こないだの「機内食について」の記事ですが、
皆様にショックを与えてしまったようですみません(:-:)
私たち乗務員は、そういったものを月に20回、何十年間も
食べ続けてますが何も体に異常はないので、きっと
無害なのだと思います。なので、これからも機内食を
どうぞ楽しみにしてください♪
さて、今回はまたまた機内食の話です。
その日、私はビジネスクラスの担当。ビジネスクラスの
約70人分のお食事のオーダーを離陸前にとりはじめます。
チョイスは、和食か洋食のビーフかチキンかサーモン。
4種類の中から選んでもらいます。
70人の内訳は、アメリカ人約40人、日本人20人、その他の国籍
10人ぐらいでした。その日は何故か、アメリカ人のお客さんも
「和食で」と言う・・・・
そんなんしたら、和食なくなるやんか・・・(:0:)
案の定、半分しか取り終えてないうちに和食がなくなった。
うちの会社は貧乏だから、いくら会社にレポートをあげても
和食をお客様総数の50%しか搭載してくれない。(これまた
内緒の話だが、和食の方が洋食より1000円ほど高いらしい)
ちなみに和食は事前予約ができる。事前予約の時には、その
分だけ50%から数が増える。よく当社を利用する人は和食が
なくなるのを知ってるから大体予約を入れといてくれるのである。
やばい・・・・日本人の人にまだ聞いてないのに和食
なくなってもうた(@-@)
ドキドキしながら日本人のおじさんの席へ・・・・
「○○様、お食事なんですが」
と私が話し出すのと同時に、その人は言った。
「和食で!」
「申し訳ございません、○○様。和食なんですがもう全部
出てしまいまして・・・洋食のチキンにはご飯がついております
がいかがでしょうか?」
「は?和食ないの?なんで?」
「お恥かしいお話ですが、和食の搭載数が少ないので・・・」
「和食しか食わん!なにが無いや!ビジネスに座ってて、
チョイスがないなんか聞いたことないわ!J○Lやら色々
乗ってるけどなあ!」
「では、和食を取られたお客様に今から、譲っていただけ
ないか聞いて参ります。申し訳ございません。」
ここからは、私の一番キライな仕事である。大体の人がイヤな顔をして
私を虫けらみたいに眺め、「イヤです!」と言うのだ。その日も例外なく、
和食をとった35名は口々にこう言った。
「イヤです。」
「は?なんでなくなるの?それで、なんで私に聞くんですか?」
「なくなるのは、そっちの勝手やろ!?」
「・・・・」←黙ってイヤそうに手を振るだけの人。
さて・・・どうする??(:-:)
パーサーに相談して、空港でしか使えないちょっとした額のお食事券を
もらった。
「申し訳ございません、お客様。皆様に申し上げましたが、
どなたも変更していただけない・・ということでございました。
こちら、空港でお使いいただけるお食事券でございます。
もしよかったら、お使いください。それでお食事なのですが・・」
「だから~、和食もってこいって言うてんねん!和食!こんなん
いらんねん!」
そう言って、お食事券を私に投げつけた。
「すみません(:0:)和食、無いんですが、お味噌汁とご飯は
余分がございます。洋食にそちらをお付けするということで
ご了承いただけませんか?」
「は?それが和食か?おまえ!!ビジネス乗ってご飯も選ばれ
へんなんか聞いたことないぞ!ほんで、なんでオレからオーダー
とらんの?なんであっちから取るねんなっ!」
・・・・・マイレージクラブの位の高い人が、あっちに座ってる
からです。。。。。
「不公平やろ?思わんか?」
「おっしゃる通りです。申し訳ございません。このことは
会社に報告させていただきます。」
「いや、申し訳ございません、ちゃうねんっ。そんなとこ座ってんと、
はよ和食持ってきてやっ。」
「あの~恐れ入ります・・・・今回は、ちょっと・・・あの・・・・(:-:)」
「洋食いらんねんっ。お前、名前なんや?会社に投書したるわ。
いややったら、俺が満足いくようになんかせえや。和食、オレとこ
持ってくるんが簡単やろって言うてるんやっ!はよせんかいっ!」
私は、悲しくなって涙がでてきた。一旦席を離れ、パーサーに相談することにした。
「OK。私が洋食の中から選ばせるわ!あなたが日本人だから、
向こうは強く出るの!そんなに和食が欲しかったら、事前予約
しろ~!!って言ってきてあげるからね!」
ギャレーからそ~っと様子を見ていた。
おっさんは、こともあろうか、パーサーに笑顔で接している。。。。
「お~ ok、ok。」
パーサーが言う言葉に、うなづいてOKを繰り返している。
なんや?
「ビーフ食べるねんて。あの人、英語わかってないと思うけど、
次からは和食、予約するように言っといたから。」
その後、おっさんはビーフを、皿を舐めるぐらいにキレイに食べていた。
食べんねんやん・・・(*-*)
それから10時間ほど経過し、着陸前、しょうがなしにそのおっさんの
ところに行った。帰りの便でまた同じ様なことがあったら、その時の
スッチーが可哀想だからである。
「よければ、お帰りの便の和食のご予約お伺いしますが
いかがでしょうか?」
「おう。○日。帰りは成田。」
滞在先のホテルから、うちの会社の予約課に電話した。
「お忙しいところ、恐れ入ります。乗務員の者ですが、
お一人のお客様の和食のご予約、入れていただいて
いいですか?お名前が、○○様、帰りの便は・・・です。」
「あの~、こちらのお客様、今日たぶん、アップグレードされた
んじゃないですか?」
「は?」
「往復分、エコノミークラスのチケットですけど。エコは、和食ありませんから。
じゃあ、いいですね?失礼します。」
やられた~~~~~(:-:)
くやし涙が出た。。。。