「いや、メンマだけは覚えてるんだよ」
「いきなり何の話してんだよ」
「夢の話に決まってんだろ」
「夢の話に決まってねぇだろ、メンマと言われればラーメンのが決まってんだろ」
「それにしても夢って不思議だよなぁ、目が覚めると9割忘れていても1割から手繰っていくと思い出せたりするんだから」
「あぁ〜、確かにそれはそうだね。何、じゃあメンマから手繰り寄せていける?」
「うーん、確かカタカナ4文字のテレビがあって〜」
「いいねいいね、あって?」
「んで母ちゃんのおっぱいをトントンしてたな」
「ほぉ〜、母ちゃんのおっぱいをトントン…」
「そん時母ちゃん寝てたんだけどね、子供を寝かしつけるみたいにトントンしてたんだよ」
「なるほどテレビがあって、母ちゃんのおっぱいをトントンして、そういやメンマは?」
「メンマはね、ジップロックに入ってるのが4つくらいあって〜」
「メンマなんてなんぼあってもいいですからね」
「それ人のネタや、やめとけ。で穂先メンマと、自家製と、スタンダードともう一個は思い出せそうにないな」
「ほう、そんでそんで?」
「隣の部屋でそのメンマ3つお皿に結構な量盛られてて、男性が2.3人団欒してたかなぁ」
「うーわたまらん、ビール片手にメンマなんて優勝やないすか」
「確か金属バットの二人がいたと思うんだよね」
「友保と小林?そらたばこ吸ってる事間違いなしやんけ」
「いや、たばこは吸ってなかった」
「おい、お前愛煙家だろうが。そこは吸ってなあきまへんやろ」
「まぁまぁ、あっ思い出した!」
「おぉっ、何何聞かせてや」
「ちょっとしっかりめのミーアキャットみたいなのを暖める夢を見たんよ」
「なんやねんそのオチ」
「「どうも、ありがとうございましたー」」
やっぱり夢も記憶に関連しているんだな、なんて思った。
記憶の整理なんて言われたりするけれど記憶から生成された支離滅裂な夢を思い出せる、どんな整理をしている事やら。
でもすごく癒される夢だったんだ。
なんで癒されるのか、起きた瞬間にはさっぱり忘れてしまっていたけれど、ミーアキャットみたいなのがとてもリラックスしていて可愛くて仕方なかった。
実家に犬が居るのだが、犬は素直でいいよね。
どうして欲しいのか、伝えることはできないけれどなんとなく伝えてくれるし。
それそれぇ!って伝えてくれる。
人間より余っ程可愛げがあるよ、全く。