最近は個人的に深くお話を聞かせていただく機会が多くあり、

自分も含め、自己の内側に起こっている現実と外の世界との現実を共有し、それらを客観的に扱う機会もいただきました。

 

無意識に自分の中で常に聞こえている自分との会話。

自己という個としての器の私の境界の壁にぶつかって内側に響いてくる内的対話は起きている間中交わされている。

 

常に自分の信念が自分をジャッジしていて、肯定感が低い人間にとってはたまったものではない。

 

自分に優しくないそれらの会話を目が覚めている間中、常に内側で毎日やっている。

どんなことを思っているなんて、いちいち書き出したりはしないからそれらは透明になっていて取り上げなければ、どんなことを自分に言っているかも気づきもしない。

 

しかし、それらの会話は連続性のわたしの日常に現実として認識されている。


内側にある時は他者の声のように投影された誰かの声として聞こえるその声は、

外側に発しているだけではまだ”自分の真実だと信じているもの”に過ぎないものが、

それをリフレクションしてもらうことで初めて自己との分離が起こる。

 

その内なる会話は客観性を伴い、他者の声と思っていたものは実は自分自身の内側の自己否定の信念からやってきているものだということに気づく。

 

自分を攻撃したり、非難している声だったことに気づく。


それは時に幼いころに言われた親の言葉だったり、自分の不快な経験の登場人物の声だったりする。

 

 

統合失調症の症状をその起こっている現実を話してもらうと自己という器の境界の壁の中で何が起こっているのかを垣間見ることができる。


自己という境界の厚い壁にぶつかった自己否定の攻撃性が壁にぶつかって内側に向かってハウリングするように幻聴、幻覚が狭い壁の内側で世界を創り出す。

そんな症状に効果的なツールにオープンダイアローグという対話方式がある。



 

1980年代に開発された精神疾患に対する治療方法です。フィンランドのユヴァスキュラ大学のヤーコ・セイックラ教授らが中心となり、実績を通じた試行錯誤を経て、対話による精神疾患の治療方法として確立され、最近ではその信頼すべき成果から医療にとどまらず、場づくりの意見交換や組織での会議などでもツールとして取り入れられている。

 

個人の内的世界をその場に参加する関係者(多音声な対話)を使って、外側の世界と自分の内側をつなぎ直すことで、社会と自分がつながる架け橋をつなぐといった技法。

 

これらのツールを使って、わたしという個である自分の壁を越えて自分を知る、自分に取り組むという当事者研究が今、話題を呼んでいる。

外側にある対人関係、問題を使って内側のパーツとなる登場人物と対話しながら自分と和解し、チームとして協力して自分の人生に歓びと平和を取り戻す。

このパーツ(内なるチームメイト)について、統合の手助けをしてくれるもののひとつにIFS(内的家族システム療法)というものがある。

IFS(インナーファミリーシステム)は、家族療法士である米国のリチャード・シュワルツ氏が開発した、40年近い歴史を持つ、トラウマ治療を得意とする画期的な心理療法です。

 

”私たちの心は、沢山の副人格(パーツ)が集まってできたシステムである”

 

IFSが他の心理療法と異なる特徴は、

①人の心は、多数の副人格(サブパーソナリティー、パーツ)の集合体である

②システム思考を取り入れている 

③「Self(セルフ)」という、すべての人の中にある、パーツとは異なるマインドフルな視点を持った意識が、癒しのリソースとなる 

④一般的には、病的と捉えられる心理的な状態も、パーツのアクティビティと考え、病理的な捉え方をしない

などが挙げられます。

 

IFSでは、クライアントのSelf(セルフ)とパーツの関係性を育んでいくことにより、内なる調和を導き、セルフ・コンパッション (自分自身への慈悲)を高め、心理面および健康面などの様々な問題解決や、自己成長を促していきます。

 

IFSの適用範囲は広く、心理臨床以外にも、教育、自己表現、カップルセラピー、霊的な成長、様々な対立の解消、社会運動など、多岐な分野で取り入れられています。

 

また、実際の家族関係をもとに自分と家族との対話を代理人を立てて関係を変容させ自分への愛へと戻っていくファミリーコンステレーション(家族の座)という心理療法がある。


※ファミリーコンステレーションとは
ドイツ人セラピスト、バート・ヘリンガーによるファミリー・コンステレーションは、アメリカのソーシャルワーカーであったヴァージニア・サティアが構築した家族心理療法の可能性を大きく広げた。

 

自分の問題、自分の苦しみと思っていたことを、家族の全体(システム)や、自分という存在を構成している要素全体という観点から見直すことを可能にする方法です。自分の問題と、自分自身との間に距離を生み出し、その問題から歩み出す力を自らの内側に見つけ出す方法。

 

自分の問題と思っていたことについて、家族全体(システム)や、自分を構成している要素の代理を第三者にしてもらうことで、自分と問題との事実関係、前後関係を冷静に、客観的にとらえ直すことを容易にします。

 

ファミリー・コンステレーションを通して問題の背後に何があったのか、その再現された現場を自分自身の目で見て、感じ取ることで、それまで問題として見えていたものが、意識の深層においては隠れた愛の表明であったり、親を守ろうと自分を犠牲にすることもいとわない純粋な思いであったりと、全く別の様相を表します。

NVCの合宿でのサイコドラマややアメリカの脳科学とNVCそしてファミリーコンステレーションのファシリテーターであるサラ・ペイトンによる(サラの話し方が大好き💗)

 

 

そのオンライン講座に参加して体験させてもらった葛藤から変容へのその家族エネルギーの変容の有様はまさしく圧巻でした。

脳に無意識に刷り込まれた信念が自己受容と共感を伴い愛に変容する。


オープンダイアローグにしてもNVCにしてもファミリーコンステレーションにしても(ほかにもいろいろな経験や体験を通して)、それらの共通するところはすべては愛に源に還る体験だということ。

 

そもそもはこの宇宙には愛しかないのだけれど、宇宙から体という器をもらって個として分離した我々はこの地球でもう一度、眼鏡をはずして愛(全体性)に還る人生を体験している。

それらは他者との関係性を使って、決して快ばかりではない痛みの経験を使って私たちが命がけでやっているこれらの経験はすべて、源へと還るいのちの表現。

 

深遠で美しい地球の自然と同じように私たちの存在をこの世界に可視化して見せてくれる愛のカタチ。

そんな自己との対話、内なる世界と外の世界をつなぎなおすオープンダイアログの可能性をご一緒に体験してみませんか?