スピンオフ編~群馬県高崎市・縁起達磨発祥の寺『達磨寺』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

群馬県高崎市の『達磨寺』です。

 

最寄駅は

JR信越本線『群馬八幡』駅ですが

徒歩で20~30分掛かります。

 

『高崎』駅からの場合には

西口の4番バス乗り場から

ぐるりんバス少林寺線に乗車し

『少林山入口』で下車します。

 

ただし1時間に1~2本の運行

14時台には1本もありません。

 

高崎駅を出て高崎駅に戻る市内循環路線で

2つのコースがあり

どちらも『少林山入口』に停車しますが

大幅に所要時間が異なります

・・・往路の最短22分、最長57分

復路は最短29分、最長63分。

 

バス停から坂道を徒歩5分

『少林山達磨寺』と刻まれた

立派な寺標が現れます。

 

しかし

山門が見当たりません

・・・参詣順路を間違えた?

 

いずれにしても

境内にはつながっていますので

不信心者は気にせず進みます。

 

1697(元禄10)年

前橋藩5代藩主酒井忠挙が

前橋城の裏鬼門を護る祈願寺として創建し

『少林山鳳台院達磨寺』と称しました。

 

当初は曹洞宗の寺院でしたが

明治時代に入り黄檗宗に改まりました。

 

境内に入り

まず目に入るのがこの『大講堂』。

 

達磨大師を本尊に祀り

禅を通じて人格教育を行う道場です。

 

一般の人間も禅生活を体験する

研修の場として利用できますが

私は断られそうなのでスルーしました。

 

私がこの寺に来た主たる目的は

この建物の見学でした。

 

日本の工芸デザインやモダニズム建築に

多大な影響を残したドイツ人建築家

ブルーノ・タウト(1880.05.04-1938.12.24)が

1934(昭和9)年8月から2年3か月を

妻のエリカとともに住んだ『洗心亭』です。

 

常時開放ではなく

見学希望者は寺務所に申し出ます。

 

ところがなんと

この日は寺側の事情で

見学不可になっていました。

 

タウト夫妻が住んだ

2間だけの質素な家屋を観たかっただけに

残念でなりませんでした。

 

残念ですが

駄目なものは駄目

気持ちを取り直して境内を散策します。

 

『洗心亭』のすぐ脇に

小さな祠があります。

 

『薬師塚』という名で

薬師如来の石像が安置されています。

 

大講堂の辺りに戻ると

斜面を利用した素晴らしい庭があります。

 

庭の横には

丘の上に続く階段があります。

 

参道の両側には玄武燈籠

その奥には手水舎があります。

 

玄武とは中国の神話に登場する霊獣で

四神の一つとして北方を守護します。

 

亀蛇合体像が一般的ですが

この玄武は経年劣化で

亀も蛇も判別できません。

 

手水舎の裏手に何気なく置かれた石

『だるまいし』と言うそうです

・・・何となくだるまさんのように見えます。

 

階段を上った先にあるのは

『霊符堂』と呼ばれる本堂です。

 

北斗星を神格化した北辰鎮宅霊符尊と

達磨大師、開山心越禅師が祀られています。

 

本堂には

沢山の縁起だるまが置かれています。

 

高崎市は

縁起だるまで有名ですが

『少林山達磨寺』が発祥の地なのです。

 

9代目の東嶽和尚が

『天明の大飢饉』(1783-1789年)によって

窮乏した村人を救うため

開山心越禅師が描いた

『一筆だるま坐禅像』をもとに木型を彫り

張り子だるまの作り方を農民に伝授しました。

 

これが

正月の七草大祭の縁日で

掛け声勇ましく売られるようになったのが

縁起だるまの始まりだそうです。

 

絵馬もだるまの意匠になっています。

 

『霊符堂』で興味深かったのは木鼻です。

 

モチーフは獅子で

虹梁側から見ると普通に見えますが・・・。

 

向拝側から見ると平面的で

ほとんど立体感を感じられません。

 

『霊符堂』の下にあるのは

『観音堂』です。

 

創建当時からの最古の建物で

近郊では唯一の茅葺のお堂として知られています。

 

本尊は十一面観音菩薩で

古来より子授け、子育て、安産に

あらたかな霊験があるとされています。

 

『観音堂』から下る坂には

沢山の石碑が建ち並ぶ

不思議な光景が広がっています。

 

これらの全てが庚申塚です。

 

庚申塚は

中国より伝来した道教に由来した

庚申信仰に基づいて建てられた石塔で

一般的には庚申信仰を

3年18回信仰した記念に建立されます。

 

各地の寺社仏閣に見られますが

このようにたくさんの庚申塚が建ち並ぶのは稀有で

私も初めて見ました。

 

坂を下り再び『大講堂』に戻りますと

宙に浮く回廊があります。

 

近付いてみると

回廊の中央に鐘が吊り下げられています。

 

『招福の鐘』と呼ばれる鐘楼で

9:00~17:00には

誰でも撞くことができます。

 

鐘楼の回廊の下には

急で長い階段があります。

 

階段を下り切ったところには

『少林山』の扁額が掲げられて山門がありました。

 

こちらが総門で表参道

やはり不信心者は順路を間違えていました

・・・後悔先に立たず

まあ良しとしましょう。


総門の屋根には

何体かの飾り瓦が施されています。

 

特に印象的だったのは狛犬

ユーモラスな表情が何とも言えません。

 

総門とバス通りの間には神橋があり

結界が張られています

・・・やはりこちらから参詣すべきだったのかも。

 

大変失礼な話ではありますが

ブルーノ・タウトが住まわれた

『洗心亭』が主たる目的で

寺院にはさほど興味がありませんでしたが

実際に参詣すると

縁起だるまの由縁なども知ることができ

とても興味深いものが多々ありました。

 

少林山鳳台院達磨寺

群馬県高崎市鼻高町296

027-322-8800

参拝時間 9:00-17:00

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Eric Carmenの『Hungry Eyes』です。