなざし (福音館の単行本)
1,350円
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ここから少し紹介します。
アメリカのテキサス州のティンバーローン精神医学研究財団という有名な精神衛生の研究所が1970年代に行った入念な家庭調査があります。
まず「不健康な家族」と「健康な家族」に分けます。
「不健康な家族」とは家族の中に重犯罪者がいるとか重い精神病患者がいるなど。どちらも全員の意見が一致するほど明らかな不健康な家族、健康な家族です。そして、認定されたあと調査に協力してもらえる家族だけを調査しました。
結果
不健康な家族: お父さんとお母さんの役割が、はっきりと分かれていなかった
健康な家族: お父さんとお母さんの役割が、明らかに区別されている
この調査は何故こうなったのか「一切わかりません」と非常にはっきり言っており、調査の結果こうなったという事実だけが淡々と報告されているそうです。余分な予測も解釈もないので一層真実味を帯びているということでしょう。
健康な家族
だれがイニシアチブを取るのかというと、ほとんど例外なくお父さんが一番、お母さんが二番というふうに、その序列がはっきりしています。そして、そのことに両親は合意し合っています。
家族間で意見が食い違うときは父親が決めるのです。父親が「こんなことはお父さんはどうでもいいよ」といった場合には、母親が決めています。だけど、家族同士の発言は自由なんですよ。なにか物事を決めるときに意見が違った場合には、裁定はこういう順序でということが、家族のなかでは、暗黙のうちに合意しているのです。
不健康な家族
家族のメンバー全体が平等だという家庭が多いようでした。
物事を決めるときに、誰かがイニシアチブを取るのではなくて、くじ引きで決めるといかいうような家庭です。そのときそのときで父親が有利になったり、母親が有利になったり、子供がイニシアチブをとったりしており、家族それぞれ意見が分かれたときなどは、親と子が自分の意見を通すために、あっちに味方したり、こっちについたり、家庭内の連合がころころ変わるというのです。
…さらに良くないケース
片方の親が子供たちと連合して、もう片方の親との間に境界線をつくって、自分の主張を通そうとしたりすること。
…最悪なケース
これは子供の育児にとって最悪になるというのです。そういう子の社会的不適応が、最も大きくなるともいっています。なぜそうなるかというのは、その調査報告ではなにもいっていません。調査の結果がこうだったということだけを報告しているのです。
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出典 「子育てのまなざし」より
上記の研究が非常に実感があるのは私の身近にこの例の通りの家族があり、今も辛い状況が続いているからです。私自身、10年以上も前になりますがこの本を読むまではだいぶ男女平等の考えにやられてましたので、目からウロコでした。この本が昭和的だと批判されている方は男女平等の病にかかっているのでしょう。
従来型のお父さん、お母さんの役割がしっかりしている家族がいいということがわかります。
最近のテレビは真逆を行ってるドラマなど、多いです。「「お父さんを立てる」なんて古い。」「個人主義の時代に古い考えはおかしい。自由を謳歌しよう。」「世間はそうだから~」「テレビでこう言っているから~」で本当に世の中が良くなるのでしょうか?自分の家族が良くなるのでしょうか?
夫婦喧嘩に子供を巻き込むことが最も良くないことです。
子供を味方につけて配偶者を攻撃することは(程度にもよりますが)子供の心に一生禍根を植え付けます。そのときだけは、多勢に無勢で勝った気になりますが将来後悔することになります。
時を経てその人は子供から同じような目に遭わされることになります。
喧嘩するなら子供の前では少し我慢して、子供がいないときに喧嘩するべきです。
上記のティンバーローン精神医学研究財団の調査、
「この統計自体が、恣意的になされていないと言い切れますか?」と聞かれたので本の該当個所(調査方法)を引用します。読んだ人が判断して下さい。
アメリカのテキサス州のヒューストンに、ティンバーローン精神医学医学研究財団という、有名な精神衛生の研究所があります。そこで1970年代の後半だと思うのですけれど、三年間じつに入念な家族調査をおこないました。彼らは「健康な家族と不健康な家族」という言い方をしていましたが、健康な家族と不健康な家族、子どもの養育に成功した家族と失敗した家族の特徴、さらに、健康な家庭にはどういう要素があり、不健康な家庭には、どういう要素があるかを調べました。
まず、調査対象の家族を選別するために、健康と不健康をどう定義するかということで、彼らのなかで、ずいぶん議論がありましたが、最終的には健康、不健康の定義はできませんでした。そこで、どうしたかといいますご、かなり多くの家族について検討して、研究員が全員一致で「何さんという家族は健康だ」ということが承認されないかぎり、その家庭を健康と認定しないということがきまりました。
それから同じように、全員が一致して「何さんの家族は不健康だ」と承認された家族だけを不健康と認定しました。非常に多くの家庭では、研究員の意見が分かれたそうです。そういう場合には、健康とも不健康とも認定しないで、調査の対象にしませんでした。そういう意味では、選別のしかたは非常に簡単なものでした。
そして、どういう家族を不健康な家族にするかというと、たとえば、家族のなかに窃盗犯がいるとか、麻薬常習者がいるとか、殺人犯がいるとか、重い精神障害の人がいるとか、だれがみても、はっきりと「何さんの家族は精神的に不健康なんだ」と、研究員の全員が一致した場合にしか、不健康な家族と呼ばれないわけです。
ある人からみれば健康だ、だけど、ある人からは健康とはいえないというふうに、意見が分かれた家族うの場合にはやはり調査の対象にはしませんでした。しかも、そういうふうにどちらかに認定したあとに、自分たちの調査に協力してもらえる家族だけを、さらに調査をしていったのです。そいういう意味では、非常にラジカルな研究です。そうしましたら、いろいろな特徴がわかってきました。
不健康な家族に共通していることは、お父さんとお母さんの役割が、はっきりと分かれていなかったということです。そして、お父さんとお母さんの役割が、明らかに区別されている家族のほうが健康だったそうです。どうして、そいういう特徴があらわれたかについては、一切なにもいっておりません。調査研究の結果、こういう事実がでましたということだけをいっているんですね。
それに、この調査は北米大陸のアメリカとカナダの、白人の家族だけを対象にしました。しかも、中流の家族だけを調査の対象にしましたから、他の国の、他の人種の、他の階層の家族だったら、どうなるのかは「一切わかりません」と、非常にはっきりいっているんですね。たまたま自分たちはこういう定義で、こういう家族にこういう調査をしたら、こういう結果がありましたということだけを、淡々と報告した研究です。余分な予測も解釈もしていませんから、私はよけい真実感が大きいと思いましたね。
略
なぜこうなるかというのは、その調査報告ではなにもいっていません。調査の結果がこうだったということだけを報告しているのです。この研究が家族療法の領域に与えた影響ははかり知れなく大きなものでした。
出典 子どもへのまなざし