スピンオフ編~群馬県前橋市・官民が協力して建てた和風建築物『臨江閣』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

群馬県前橋市の

『臨江閣』です。

 

最寄駅は

上毛電気鉄道上毛線の

『中央前橋』。

 

駅から徒歩20分

『楽歩堂前橋公園』内にある

近代和風建築物です。

 

本館、別館、茶室からなり

それぞれが国の重要文化財に指定されています。

 

内部の見学は別館から入ります。

 

1910(明治43)年に開催された

『一府十四県連合共進会』の貴賓館として

同年8月に竣工しました。

 

こちらが本館ですが

この玄関からの入館はできません。

 

1884(明治17)年

群馬県令の楫取素彦の提言により

初代前橋市長の下村善太郎が土地を提供し

地元の有志や企業の寄付により

迎賓館として建てられました。

 

別館に入りましたら

長い渡り廊下を通り本館へ向かいます。

 

木造二階建入母屋造りで

1階に6部屋、2階に3部屋の和室があります。

 

入口から4室が連らなり

手前から

控えの間、三の間、次の間、一の間。

 

建設当初は

廊下にガラス戸はなく

障子と雨戸だけだったそうです。

 

1908(明治41)年

皇太子(後の大正天皇)の滞在に際し

現在のガラス戸が入れられました。

 

こちらは一の間

床の間が並列ではなく

西北隅に矩折り(かねおり)に

付けられています。

 

これは

南西方向の利根川の景色を

眺めることを考えたものだそうです。

 

また

一見すると普通の和室ですが

畳を上げると能舞台として使用できる構造で

床下には音響効果を狙った5つの大きな甕が

口を上にして埋め込まれていたそうです。

 

2階へ続く階段

瀟洒な造りではありませんが

手摺に素敵な意匠が施されています。

 

2階には

20畳の次の間

12畳半の一の間

3畳の控えの間があります。

 

一の間は

明治天皇、大正天皇の行幸の際に

御座所として使われました。

 

2階の縁側からは

別館へとつながる渡り廊下が見えます。

 

渡り廊下の中ほど下には

建物の左右を繋ぐ通路がありますが

見学者が立ち入ることはできません。

 

別館に戻ると

玄関の右側に60畳の洋間があり

見学者の休憩スペースも兼ねています。

 

別館1階には

中廊下を挟み5つの和室があり

貸出もされています。

 

一番手前の第1和室は

書院造りになっていて

脇床の天袋も地袋も金貼りになっています。

 

2階へ続く階段は

本館のそれよりも豪勢な感じです。

 

2階は大広間1部屋だけになっています。

 

畳敷150畳、板張30畳、計180畳

柱のない大きな空間で

詩人の萩原朔太郎の結婚式でも使われました。

 

上座には床の間が付けられています。

 

中央に大きな床の間

その両脇に左右対称の脇床を設けると言う

珍しい造りになっています。

 

床の間の反対側には30畳の板張があり

舞台として使われています。

 

柱のない180畳の大空間を実現しているのは

『張弦梁』という工法です。

 

『ちょうげんばり』と読み

長い床梁の両側に太い鉄筋を添わせ

床の荷重によって下に湾曲しようとする力に対して

鉄筋が引っ張り合う力で抵抗し

梁を支えているとのことです。

 

とても丁寧な説明ですが

文系人間にはさっぱり理解できません。

 

本館、別館とは別棟に

京都の宮大工・今井源兵衛の手による

茶室があります。

 

本館建設にあたり

地元有志が惜しみない協力をしたことに

心を動かされた県令楫取素彦を始めとする

県庁職員の募金により建設され

本館竣工の2か月後に完成しました。

 

茶室の門をくぐると直ぐに

手水が設けられています。

 

茶室に近づくと

蹲らしきものもあります。

 

茶室には2つの部屋があり

こちらは4畳半の茶室です。

 

残念ながら

室内に入ることはできません。

 

こちらは8畳の書院。

 

床の間の掛軸には

『畊堂(こうどう)』と書かれています。

 

もともとこの茶室には

特別な席名は掲げられていませんでしたが

2008(平成20)年に

前橋市と高崎市で開催された

『第25回全国都市緑化フェア』の際に

楫取素彦の号だった『畊堂』と命名されました。

 

官民が協力して建設した『臨江閣』

140年の年月を経た現在でも

前橋市民に愛されているようです。

 

臨江閣

群馬県前橋市大手町3-15

027-231-5792

9:00ー17:00

月曜日及び年末年始休み

入館無料

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。The Knackの『My Shrona』です。