スピンオフ編~群馬県伊勢崎市・県内最古の木造洋風医院建造物『いせさき明治館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

群馬県伊勢崎市の

『いせさき明治館』です。

 

最寄駅は

JR上毛線、東武伊勢崎線

『伊勢崎』。

 

駅から徒歩10分

2階建ての木造洋風建築が

今回ご紹介する『いせさき明治館』です。

 

1912(明治45)年

伊勢崎藩の藩医だった今村家が

医院として建造したもので

県内に現存する最古の木造洋風医院建造物です。

 

1929(昭和4)年

今村家が伊勢崎を転出したため

一時は保健所などとして利用されていましたが

1942(昭和17)年に

医師の黒羽根忠雄氏が購入し

1947(昭和22)年頃に

『黒羽根内科医院』となりました。

 

1984(昭和59)年

新たに建造された新館に診療所が移り

第二次世界大戦後40年近く続いた

この建物の診療所としての役割は終わりました。

 

2002(平成14)年

黒羽根家から寄贈を受けた伊勢崎市は

曳き家工法で100mほど移動し

現在地に移設しました。

 

復元修復が行われた後

無料で一般公開が始まりました。

 

なお『いせさき明治館』の名前は

公開に際して市民の公募により決められました。

 

正面2階にはベランダが設けられ

柱や破風など西洋風のデザインになっていますが

日本人の設計者と大工による建造物で

いわゆる擬洋風建築です。

 

左右シンメトリーで

外壁はドイツ下見板張りになっています。

 

医院らしく室内を明るくするため

縦長の窓が取り付けられています。

 

2階部分にも

洋風の縦長の窓が施されています。

 

1階正面の玄関に

車寄せ風のポーチを構え

洋館の雰囲気を醸し出しています。

 

しかし

玄関は木製の和風の引き戸で

擬洋風建築の特徴である

和洋折衷が見られます。

 

屋根は日本瓦葺き

洋風の外壁とのコントラストに

何とも言えない趣を感じます。

 

館内に入ると

様相は一転して和風になります。

 

玄関に続く部屋は

患者の待合室として利用されていました。

 

玄関の左側にはかつての薬局があります。

 

薬局の奥の部屋は

かつての診療室ですが

私が訪れた時には

伊勢崎銘仙の着物が展示されていました。

 

名産品を宣伝することは

地場産業の発展に貢献しますが

建物マニアとしてはちょっと残念でした。


待合室の裏側には応接室があり

商談などに使われていたそうです。

 

床の間のある和室と

洋風のテーブルと椅子

一見ミスマッチですが

和洋折衷の擬洋風建築の雰囲気に

調和しているように思います。

 

応接室の欄間は

組子細工の角亀甲になっています。

 

2階には2間続きの和室があり

客室として使われていました。

 

画像の突き当りの扉の先がベランダになりますが

一般には開放されていません。

 

客室の天袋の金箔は

建築当初のものです。

 

客間の脇には和風の廊下

外観からは想像できない光景です。

 

廊下からは

建物側面のバルコニーが見えます。

 

こちらも

隠れた部分は純和風です。

 

客間の先には渡り廊下があり

それに続く部分は

後から付け足して建てられた棟で

外観も和風建築になっています。

 


この画像の左側の部分が

後から付け足された棟です。

 

とても素晴らしい擬洋風建築ですので

展示物などに配慮して頂ければ

さらに感動できるものになると思います。

 

いせさき明治館

群馬県伊勢崎市曲輪町31-4

0270-24-5111

(伊勢崎市経済部文化観光課)

10:00-17:00

月曜火曜休み

 

次回は、本日15:00に『街角アート編』。埼玉県熊谷市の『花園の歌』です。