愛の話 | 新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~

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空の上のおもしろい話、つつみ隠さずぶっちゃけます♪

ただいまです♪私、昨日アジア滞在中に食中毒になってしまい、

昨日、記事がかけなかったのです。シーフード一式を食べた

のです・・・(@-@)


コメント、超楽しみに帰ってきました。みんな色んな意見が

おありで、すごくおもしろいです♪ありがとうございます☆

お返事、遅いですが必ずします♪


さて、ちょっと前にこんなことがありました。


私は、その日2階にあるビジネスクラスの担当。2階には

コクピットがあります。


       「今日、2階を担当する○○です。」

「はーい。よろしくね♪」


ブロンドの長い美しい髪をなびかせて振り返った機長に、驚き、

苦笑いを浮かべてしまった。


    お・・・女やと思ってたけど・・・男やん、この人。


彼(彼女)は、後ろから見ると確実に女性だった。お化粧だって

してたし、たぶん「付けまつげ」も付けていた。けど・・・・そのお化粧が

ビックリするぐらいヘタやった。


    この人は・・・最近女性になったから、お化粧の仕方が

    ヘタなんやろうか??


フライトが始まった。もうひとりの2階担当の乗務員に、聞いてみる

ことにした。


     「ねえ、ねえ、今日の機長見た?」


「ああ、女になった人?」


     「そうそう、あの人、どしたん?お化粧ものすごいグチャグチャ

     やし、男なことバレバレやけど。」


「うーん、前に私が見たときはもっとキレイにしてたけど。

あの人、子供いる人やん。覚えてない?」


      「えええ・・・・・子供いるん?」


「そうよ、あの人、昔よくアジアに飛んでた人やん。知らない?きっと、

会ったことあるはずよ、いつも子供の写真見せてくる人!」


     あああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

     知ってる・・・・・・


彼(彼女)は、確かに昔3年ほど前、よくアジアに飛んできていた。

乗ってくるたびに、みんなに写真を見せていた。


「子供の写真見る?このおっきな方は、バレエに夢中な女の子。

このちっちゃな方は、野球に夢中な男の子なんだよ。僕は、家にいるときは

この子達の世話で大変なのさ。」


と、とっても子煩悩なパパだった。


      「そっかー、あの機長さんか・・・なんでまた、女になっちゃったん?」


「色んな噂があって、私にもどれが本当なのかわからないのよ。

例えば、アジアで他の機長にゲイバーに連れて行かれて、味を

覚えてしまったとか、コクピット内で他のゲイの機長に迫られて

はまってしまった、とか、自分の国でゲイに声をかけられた、とか

もともとゲイだったから子供が10歳になったら女になろうと思ってた

・・・とかね。そんなに気になるんなら、聞いてきたら?あなたは、

日本人だから、屈託無く教えてくれるかもよ。」


好奇心旺盛の私は、機長さん用のお食事を持って聞きに行くことにした。


       「お食事、お持ちしました。」


「はい♪ありがと~~♪うふ♪」


ちょっと一緒にコーヒーを飲みながら、お話し、会話のテンポが

つかめたころ、「でさあ・・・・・」と切り出した。


       「あのね、さっき思い出したんだけど、あなたはいつも子供の写真

       見せてた人でしょう?ひとりはバレエしてて、もうひとりは・・」


「あら、よく覚えてたわね。っていうか、こんなに自分では変わった

つもりだったのに・・・」


       「や、変わったけど。今日はお化粧が薄いし。」

「ああ、今日はね。空港に子供達と前の奥さんが来てるから

着陸前には化粧を取るのよ♪」

        「ねえ、なんで女性になったの?」


「・・・・・・・・・・」


        「や・・・あの・・・・答えたくなかったら全然いいよ。」


「違うのよ、その質問、そんなストレートにされたの初めて

だったから。」


        「あ、ごめん。」


「いえ、聞いてくれて全然いいのよ。」

と言って彼(彼女)は話始めた。子供が10歳になったときに

奥さんに実はレズビアンだと打ち明けられたらしい。彼は、自暴自棄

になり、自分もゲイバーに行ってみた。そこで泣いていたら、

ひとりの女性が寄ってきた。彼は、その女性に悩みを打ち明けた

そしたらその女性がなんと、自分の奥さんと前に付き合っていた

という。「あなたが、化粧をして女らしくなったら、彼女はまた君の

ことを愛してくれると思う。君たちが結婚する前、ふざけて彼女に

お化粧されたことがあるでしょ?その時、そのあなたに惚れ直したらしい。

彼女はあなたとの結婚をその時に決めたらしいわよ。」


「でね、奥さんに離婚をせがまれたから、離婚はしたけど、

私は彼女と子供を愛してるのよ。だから、女になろうと思った。

また家族で一緒に住めるなら、私が女になることなんて、

大きなことではないと思ってね。」


私の目は感動で涙があふれていた。彼(彼女)もまた涙をこらえて

必死に笑っていた。


      「すごいね。すごい愛だね。」


「だんだん、彼女も私の努力を認めてくれだしたのよ。今日だって、

お化粧を取ったあなたと会いたいわ”って言ってくれたの。でも、

なんだかもう、お化粧しないと外に出るのが恥かしくなっちゃって・・・

薄化粧はしてきたの。」

そう言って彼(彼女)は涙を浮かべながら照れていた。


コクピットからでたら、好奇心いっぱいの乗務員達が、私の話を聞こうと

待っていた。


「どうやった??聞いた?なんて言ってた?っていうか、

なんで泣いてるん??」


私は、「教えてくれなかった。」と答えた。


「じゃあ、なんで泣いてるん?」


    「彼(彼女)の友達の、感動する話を聞いたから。すごい

    愛の話。」


「ふ~ん。そう。」


乗務員達は、おもしろくなさそうに下の階に降りて行った。


飛行機が着陸した。私は例の機長より少し遅くに到着ロビーに

着いた。到着ロビーで、家族と一緒にいる彼(彼女)を見つけた。

子供達のあふれんばかりの笑顔の横に、前の奥さんと彼(彼女)の

はにかむような笑顔があった。