スピンオフ編~茨城県水戸市・これまで見た擬洋風建築の中でも最高峰です『旧水街道小学校本館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

茨城県水戸市の

『旧水街道小学校本館』です。

 

最寄駅は

JR常磐線/水郡線

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の『水戸』。

 

駅から徒歩30分程度

歩くのが苦手な方は

駅から『水戸医療センター』行きバスに乗り

『歴史館偕楽園入口』で下車すると便利です。

 

乗車時間は約10分ですが

1時間に1~2本しか運行されていません。

 

『茨城県立歴史館』の中にあり

『旧水街道小学校本館』だけであれば

無料で見学できます。

 

駅から徒歩の場合には

こちらの正門から入りますが

バスで行くと

バス停の直ぐ近くに南門があり

『旧水街道小学校本館』まで100mほどです。

 

こちらは

正門側から見た光景。

 

1881(明治14)年に建てられ

1971(昭和46)年に

水街道市水街道小学校から

開館準備中の『茨城県立歴史館』に寄贈されました。

 

ちなみに

水街道市は『みずかいどうし』ではなく

『みつかいどうし』と読み

現在は常総市という名前になっています。

 


1974(昭和49)年

『茨城県立歴史館』の開館ととともに

『旧水街道小学校本館』も

一般公開されました。

 

洋館に和風の様式を取り入れた

木造2階建て、塔屋付きの

擬洋風建築になっています。

 

擬洋風建築は

幕末から明治初期において

近世以来の技術を身につけた大工棟梁によって

設計施工された建築で

従来の木造日本建築に

西洋建築の特徴的な意匠を融合し

庶民に文明開化の息吹を伝えようと

全国各地に建設されました。

 

『旧水街道小学校本館』を設計・建築したのは

水街道の宮大工・羽田甚蔵氏で

女優・羽田美智子さんの

義理の高祖父に当ります。

 

八角形の塔屋は『鼓楼』と呼ばれ

天井に吊るされた太鼓が

授業開始などの時を報じていたそうです。

 

ベランダの囲いは

洋風の意匠とともに

松をモチーフにしたような

和風のデザインが施されています。

 

2階部分には

唐破風のような破風が設けられ

赤い手すりで囲まれた

バルコニーがあります。

 

建物の中央に突き出したポーチ

4本の円柱に支えられています。

 

円柱の柱頭は

鏡餅を逆さにしたような

不思議なデザインになっています。

 

設計者が

ギリシャ建築の様式を

見よう見まねでデザインしたようです。

 

1階も2階も瓦葺の屋根で

これぞ擬洋風建築と言った趣きです。

 

玄関を入ると

全体的には洋風の意匠ですが

宮大工の技と意気込みも見られます。

 

梁に施された雲形の彫刻は

寺社建築の技を取り入れたものです。

 

玄関と裏口に取り付けられた色付きのガラス

ステインドグラスと言ってもよいかも・・・

西洋風な雰囲気を醸し出そうとしたのでしょう。

 

素晴らしい階段ですが

2階は公開されていません。

 

玄関を入って左側には

『御影泰安所』があります。

 

御影は御真影のことで

天皇の肖像写真や肖像画を意味します。

 

『御影泰安所』は

御真影と教育勅語を保管した部屋です。

 

知らず知らずのうちに

右傾化と軍国主義化が進む現代日本ですが

このようなものが復活しないことを

心から祈念します。

 

館内には

水海道小学校や茨城県の教育に関する

資料や写真が展示されています。

 

中でも興味深かったのはこちらの部屋

小学校の給食の変遷が展示されています。

 

昭和20年代の給食

脱脂粉乳と味噌汁。

 

味噌汁の具は鮭缶とほうれん草

食糧不足時代を反映し

パンやご飯は付いていません。

 

昭和30年代

脱脂粉乳、コッペパン、マーガリン

鯨の竜田揚げ、キャベツの千切り。

 

食糧不足も改善され始め

コッペパンが付くようになりましたが

いまだ脱脂粉乳です。

 

昭和40年代

瓶牛乳、ソフト麺、カレースープ

フレンチサラダ、チーズ。

 

ソフト麺が登場し

脱脂粉乳が瓶の牛乳へと変り

給食が美味しいと言われ始めます。

 

でも

レタスと胡瓜だけでフレンチサラダは

フランス人が怒りそうです。

 

昭和50年代

瓶牛乳、食パン、ジャム、鶏唐揚げ

おひたし、八宝菜、バナナ。

 

高度成長期の後期

給食も豪華になって来ました。

 

昭和60年代

紙パック牛乳、ご飯、味付ポーク巻

千切りキャベツ、あえもの、中華スープ。

 

瓶牛乳がパックに変り

ご飯が出るようになりました。

 

平成15年度

学校給食米飯献立コンテスト茨城県知事賞

ホルロ森のヘルシーライス

(城里町のアイガモ農法有機米)

紙パック牛乳、鮭のゆずみそ焼き

ひじきのナムル、けんちん汁、柿。

 

脱脂粉乳で育った身には

豪華な給食で羨ましい限りです。

 

平成20年度

学校給食米飯献立コンテスト茨城県知事賞

斉昭ごはん(ジャコと刻み梅)、紙パック牛乳

鮭のカラフルさらさ焼き、ねりごまあえ

水戸っぽ汁(サツマイモ入り)、りんご。

 

これ以降の展示はありませんが

今の給食はさらに豪華になっているのでしょうね。

 

当時の椅子と机

体格が良くなった現代の子どもたちには

ちょっときついかもしれませんね。

 

これまでに擬洋風建築を何棟も見て来ましたが

そのなかでもかなり美しい部類に入ります。

 

こんな素晴らしい建物で

勉強していた子どもたちは

幸せだったでしょうね。

 

旧水街道小学校本館

茨城県水戸市緑町2-1-15

茨城県立歴史館屋外

029-225-4425

9:30-17:00

月曜日休館

入館無料

※歴史館は有料

 

次回は、本日15:00に『街角アート編』。東京都板橋区常盤台の『空へ』です。