スピンオフ編~栃木県宇都宮市・豪商が残した蔵造りの建造物『旧篠原家住宅』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

栃木県宇都宮市の

『旧篠原家住宅』です。

 

最寄駅は

JR東北本線、東北新幹線

宇都宮線、日光線、烏山線の『宇都宮』。

 

駅から徒歩5分

江戸時代以来の豪商篠原家が

1895(明治28)年に建てた建物で

国の指定重要文化財です。

 

店舗部分と住居部分を一体化した蔵造りで

2階の外壁は黒漆喰塗り

1階外部の側面を大谷石貼りにするという

この地方独特の様式になっています。

 

内部に入ると

直ぐ左側に帳場があります。

 

篠原家は

江戸時代から第二次世界大戦前まで

醤油醸造業と肥料商を営んでおり

宇都宮でも有力な商家の一つでした。

 

醤油と肥料の大福帳

五玉の算盤など

往時のままで残されています。

 

これが何だかお分かりになりますか?

 

売り上げた代金を

奥の斜面の部分に入れ

手前部分にある錠を開けない限り

取り出せない仕組みになった

いわば簡易の金庫です。

 

帳場の後には立派な神棚

商人の信仰心は篤かったようです

・・・私と大違い。

 

印半纏の中央には

大きく醤油の『醤』の字が染められ

その周りには『油』の字をデフォルメした

デザインが施されています。

 

帳場に続く部屋は茶の間

畳11枚と箱階段部分からなり

家族が普段の食事や団欒を愉しんだ場所です。

 

部屋の中央には

篠原家建物配置復元模型が置かれています。

 

現在残っているのは

矢印で示した主屋と石蔵だけですので

当時はいかに広大な屋敷だったか

よく分かります。

 

2階の大広間に通じる箱階段は

全て欅で作られた豪勢なものです

・・・この階段は降り専用になっています。

 

側面に設けられた引出しは

大きさがまちまちで

収納家具としての役割も果たしていたそうです。

 

居間からは庭を眺めることができます。

 

華美ではありませんが

趣味の良い枯山水です。

 

縁側から居間と帳場を見ると

住居と店が一体化しているのが

はっきりと分かります。

 

茶の間の隣にあるのは仏間。

 

幅一間(約1.8m)の床の間と

半間(約90㎝)の仏壇があり

かつては年寄り夫婦の寝室でした。

 

帳場の神棚と同様に

仏壇も立派な造りになっています。

 

仏間に一角には

昔のレコードプレイヤーが

さりげなく置かれています。

 

当時は蓄音機と言ったそうですが

モダンなお年寄り夫婦だったようですね。

 

仏間から表の方に向けて

6畳間が2部屋続いています。

 

表側(画像奥)の6畳間には

かつては電話が置かれ

帳場への通路もあることから

商談を行う部屋だったと考えられています。

 

画像手前の6畳間には

頑丈な金庫が置かれています。

 

この建物が建てられたのと

同じ頃に製造されたと考えられています。

 

お金や重要書類を収納し

鍵の管理やダイヤルの番号は

当主のみが知るところで

家族といえども

勝手に開けることは出来ませんでした。

 

この部屋にも階段があり

見学者が2階へ上ることもできます。

 

結構急な階段で

ヘタレの私は恐る恐るでした。

 

2階には

廊下を挟んで5つの部屋があります。

 

こちらは10畳間。

 

夫婦の寝室として利用されていたことから

生活のために工夫された家具を見ることができます。

 

質の良い桐で作られたこの箪笥は

布団を収納するためのもので

『フトンタンス』と呼ばれていました。

 

実際にご夫婦が使われていた物でしょうか

箱枕が4つ展示されています。

 

箱枕を見ると

よく首が痛くならないものだと思います

・・・使ったこともないくせに。

 

総桐作りのこの小さな箪笥は

元々はこの部屋の押入れに入れられていたもので

身の回りの品などが収納されていました。

 

床の間と違い棚がある

(説明書き通り)

こちらの部屋は客間。

 

でも

違い棚はありません

・・・かつてはあったのかも。

 

10畳の広さがあり

来客用として使われていました。

 

棚の地袋の絵は

江戸時代終わりから明治時代に活躍した

狩野派の画家菊池愛山によるものです。

 

私はこの方について知りませんが

宇都宮に生まれ

宇都宮で活躍したそうです。

 

こちらは座敷

20畳の広さがあり

婚礼などの祝い事に使われました。

 

幅二間半(約4.5m)の立派な床の間

掛軸は高森碎厳作の『青緑山水図』。

 

恥ずかしながら

この方も知りません。

 

『たかもりすいがん』と読み

上総の国(現千葉県)に生まれ

明治から大正期に活躍した

近代南宋画の大家だそうです。

 

1階へは

先ほどご紹介した箱階段で下ります。

 

蔵の中も見ることが出来ますが

長くなりしたので今回は割愛します。

 

旧篠原家住宅

栃木県宇都宮市今泉1-4-33

9:00-17:00

月曜日と祝日の翌日休館

入館料:1人100円

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、群馬県伊勢崎市です。