ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。
今日は
４月５日（金）の記事の続編で
東京都中央区新川の
『田宮於岩稲荷神社』です。
最寄駅は
東京メトロ日比谷線、ＪＲ京葉線
『八丁堀』。
駅から徒歩７分
公園のような場所が現れます。
ここが『田宮於岩稲荷神社』です。
先週の記事で
１８７９（明治１２）年に火災で焼失した
四谷左門町の『於岩稲荷田宮神社』が
歌舞伎俳優初代市川左団次の協力で
旧東京市京橋区に遷移したことをお伝えしましたが
こちらがその移転先なのです。
新川の『田宮於岩稲荷神社』は
１９４５（昭和２０）年に戦災で焼失し
戦後に再建されます。
通りに面しては鳥居がありませんが
燈籠に導かれる参道の向こうに
鳥居が見えます。
参道右手に建つ手水舎
左門町の本家のそれと
佇まいが似ています。
手水鉢は
本家よりも趣きがあります
・・・個人的な感想ですが。
手水舎の近くには
対の神狐が向かい合って置かれています
何故このような不思議な置かれ方なのでしょう。
左側の神狐は子取り
不敵な面構えをした子狐です。
右側は玉取りですが
経年劣化で顔が消滅しています。
再建前の拝殿を護っていた初代神狐で
二代目が奉納され役割を終えた時に
この場所に対で移されたのではないでしょうか？
初代神狐たちが見守る先には
靖国鳥居と拝殿が見えます。
拝殿は
二代目神狐たちに護られています。
初代を踏襲したのでしょうか
右側の神狐は玉取りになっています。
左側は子取りのようですが
無残にも子狐の頭がもげています。
初代に比べると穏やかな表情で
剽軽にすら見えます。
細部には若干の差異はあるものの
拝殿の外見は本家とほぼ同じです。
田宮家の家紋である
陰陽勾玉巴紋も施されています。
唯一異なるのは
扁額に書かれた社名。
本家の『於岩稲荷田宮神社』に対し
こちらは『田宮於岩稲荷神社』になっています。
入口の壁には
『於岩稲荷田宮神社』と書かれていますが
『田宮於岩稲荷神社』は
本家に対する忖度なのでしょうか？
拝殿の向かって右には
もう１基の靖国鳥居があります。
１８９７（明治３０）年に建立され
戦災を免れたもので
中央区に現存する鳥居の中では
二番目に古いものとのことです。
ちなみに説明版では
神明鳥居に属すと記されています。
間違いとは言えませんが
抜きが円柱ではなく直方体ですので
正確には靖国鳥居です。
鳥居の奥にある百度石は
民間信仰である『お百度参り』のための石塔で
中央区に現存する百度石の中では
最も古いものとされています。
説明板によると
百度石の左側面には
『大阪浪速座興行記念四代目市川右団次』と刻まれ
お岩の公演を記念して奉納したとのこと。
しかし
三代目市川右團次は存命で活躍されていますので
『四代目』はどうにも解せません。
二代目の右團次（1881.01.30-1936.10.16）が
『東海道四谷怪談』を当たり役としていたことに加え
年代的にも整合が取れることから
『二代目』の間違いかもしれませんね。
百度石の裏で見掛けた石造物
燈籠のようにも見えますが
火袋がないので違います。
何かは不明ですが
趣きがありますね。
百度石の奥には
神狐に護られた小さな祠があります。
祠を護る右側の神狐は
鍵を抱えています。
左の神狐は珠を抱えています。
この祠には『狐塚』と書かれています。
境内摂社ではなく
氏子の方が祈願成就のお礼として
神狐を祀ったもののようです。
祠の軒下にも
小さな神狐が置かれています。
さて最後になりますが
四谷を離れて７０年以上が経ち
新川の地に根付いた神社が
なぜ再び四谷の地に戻ったのでしょう？
その理由については
４月１２日（金）に改めてご説明します。
田宮於岩稲荷神社
東京都中央区新川２－２５－１１
次回は、本日１５時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Passengerの『Let Her Go』です。