十分な睡眠
と十分なお酒
で、
小藤次さんのつやつやで瑞々しいお顔![]()
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本日は、久慈屋さんでお仕事です。
すると大番頭の観右衛門さんが、
「まずは私と一緒に朝餉をいかがですかな。ちと話もございます。」
と言いました。
涼しいので小舟の上で仕事をするつもりだという小藤次さんを誘い、台所へ向かいます。
まずは女中のおまつさんがいれてくれた熱めのお茶と梅干で喉を潤します![]()
店開きの仕度を終えた奉公人さんたちが朝餉を食べ始めておりました![]()
「お話とはなんでござろうか。」
観右衛門さんのお話とは、芝居へのお招きのお話でした。
市村座の座元とお隣の足袋問屋京屋喜平の菊蔵さんが久慈屋へ来て、
ぜひとも盆芝居にお招きしたいので、
曲げてご来場願いたいと丁重なご挨拶だったとか。
「大和屋の五代目」こと立女形の五代目岩井半四郎さんも
首を長くして小藤次さんの見物を待っているご様子。
この五代目は「美貌
愛嬌
華麗
」三拍子揃った名女形で
「眼千両」と評されております![]()
小藤次さんは以前、京屋さんで五代目と会っており、
その時直に芝居見物に招かれておりました。
しかし小藤次さん、「芝居見物など無縁の世界」と
再三のお招きを断っておりました。
これ、かなりもったいないお話。女中のおまつさんなんか、
「赤目様が行かれないのは勝手ですよ。
ならその話、僭越ながらこのおまつが受けます。」
と言い出しましたが、菊蔵さんに
「五代目のお目当ては赤目様、おまつさんでは代役は務まりませんよ。」
と一蹴されちゃいました![]()
「困り申した。」
「杜若半四郎様から芝居見物を誘われて困ったと言われるのは、
赤目様をおいてほかにはおられませんよ。」
「杜若とは五代目の異名ですか。」
五代目は杜若(とじゃく)半四郎という粋な呼び名もあるようです。
「女衆なればこのような誘いがあれば有頂天になられるものを、
赤目様には眼千両の誘いも猫に小判ですかな。」
「大番頭どの、女衆なれば岩井半四郎様の誘いを喜ばれますか。」
「それはそうですよ。」
ん?小藤次さん何やら考え込んでおります。もしかして…![]()
「大番頭どの、それがし一人ではちと心許ない。一人同道しても構いませぬか。」
おっ
やっぱり
観右衛門さんも気がついたようです。
「おおっ、これはうってつけのお方を忘れておった。
北村おりょう様を同道なさるおつもりですな。」
やっぱりおりょうさんをお誘いするのですね![]()
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小藤次さん、観右衛門さんの勧めもあり、仕事をお休みして
早速おりょうさんにお返事を聞きに行くことにしました。
次回へ続く![]()

